A18.試験管は一気に何本見て判定しても良いのでしょうか?また、凝集像の見方は?

血液型の場合、まず抗A抗Bの2本、次ぎに抗DとRhコントロールの2本、
最後に裏試験の2〜3本を見るような形で良いのではないでしょうか。
また、判定後はすぐに結果を記入するようにして下さい。すべてを判定して、後でまとめての結果記入はしないで下さい。

クロスマッチ・不規則抗体の場合は、2.3本づつ見ればと思います。
凝集の崩れ方や凝集の強さを比較するには1本より2、3本の方が有利かと思います。
遠心後に、まず「上清が溶血していないか」を確認してから凝集の有無を確認していきます。
本数は多くても3本、「沈んでいる血球の位置をそろえて試験管を持ち、少しづつ静かに傾けながら見る」のが良いと思います。
(管底に張り付いた血球塊の最初の崩れ方の観察が大事!その後、赤血球塊の崩れ方を最後まで観察する)
血液型の場合は少々強めに試験管を振って判定しても差し支えないかと思いますが、
クロスマッチや不規則抗体検査の場合は、 試験管を「振って判定」と言うよりも、
試験管を「傾けながら判定」と言う表現が適切かと思います。
本数は3本より多いと、目がついていかないのではないでしょうか?
クームス試験の場合は、洗浄するため溶血は見なくても良いですが、遠心後血球の沈査の量を確認する必要もあります。
(インキュベーション中に溶血が起こり赤血球が減少している可能性もあります。)、
また、洗浄後、直ちにクームス血清を加えて判定しないと弱いIgG抗体は見逃す可能性ありますので、クームス血清を入れてから、なるべく早く判定し終えることが必要と思われます。(しかし、補体結合抗体の場合は時間を置くと強くなることもあります。)

結論として
やはり3本までが限度ではないでしょうか。


最終更新日:2010.05.22