【プロローグ
想が出べそになってしまった、、、。
出べそと聞いてまず思い浮かべるのが子供の口喧嘩のフレーズ♪お前の母ちゃん出べそ〜だ。あれは自分のことを馬鹿にされるよりはるかに頭にきた。幸い私の母は普通のへそだったので「ちがうわアホ!見たんかボケ!」と言い返すことができたが、本当に出べその母を持つ子はさぞ悔しかっただろうなあ、、、。
出べそはひやかしの対象だ。カタチも出べそという言葉の響きも滑稽で自慢できるものではない。しかしマンガに出てくるガキ大将はみんな出べそである。なかにはちんちくりんのシャツを着てわざと(?)丸出しにしている者もいる。ひやかしの対象を権威の象徴にしてしまうなんて、さすがガキ大将!原住民の酋長がでかいコテカをしているようなものである。
想もジャイアン(は出べそで悩んでたなあ)やゴリライモのように力強く生きてくれたらいいが、できるならばきれいに治って欲しい。出べそだったことを笑って話してあげられるようになりたい。その日を夢見てこのページに想の出べその記録を綴ろうと思う。がんばれ想!出べそに負けるな!
だってパパも出べそだったんだから!!

【エピソード1】
平成11年11月
通常生後1週間くらいでへその緒がとれるそうだが、想は入院中(4日目)にとれた。乾燥するまで入浴後は消毒と乾燥剤でケアをするのだか、ある日ケアをしている時におしっこをピューと飛ばしたことがあり、おへそに入ってしまった。きちんと処理したのだが、次のおむつ替えの時におへそから出血しているのを発見。あわてて病院に連れて行く。結局おしっこは関係なかったようだったが、それまで以上に慎重にケアをするようになった。この時はまだ出べそではなかったが、おへそにまつわる因縁はこの時始まっていたのかもしれない。

平成11年12月
おへそのじゅくじゅくがようやく治まった頃、なんとなくおへそが飛び出してきた。パチンコ玉くらいで「この子出べそかも」とあまり気にしていなかったが、ミルクを吐いて病院に行った時「臍ヘルニア」と診断される。大そうな病名で一瞬ドキッとしたが、成長すれば治るし心配いらないと言われて安心する。

その壱
臍(さい)ヘルニア
【症状】臍部の腹膜は生まれつき抵抗が弱いので、生後1ヶ月頃から次第に膨れだし、腸が出てくる病気
【治療】成長するにつれておなかの筋肉がしっかりしてくれば、ほとんどが2〜3ヶ月、長くても1年以内で自然に治る。
とある。赤ちゃんの出べそのほとんどはこの臍ヘルニアが原因のようだ。先に臍ヘルニアを解説したが、そもそもへそって何だろう?
へそ
【臍】臍帯の取れた跡(広辞苑)
臍帯とはへその緒(尾ではない)の事。へそはへその緒がとれた名残という訳である。へその緒が出ていた穴を臍輪といい、これが閉じきらないところに腸の一部が出て、出べそになるらしい。
←想の臍帯は太くてしっかりしていた。おかげで27時間かかったが酸素がちゃんと送れた(血液が栄養と酸素を運ぶ)ので元気に産まれてきた。色はかき(貝)のような乳白色でテカテカだった。硬いか軟らかいかよくわからないがスパっと切れていなかったので意外と硬いかもしれない。神経は通っていないので痛くないそうだ。
赤ちゃんはお腹が一杯になるまでミルクを飲み一緒にたくさんの空気がお腹に入る。きちんとゲップを吐かせないと腸に空気がたまり、へそが出る原因になるそうだ。離乳食も便通がよいもの(繊維質など)を選び、腸に負担をかけないものが良いらしい。またカンシャクをおこさせないようにするのが大事というが、確かに泣きわめくと出べそがパンクしそうになる。

【エピソード2】
平成12年1月
パチンコ玉くらいの大きさだった出べそがみるみるうちにピンポン玉くらいに大きくなる。皮が膨れているだけあって風船のように薄いから、突付いたら割れそうだ。しかしうちの子も出べそだったという友達が意外と多く、みんなピンポン玉くらいになったというから大丈夫だと思う事にした。が、しかし!ピンポン玉の頃はあっという間に過ぎ、さらに大きくなる。例えるならば「雪見だいふく」くらいだ。赤ちゃんの身体に「雪見だいふく」のへそがついていると相当インパクトがある。ジャイアンやゴリライモのへそはオーバーにデフォルメしたものと思えなくなった。だいたい縦4cm、幅2cm、高さ2cmくらいだ。泣いたら本当にパンパンになるので恐ろしい。穏やかな時はちょっとしぼむのだが出べそが邪魔でおむつがちゃんと履けなくて困る。さすがに心配なので小児外科で見てもらうことにした。
←標準サイズのへそがカーソルをあてると想のサイズに変わります。
「あんたの出べそはオリンピックの記念千円硬貨で押さえて治した」と母からよく聞かされたものだ。へその緒が入った桐の箱と一緒にその記念硬貨が今でも残っている。しかし硬貨で出べそを押さえてはいけないらしい。バイキン等が入り炎症を起こす原因になるからだそうだが押さえたくてしかたない。出べそは押し込むときゅるきゅる音を立てて中に収まる。腸を直に触っている感触がしてあまり気持ちよくないが中に収まるとちょっとうれしいのでたまにやる。腸が入った後、皮があまってしまうのだが、これはどうなるのだろうか?

その弐
臍と漢字で書けますか?拡大してみます。
  だそうです。
臍って英語で言えますか?調べてみます。
 だそうです。
ちなみに、
へその緒・・・は、navel strings(ネイヴェル ストリング)、へそくり・・・は、secret savings(シークレット セーヴィング)
へそ曲がり:偏屈な人のこと・・・は、crooked person(クルキッド パーソン)、
へそで茶を沸かす:おかしくてたまらないこと・・・は、be very funny(ビー ベリー ファニー)と訳すそうです。
へそのゴマはなんて訳すのでしょう? navel sesame(ネイヴェル セサミ)でいいのでしょうか?誰か教えて下さい!

【エピソード
平成12年1月
予約をとって関西医大の小児外科に行く。臍輪は大きいけどすぐに手術せず2歳くらいまで様子をみましょう。まれに腸がねじれたり腐ったりする場合があるのでその時はすぐ手術します。泣き方が変わったり臍が赤くなったり吐き続けると注意信号です。泣かせ続けないようにして下さい。ということだった。3ヶ月に一度通院することになったが安心した。そうそう、出べそを押さえるのは無駄な行為と言われた。オリンピックのメダルで押さえられた俺っていったい、、、。

その参

北海道富良野市は「へそまつり」でも有名なへその街。当然へその造詣が深い方が多く、へそに関するホームページがたくさん開設されている。そのなかでも非常に面白くて参考になるホームページを紹介します。

 
 「へそ博物館」 http://city.hokkai.or.jp/~konnai/ (閉鎖したようです)

【エピソード4
平成12年1月
このコンテンツをオープンして以来たくさんの“出べそ仲間”からお便りをいただきました。東大阪市在住のKさんからは「出べその娘が水疱瘡になったら、赤い湿疹が出べそにも出た!雪見だいふくが、いちご大福になった(笑)」というメールをいただきました。うちも黄疸が出て、バナナ大福にならないように気をつけます。お互いがんばりましょう!


【エピソード5】
平成12年3月
お医者様の言うことを信じ、ひたすら小さくなるのを見守る私達。親の愛が通じたのでしょうか、身体が大きくなったからかもしれないけれど、なんとなく小さくなった気がしてしてきた。例えるならば、“横長のベビーシュークリーム”といったところ。泣いて踏ん張らない限りはしわしわになっているので、突付いたら張り裂けそうな心配が無くなり随分気が楽になった。4ヶ月健診に行ったところ、臍輪が大きいので出た腸が戻りきらずにねじれて腐るようなことはないよと言われた。でも大きいので治るのも遅いらしい、、、。まあいいや!最近出べそを押してきゅるきゅるいう音と感触に慣れてきたし。今まで通り、腰を据えて行こう!


【エピソード6】
平成12年3月
鼻水が出るので想を小児科に連れて行った時の事。順番を待っていると2ヶ月くらいの赤ちゃんを抱えたお母さんが血相を変えて飛び込んできた。受付で病状を説明しているのが聞こえる。「うちの子の出べそがピンポン球くらいになって、、。みんなが急いで病院に行けというんです。大丈夫でしょうか、、。」それを聞いた先生は出べそについて詳しくないようで、なんと医学辞典で調べだした!「う〜ん。2歳くらいまでに治るとありますねえ、、。」看護婦さんもオロオロしちゃうし、お母さんも先生助けて!という必死の形相。そこで見かねた敏美ママ、おもむろに想の服をペロリと脱がし出べそを見せて言いました。「うちの子もこの通りの出べそですけど、心配いらないようですよ。気にしないことですね!ははは!」
いやー慣れって恐ろしいですね。あんなに心配していたのにこの余裕。そのお母さんも「そうなんですか。良かった!」と安心して帰ったとさ。診察料もらっとけばよかったなあ。ちなみに先生の名誉のために申しますと、出べその専門は小児外科だそうです。


【エピソード7】
平成12年4月
3ヶ月に一度の定期検診に行った。先生は想の出べそをグリグリと触診し「要は中身が問題なんですが、今のところ特に別状ないようですね。」と極めて簡単に診断された。大きさはやや小さくなってはいるものの出べそには変わりない状態。


【エピソード8】
平成12年5月
本日夕方からひどい雷雨。雷がなったらおへそを隠せといいますよね。雷様に取られちゃうからと、、、。そこでバカ夫婦はやってしまいました。落雷の音が鳴り響く中、想の服をペロリとめくり出べそをオープンに!もちろん家の中でですが「おへそ取っちゃってください。へいっちゃらですから持ってって!」と天に向かい叫ぶ敏美。かなりデカイ音がなっているのに想はびくともしない。もちろん出べそはそのままです。


【エピソード9】
平成12年8月
ここには書かなかったけど7月の定期検診は良好だったのに、はしかをしてから何故かカタチがいびつになった。大きさは変わらないのにデコボコして大丈夫かなあと心配。出べそにあせもらしきものができていたけど関係あるのだろうか?えぐれている部分で発見が遅れたのが悔やまれる。でも出べそにあせもができるなんて考えても見なかった!


【エピソード10】
平成12年10月
3ヶ月に一度の定期検診の結果「あまり臍輪が小さくなっていませんね、この分だとやっぱり手術かな。」なんてショックな事を言われた。確かに大きくなってないけど小さくもなっていない。2歳まで様子を見ましょうといっていたので余裕で過ごしていたんだけど、もうすぐ1歳なんであと1年しかない!時間ってとらえ方によって長く感じたり短く感じたりするもんだ。最近風邪や中耳炎でお医者様に診てもらう時、メチャクチャ暴れて大変。抑えているママも看護婦さんも汗でびっしょりになってしまうほど。出べその手術は全身麻酔だろうか?局部だったら暴れるぞお!今からゾっとしているパパママなのだ。


【エピソード11】
平成13年1月
定期検診。「あまり変わっていませんね、、、。今年いっぱい様子を見ましょうか。」ということ。でもなんとなく小さくなった感じがする。空豆の皮くらい(?)になったのになあ。パチンコ玉→ピンポン球→ベビーシュークリーム→空豆の皮という出べその歴史。次はアーモンドチョコレートくらいになって欲しいものだ。(ちょっと意味不明)


【エピソード12】
平成13年3月
オーマイガーッ!変化がなく暗く沈んでいた時期が続いていた(うそ。明るい家庭です。)のがウソのように、最近いきなり出べそが治りつつあります。アーモンドチョコレートくらいになって欲しいだなんて願いは三段跳びで叶い、今は梅干の種(小)くらいです。それもそのはず最近の想はめちゃくちゃやんちゃでとにかく暴れまくっています。運動量が増えて腹筋を使うようになれば小さくなると聞いていましたがまさしくその通りでした。手のつけられない傍若無人ぶりですが、出べそが治るのならそれもいいではないか!もっともっと暴れておくれ!(いや〜! byママ)


【エピソード13】

平成13年7月
定期検診。「だいぶん小さくなりましたね。このぶんだと手術しなくて大丈夫でしょう。ちょっと皮があまるかもしれないけど問題ありません。」とのこと。Oh!My Go――――d!なんてうれしいのでしょう!腎臓が片方なくなり、いつ手術になるかわからない状態になった今、出べその手術の心配がなくなったのは本当にうれしい、、、。今はまったく出べそって感じではない。ああ神様、ありがとうございます。想の出べその日々を笑って思い返せる日が来ました。次回ついにHPに写真を載せます!11月の2歳の誕生月に最後の検診。そしてその日がこの「出べそはゴマがたまらんねんぞ!」最終回です!!


【エピソード14】
平成13年11月
見た目は皮があまっているのですが、今の状態を見て誰が「ゴリライモ級の出べそ」だったと思うでしょうか!約2年前、本当にどうなる事かと涙を流して先を案じたものですが、もうすっかりへいっちゃら!定期検診でも「もう大丈夫です。腸がねじ曲がったり腐ったりする心配もありませんし手術の必要はまったくありません。今日で通院も終わりです。」と言ってもらえました(感涙)。でも皮があまって出ているのでどうしても「出ている」ように見えます。きっと「出べそ!」なんてからかわれるのでしょうね。しかしそんな事言われてもくじけるなよ想!出べそで手術したり、命落としたりする赤ちゃんだっているのに、皮があまったくらいですんだのだから。この頁を通じてお友達になれた同じ症状の子供を持つパパママさんもたくさんいました。これからもここを訪れる同士の方々がいるでしょう。でも「2年ぐらいで治る」ということを信じて、また手術することになってもそれが子供の為だと信じてがんばってください。無事に完治した時、あなたもきっと「ゴリライモの出べそもう一回押してみたい!」と懐かしく思うえるようになるでしょう。


【エピローグ】
確か「YOSHIDA家のHP」が3000HIT達成したときに一度だけ写真を載せたのですが、完治を記念して最後に想の出べそ時代の写真と現在の写真を公開いたします。本当にすごかったでしょ!!

    
       生後3ヶ月の出べそ                   1歳10ヶ月のおへそ



END


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