〜コードの話 その2〜
1.コード表記の約束事
コードにはたとえば、
Cm7(−5)
G7(+5)
というようなコードの横に − や + の記号がつく場合があります。
算数でもないのにマイナスやプラスと変だなと思われるかもしれませんが
これは ♭ または ♯を表しています。
つまり、+ は ♯ を意味し、− は ♭ を意味しています。
上記の例でいうと
Cm7(−5)=Cm7(♭5)
であり、5thの音を半音さげなさいという意味です。
コードの構成音を調べると まずCm7を基本に考えるので
「C をルートとして半音2個 3個、 そして5thの音から半音2個がセブンスの音」ルールにより
ド ミ♭ ソ シ♭
ド =ルート
ミ♭=3rd
ソ =5th
シ♭=7th
となりますね。そして5thの音を半音下げるので
5thの音=ソ
を半音下げてやります。すなわち
ド =ルート
ミ♭=3rd
ソ♭=5th
シ♭=7th
が Cm7(−5)=Cm7(♭5)です。
Cm7(−5)をCm7(♭5)と書いたり、あるいはその逆の時もありますが
これは書く人の好き好きなのです。
中には、(♭5)と書く場合等で()も省略して
しまう人もいるようです。C7♭5などで7の上に小さく♭5を書かれると
C♭75のように見えてB7と勘違いしてしまいそうになることもあります。
したがって数字にはどちらかというと♭や♯よりかは + −を使うほうが
親切かもしれません。
2.シックスス(6th)
セブンスについては コードの話その1 で話しました。
が、7 より1つ少ない 6 というのがあります。
シックスス(6th) です。
C6 や Cm6
です。では6thの音はというと
コードの5thの音から全音上の音になります。
C6 を例にすると
C の5thの音は ソ であり、ソ の全音上は ラ の音となります。
つまりC6は
ド ミ ソ ラ
ド=ルート
ミ=3rd
ソ=5th
ラ=6th
という構成になります。
おまけの話
ピアノで白鍵を考えてみてください。
白鍵だけの音を書いて見ますと
ド レ ミ ファ ソ ラ シ
ですね。ここで ド も含めて6番目の音は ラ ですね。
同じく3番目は ミ であり5番目は ソ となります。
もうお気づきのとおり C6 のそれぞれ3rd 5th と同じですね。
では、セブンスは?ということで7番目は シ になりますがこれはM7の音ですね。
同じく今度は白鍵だけで ラ から始めて
ラ シ ド レ ミ ファ ソ
として、おなじように3番目は ド 5番目は ミ となり7番目は ソ で
Am7における3rd 5th 7thと同じになります。
このように3rdや5th、6th、7thはルートの音から何番目かという考え方がもとになっている
ようですね。
3.テンション
C7 や GM7 等セブンスについてはコードの話その1で説明しました。では
それ以外の数字はあるのか??というとあります。そしてそれらを
テンションといいます。
具体的には 9(ナインスといいます)や 11(イレブンス) や 13(サーティーンス) という数字です。
C7でのセブンスの音はシ♭であったように
9th 11th 13thもそれぞれ一つの音を指しています。
通常、テンションというと 数字が9 11 13 のものを指し、7thはテンションとはいわないようです。
テンションを含んだコードは弾いたときに響きが独特のものになります。
コードにある種の緊張感を与えるということでテンションといいます。
4.ナインス
まずナインス(9th)からです。
ナインスの音は、ルートの音から全音(=半音2個分)上の音です。
では、事例です。
F9
では、ルートは F なので ファ ですね。そして全音上というと ソ ですね。
つまり、
ファ ファ# ソ ソ# ラ シb シ ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ ソ#
ということで
F9 の構成は
ファ=ルート
ラ=3rd
ド=5th
レ#=7th
ソ=9th
ではFM9ではどうか?
考え方は同じでルートの全音上なので ソ です。
ファ ファ# ソ ソ# ラ シb シ ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ ソ#
ということで
FM9 の構成は
ファ=ルート
ラ=3rd
ド=5th
ミ=7th
ソ=9th
ここで注意!!
C7 と CM7 ではセブンスの音はそれでれ
シ♭ と シ
と音が違いましたがナインスの場合は変わりません。
そしてこのことは後で説明するイレブンスやサーティーンスにも同じことがいえます。
ここで、またもや注意!!
上の事例でたとえば FM9 を
ファ ファ# ソ ソ# ラ シb シ ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ
としています。
ナインスの音はルート音から全音上の音というのにもかかわらず、オクターブ上の ソ にしてますが
これはセブンスよりも上のナインスということで ミ よりも上の ソ となり結果としてオクターブ上にしてあるだけです。
実際コードを弾くときは全然関係ありません。
コードの押さえ方についてはまた別に書こうと思います。
5.コード表記の約束事 その2
ナインスまできたところで再びコード表記の話です。
いろんなスコアを見ているとナインスコードでも例えば
A(9) とか A9 あるいは
Bm(9) とか Bm9
等、見かけると思います。
同じナインスを含むコードですが実は違います。
コード横につく( )書きの数字は加えるテンションを表しています。
したがって、
A(9) これは
Aのコードに単にナインスの音だけを加えなさいということです。セブンスは関係なし。
したがって構成音は次のとおりです。
ラ=ルート
ド#=3rd
ミ=5th
シ=9th
ところが A9 の場合はセブンスも含みます。
ラ=ルート
ド#=3rd
ミ=5th
ソ=7th
シ=9th
となります。
同様に
Bm(9)はBmに 9th だけを加えて
Bm9 は Bm に 7th も 9th も加えます。
それでは、これは??
E7(9) と EM9
この場合、9th の音はどちらも ファ# で同じですが
セブンスの音が一方は 7th で レ、
もう一方は M7 で レ# と違います。
さらに
EM7(9) と EM9ではどうか・・・
この場合は書き方の違いだけでコードを構成する音は同じです。
コードの話 その3
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