水まわりの?
【便所】
まず
腰掛便器のしくみを簡単にこ説明しましょう。
水洗便器にはいつも水がたまっていますが、この水
腰掛便器のしくみを簡単にこ説明しましょう。
水洗便器にはいつも水がたまっていますが、
この水たまりは排水路の「せき」でできています。
弁があるわけではありませんので、量を多くしたり、
少なくしたりといった調節はできません。
では水たまりと排水路について、もう少し詳しく見てみましょう。
腰掛便器のしくみ
腰掛便器の種類
く水たまり〉
水たまりには次のような役目があります。
@水たまりで下水管とトイレ内を遮断し、
臭気が上が ってくるのを防ぐ。
A水たまりに汚物を落とすことで便器への汚物の
付着 を防ぐ。
水たまりの広さは便器の種類によって異なり、広いも
のから狭いものまでいろいろありますが、広いほど汚物
が付着しにくくなります。
く排水路〉
汚物を洗浄水とともに排出させる便器内の通路の
ことです。
排水路は径が大きいほど詰まりにくいわけですが、
限られた水量で排出させる必要があるため、むやみ
に大きくはできません。また、サイホン作用を利用した
便器では、サイホン作用を起こしやすくするため、
くねくね曲がっています。このため便器に流せる物の
種類や大きさには限界があります。
俗にいう“おつり”です。
これは水たまりがあることが原因ですが、この水たまり
には前記のような大切な役目がありますので、無く
すわけにはいきません。水たまりに物を落とすとはねる
ことがあるのと同じで、汚物の落下スピードや形、重さ
等によってlよはね返ってくることがあります。いろい
ろ研究はされていますが、汚物の状態は一定ではないた
め、完全には無くせないのが現状です。
使用後、水を流しても便器に付着した汚物がきれいに流
れないことがあります。
これは、水たまりの狭い便器で発生することが多いよ
うです。水たまりの面積が狭いと、汚物が乾いた部分に
落ちやすいため、乾いた部分に付着した汚物が残るので
す。
水たまりの狭い便器は、このような短所がある反面、
構造が複雑にならないためコストが抑えられるという長
所があります。
便器は、消費者の選択の幅を広げるためにいろいろな
種類が用意されていますので、それぞれの特徴をよく理
解して選ぶ必要があります。
便器の排水路の径は、限られた水で汚物を流すために、
必要最小限の寸法になっています。具体的な寸法は便器
の種類によって異なりますが、最も小さい部分の直径が
43mm〜53mmです。
このため、排水路より太いものや、径は小さくても長
いものは詰まることがあります。
たとえば、次のようなものです。
・ボールペン・くし・歯ブラシ・紙おむつ・生理用品
・一度に大量のペーパーを使用したとき
・長大汚物※ など
※長大汚物とは
便秘気味などで排便間隔が極端に長い時などに、通常
よりも長く大きい汚物になることがあります。この大き
さが長さ100mm、径40mm以上になると詰まることがあり
ます。長大汚物の場合は、割りばし等で小さくして流し
て下さい。
便器の種類はいろいろありますが、座面の前出寸法は2
種類しかありません。
小さい方をレギュラーサイズと呼び、大きい方をエロ
ンゲートサイズと呼んでいます。
レギュラーサイズは、スペースの狭いトイレに適して
いることや、使用水量が少なくコストが抑えられること
から、経済性を重視される方のために用意されているも
のです。このため用を足すとき窮屈に感じられることが
あります。
ゆったり使用できることを優先される場合は、エロン
ゲートサイズをお選びください。
腰掛便器はその名のとおり、本来座って用を足すことが
主目的の製品です。ですから男子小用のように前に立っ
て用を足すことに対しては、もともと不向きなのです。
男子小用時の使い勝手を優先するなら、小便器を設置
する以外に方法はありません。
いろいろな種類の専用小便器がありますので、ぜひスペー
スを確保して、小便器の設置をご検討ください。
便器の水たまり部分と乾いた部分の境目、水出し穴周囲、
手洗ボールなどに筋状の黄ばみがつくことがあります。
この汚れは水道水に含まれる鉄分が次第に付着したもの
で、一般に水あかと呼ばれています。
水あかは、化学的に落とすことは困難ですので「研磨
材」(クリームクレンザー)で、こすり落としてくださ
い。
それでも完全に落ちない場合は、耐水ペーパーの1000
番程度のものでこすれば比較的楽に落とせます。ただし
素材に傷を付けることになりますので、これは最後の手
段です。
尿酸等が水道水に含まれるカルシウム等と結びつき、次
第に堆積してできた汚れです。こうなると落とすことは
非常に困難ですが、次の手順で掃除してみてください。
@便器内の水を紙コップまたは灯油用ポンプで抜いてく
ださい。(洗浄剤の効果を高めるため)
Aトイレ用洗浄剤を汚れに直接ふりかけ、30分くらい放
置しておきます。
B竹ベラ等で堆積した汚れをけずり取ります。
Cそれでも落ちないときは、ABを繰り返したあと、ク
リームクレンザーを付け、棒たわしで根気よくこすりま
す。
便器の上面や周囲に飛び散った小便などは、そのつど、
トイレットペーパーや市販の使い捨て雑布で拭き取るよ
うにします。便器の内側は毎日棒たわしでこすり、週に
1度はトイレ用洗剤を付けてこするのが理想です。
ガラスコップに氷水を入れると、たちまちコップが汗
をかくように、便器やタンクも汗をかくことがあります。
この汗を結露といい、ひどい場合には汗が流れ落ちて床
まで濡らしてしまうことがあります。
結露は空気中に含まれる水蒸気が、便器やタンクの表
面で冷やされることによって凝結する現象です。湿度が
高く水温と室温の差が大きいほど発生しやすく、地下水
を利用している場合や、湿度の高い梅雨時、あるいは冬
の暖房時などに多く見られます。
普通の便器やタンクでは結露を防ぐことはできません
が、水温で表面が冷やされないように、断熱層(防露
層)を設けた「防露便器」や「防露タンク」も販売され
ています。
日本は湿度が高く結露しやすい環境にありますので、
あとで後悔しないように器具選定の段階で防露タイプを
選ぶようにしましょう。
ロータンクには、手洗付と手洗なしの2タイプがありま
す。
手洗付ロータンクは、新たに手洗器を設ける必要がな
く、給水・排水工事も不要になります。さらに手を洗っ
た水はタンクに貯められ便器の洗浄に使用されますので、
節水にもなり、経済的です。
反面、短所としては、手洗ボールの位置が高く、さら
に便器が邪魔になり手洗ボールに近づきにくいなど、使
い勝手がいまひとつという問題があります。
使い勝手を優先するなら、タンクは手洗なしとし、専
用の手洗器を別に取り付けることをおすすめします。
トイレの水を節約するため、タンクの中にビ−ル瓶やレ
ンガを入れることをすすめる人がいますが、これは次の
ような理由からあまりおすすめできません。
@タンク内部の金具の作動に支障をきたすことがある
タンクの中にはタンクに水を入れたり止めたりする
ボールタップという器具や、便器へ水を流す排水弁な
どがあり、ビン等がこれらの正常な作動のじゃまをし
故障の原因になることがあります。
A便器が詰まりやすくなる
便器の洗浄に必要な水量は便器の機種ごとに決まって
おり、決まった水量を流すことにより、はじめてその
便器の洗浄機能が維持できるようになっています。
ですから決められた量以下では洗浄機能の保証ができ
ず、汚物が残ったり、最悪の場合詰まってしまうこと
もあります。
このようにむやみに水量を減らすことは、いろいろな
支障が生じることがありますので、できるだけ決めら
れた量でご使用ください。
便器の節水は、便器自身の構造によって少ない水量で
洗浄できるようにした節水タイプを取付けるしか方法
がありません。増改築時に取り替えをこ検討ください。
手洗付のタンクは手洗ボール内が汚れやすいため、上
部蓋部の手洗い部を出来るだけ毎日粗布で拭く式くよう
にしてください。
便座はプラスチックでできていますが、空気が乾燥す
る時期(特に冬場)は衣類による摩擦によって静電気を
帯びることがあります。
便座が静電気を帯びると、空気中に飛散している粉じ
んが引き寄せられやすくなります。黒く汚れるのは、人
が座ることによって、便座に付いた粉じんが人体の脂と
一緒にこすりつけられるためですが、多くの場合、黒い
筋状の汚れになります。
これを防ぐには静電気を発生させないようにするしか
方法がありません。よく絞った雑布でこまめに拭くよう
にしてください。
ご注意
から拭きは、かえって静電気を帯びやすくなります。ま
た市販の帯電防止剤は、便座には悪影響(割れ)を与え
るため使用しないでください。
ウォシュレットでおしりを洗浄するとき、しぶきが便
座にかかることがあります。
ウォシュレットは水勢で汚物を洗い落とすため、しぶ
きの発生を完全に無くすことは困難です。
水勢を弱くすればしぶきは少なくなりますが、単に汚
物を洗い落とすだけでなく刺激を求めようとすると、水
勢を強くせざるを得ず、水飛びの原因になります。
面倒ですが便座に飛び散ったときは、そのつどペー
パーで拭き取ってください。 なお、便座に座る位置で
水飛びが少なくなることもありますので、に便座に深く
腰掛けてみてください。
ウォシュレットの乾燥に時間がかかる
ウォシュレットで洗浄後、濡れたまま温風で乾かそうと
すると、乾くまでかなりの時間がかかります。まずトイ
レットペーパーで、水滴を拭き取り、仕上げに温風を当
てると早く乾き、さわやかさが増します
貯湯タイプというのは、あらかじめ沸かしたお湯を貯
めておいて洗浄に使い、お湯を使ったぶんだけ新しい水
が補充される方式のものです。
タンク内は常にヒーターで加熱されていますが、加熱
能力が限られているため瞬時に沸かす力がなく、貯まっ
たお湯を使いきると冷たくなります。
冷たくなったら、一旦止めて、4〜5分待てば再び適温
のお湯が得られます。
瞬間タイプというのは、水を出したら瞬間的に沸かす
ものです。ヒーターの加熱能力には限界があるため、水
温が低い時期は、使い始めや水勢を強くした場合、適温
まで温度が上がらず冷たく感じることがあります。
適温のお湯を得るには、水勢を弱めにする必要があり、
このために水勢にもの足りなさを感じるようです。ただ
し、晩春から初秋にかけての水温の高い時期は、水勢を
強めにしても適温が得られます。
瞬間タイプは、このような短所がある反面、連続して
お湯が得られ、貯湯タイプのように湯切れすることがな
いという長所があります。
貯湯タイプ
お湯を貯湯タンクで沸かして貯めておく ので、冬場な
ど水温の低い時でも快適な湯温と湯量で洗浄できます。
ただしタンク 内のお湯を使いきると設定よりも低い温
度になります。
新貯湯タイプ
貯湯タイプの特長をそのままに、お湯と水を混せながら
吐水するので、使用中に温度の調節が可能です。ただし、
貯めておいたお湯を使いきると、設定よりも低い温度に
なります。
瞬間湯沸しタイプ
使用するたびにお湯を沸かすので、連続使用してもお湯
が切れることはありません。ただし冬場など、水温が低
い場合に水勢を強くするとお湯の温度が適温まで上がら
ない場合がありますので、適温で使用 する場合は水勢
を弱くしてください。
※詳細はカタログをご覧ください。
空気中のほこりが便座に生じる静電気に引き寄せら
れ、便座が黒ずむことがあります。
便座専用洗剤を布に付けてこすってください。それで
も落ちないときは、金属研磨剤(ピカール等)で全体を
まんべんなく磨いてください。
暖房ヒーターによって黄色に変色した場合を元の色には
戻りません。
ウォシュレットは見た目にはケースだけのように見え
ますが、中身はマイコンなどの電子部品がぎっしりつま
っている電気製品です。汚れると水をかけて洗いたくな
りますが、故障や事故の原因になりますので絶対にやめ
てください。手入れの際はよく絞った雑巾で拭くように
しましょう。
ウォシュレットを含めて、便座にはABS樹脂というプラ
スチックが多く使用されています。便器は陶器ですから
少々ハードな洗剤を使用しても材質に影響を与えること
はありませんが、ABS樹脂は薬品類に弱い欠点がありま
す。トイレ用洗剤の多くは、陶器に付着したしつこい汚
れ落としを目的に開発されていますので、中には便座に
悪影響を与えるものがあり、便座に使用したり付着させ
ると短い期間でヒビが入ることがあります。
便座のお手入れには、便座専用の洗剤を
こ使用ください。
ウォシュレットなどの電気製品は雷によって電子回路部
分が損傷することがあります。
雷が鳴り出したら器具の保護のため、電源プラクを抜
いてください。
よく絞った雑布で毎日拭き、週に1度は便座
専用洗剤や市販の使い捨て雑布で拭くのが
理想です。
熱いものに触れるとやけどをすることは誰でも知って
いますが、それほど高温でない電気カーペットや暖房便
座では、やけどの心配はないと考えている方が多いので
はないでしょうか。
ところが、体温より少し高い程度の温度でも長時間肌
に触れていると皮膚に赤い斑点ができたり、水泡ができ
ることもあります。これが“低温やけどと呼ばれるもの
です。
暖房便座の表面温度は最高40℃程度で、しかも1時間
も2時間も座っているものではありませんので普通なら
低温やけどの心配はありません。しかし便座に座ったま
ま、長時間眠ってしまったりすると熱さに気が付かず
低温やけどをする可能性があります。
低温やけどは、知らず知らずに侵されていくので皮膚
の表面はそれほどでなくても、深部にまで及ぶ場合が多
く、治療にも相当な日数がかかるといわれています。
下半身麻痩などで温度感覚がない方や、小さなお子様
など皮膚の弱い方が使用するときは、暖房便座のスイッ
チを「切」にするなど周囲の方がよく気を配ってあげて
ください。
便器の内側の水出し穴付近や浴室のタイルなどに鮮やか
なピンク色の汚れが付着することがあります。
これは空気中に飛散しているバクテリアがその部分に
付着して繁殖したことが原因で、鮮やかなピンク色は、
そのバクテリアの分泌物といわれています。洗い落とす
といったん消えるのですが、日が経つとまた出てくるこ
とがあります。
このバクテリアは湿気と栄養分があると繁殖するとい
われていますので、汚れに含まれている有機分(あかな
ど)が栄養源になっていると考えられます。
したがって、再発を防ぐには栄養源となる汚れを付着
させたままにしないことが大切です。便器に付着した場
合は棒たわしでこすると落ちますが、漂白剤を用いると
除菌効果があり再発しにくくなります。

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Last Updated : 2005-12-15
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