誕生日おめでとう。
君は今日で何歳かな。
忘れているわけじゃないよ。
君に教えて欲しいんだ。
そう、十五歳。
立派なレディだ。
この日のプレゼントは随分と昔から決めて、用意していたんだ。
漸く渡せる。
どれくらい前?本当に随分と昔だ。君が生まれる前からだよ。
おや、冗談だと思っているのかい?本当だよ。
まあ、いいさ。
それよりも、プレゼントを受け取っていくれるかい?
そうか、ありがとう。安心したよ。
嫌だなんて言われたらどうしようかとずっとビクビクしていたんだ。
ああ、また笑って。嘘だと思っているんだね。本当だと言っているじゃないか。信じなさい。
もしも拒否されたら無理矢理にでも君に押し付けるつもりだったんだよ?
幸い君は喜んで受け取ると言ってくれたけれどね。
そうだ。プレゼントを贈る前に、一つ昔話を聞いてくれないか。
一人の少年の話だ。
名前は、ロイとしようか。
出てくる女の人は、エドワードとしよう。
ん?そうだね。
同じだ、私たちの名前と。
此方へおいで。
そう、私の隣に。
手を貸して。
君が此処にいると確かめながら話したいんだ。
構わないだろう?
君の手は温かいね。
子ども扱いしているわけじゃないよ、怒らないでくれ。
続きを話そう。
ロイと言う少年は、孤児だった。
親に捨てられたのか、亡くしたのか、分からない。
けれど、少年は物心付いたときには教会にいた。その教会は訳あって潰れ、門前にいた日を生まれ日と数え十歳となったばかりの少年は行き場を失い浮浪児となった。
それから、三年。人間の汚さばかりを眼にしてきた少年は、ある日、彼女に出逢った。
それが、ロイとエドワードの運命だった。
いいや、違う。
ロイの、必然なる運命だった。
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