1978年12月 - その2 -

1978年11月から12月、次屋の事務所に近畿勢の面々が時々やってきては、雑談して帰っていった。
卒業して数年、みんなまだ独身の頃であり、当時の仕事を続けていくのかどうか、不安定な暗中模索の時代でもあった。




さて、この日、実はえらいことが起こりよりまして。

わし、Be 氏 に事務所に来るようにTELしましたんや。夜11時半頃伺う、こういうことだったんですが、

わし、事務所に鍵かけてまして、台所の電気消してたんです。

事務所、奥が深いでっしゃろ。コンコンコン、ちょっとたたいたぐらいではわかりませんのや。

うちに来た時は、裏に回ってガラス戸たたきんしゃい、こう言うとけばよかったんやけどね。

深夜1時半頃、Na 氏 が、タバコなくなった、言うて車まで行きんしゃったからよかったんやが、

ゴメン、すまん、わりかった。彼、この時、会社の車でお越しはりましてね。

ほんまに2時間も寒かったやろなあ。わし、この時眠かったんや。

もうベッドでうわの空。Na 氏 と Be 氏 の話はうろ覚えですねん。・・・・・・・・


『あれ、何書いとん。』

『いや、A氏の祝辞書いとんね。』

『あ、やらして、やらして、俺、そんなの考えんの好き。

いつも学校にセールスに行ってるから得意や。

特に文章削ったりするの得意なんや。

全部なくなってしまうこともあるけど。・・・・』


あー、眠た。今回はTa君一回も出てこんかったからちょっとだそか。

Na さん、結婚式に歌、歌わなならん、いうてカラオケテープなど買うて、

一生懸命練習してはったんです。

『おい、Ta 、結婚式の時、何やんね。はだか踊りやるんか?』

『わし、料理食うとくわ。こういうのわし得意やから。あんさんの分も、何やったら食うたるで。』


さて、結婚式の時どうなったんでしょうね。

次に、Ta 君と Be 君の会話を。


『おい、Be 、わしんとこにえらいもんがきよったで。

自動車税、納めんと差し押さえるちゅうて、赤紙がきよったで。

ホントに踏んだり蹴ったりやないか。どないしてくれんね。』

『車か、今、銭ないで。あん時の税金はめしに消えてしもたわ。

あん時は、銭なかったからなぁ。

今月も月末やし、今、銭ないから差し押さえさしとき。・・・

しかし、このままほといたらどないなるんやろ。』

『そらぁ、くるで。税金は怖いから。ここに金があるから、あしたこれではろてきてくれ。』

『あ、くれんの。ありがと、もろとくわ。これで今月も生活がでける。』

『怖いな、Beに銭渡すの。おい、あした、頼むで。

・・・しかし、わし、住所変えとんのになんでわかったんやろ?』

『あの車、なんぼで引き取ってくれたんかな。』

『たしか、1500円ぐらいやったで。今、鉄が安いからいうて。』

『あ、そうやったか。しかし、安かったなぁ。もう、ボロボロやったけど。』


皆さん、今年も色々ありました。光陰矢の如し。青年老い易く、学成り難し。

人生を乗せた時の列車は、1978年をまさに置き去りにしようとしています。

我々は1978年に毅然とした態度でお別れしなければなりません。

来たるべき1979年が幸多き年であります様に、祈りを込めて。

四畳半友の会会員様。

当時、近畿在は Mo 、Ta 、Be 、No 、Na の5人だったかな?みんなそれぞれの会社勤めが忙しく、
私は月曜から金曜まで泊まり込み出張で家を空けることが多かった。


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