やよい調剤薬局

〒520-3204 滋賀県栗東市小柿10丁目16−11
電話 077-532-1539 ファックス 077-532-1540

    誤り等にお気付きの際は,e-メールにてお知らせください。

◎ あれこれ ◎

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お薬手帳をご活用ください

お薬手帳は,医師から処方された薬の名前や飲む回数・量などを記録していく手帳です。
一人1冊「Myお薬手帳どの病院でもどの薬局でも同じものを1冊共通に使います。そうすることによって,皆さんの服薬記録(薬のカルテ)を一元化することができるのです。
お薬手帳表紙お薬手帳個人情報お薬手帳個人情報
 相互作用や重複投薬をチェック
 高血圧や糖尿病の薬といってもいろいろな種類があり,また薬の名が違っても有効成分は同じということも少なくありません。ジェネリック医薬品が普及してきますと有効成分の同じ薬がますます多くなってきます。とくに,複数の診療科に同時に通院することが多い高齢者は,違う医師から出された同じ成分の薬を複数飲んだり(重複投薬),違う医師から出された薬どうしの相互作用の危険性が高くなります。飲んでいるお薬がお薬手帳に記録してあれば,医師や薬剤師が,重複投薬や飲み合わせの悪い薬はないかをチェックでき,お薬の飲みすぎや飲み合わせによる副作用を未然に防ぐことができます。
 お年寄りも若い人も
 お薬手帳を持つメリットは高齢者に限ったことではありません。同じお薬であっても,人によってその効き方の程度は微妙に違ってきます。とくに,お子様の場合,アレルギーが出たとか,軽い副作用が出たというようなメモをつけておくと,医師や薬剤師にとってとても重要な情報になります。また,子供の預け先(親や幼稚園など)から,突然子供が病気になったと連絡を受けたときなど,今,どんな薬を飲んでいるかをすぐに伝えることができます。
お薬手帳の発行は単なるサービスではありません。この記録によって,医師どうしが,そして薬剤師が,患者様のお薬を飲んでいる状況を的確に把握でき,より良い治療に活かすことができるのです。
だから,診察の日には必ず,診察券と一緒にお薬手帳をご持参ください。
お医者様にかかるときは,先生にお見せ下さい。薬局に行く場合は,処方せんと一緒にお出し下さい。
お薬手帳をご持参いただくだけで大事な記録を残していくことができます。

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医薬分業って?

病院・医院での診察のあと,「薬」の代わりに「処方せん」(薬の種類や量などが記載された文書)を渡され,薬そのものは院外の薬局で購入するというようになってきています。このような仕組みを「医薬分業」といいます。
医療の進歩は急速で,薬の種類も膨大になり,医師が治療と薬の両方を扱うことが難しくなってきました。それへの対応として,診断・治療は医師,薬は薬剤師というように,それぞれが専門知識と能力を分担するシステムにしようというのが「医薬分業」です。欧米ではもともと,薬を選ぶ人(処方者,医師)と薬を患者に手渡す人(調剤者,薬剤師)が完全に分立し,相互に監視する機構が確立されています。

薬局では,
1.Risk Management 疑義照会
薬剤師が処方せんの疑わしい部分について,医師に確認することで,患者の安全を守ります。薬剤師だけが,医師の処方せんに対して首をかしげることができるのです。

2.Pharmaceutical Care 薬学的管理(情報提供,服薬指導,薬歴管理)
医師によって処方された薬の種類や効き目,飲み方,注意点などを説明し(情報提供,服薬指導),患者さん1人ひとりについて,過去に飲んだ薬やその薬を飲んだ結果などの記録を作ります(薬歴管理)。場合によっては,医師への情報フィードバックを行ないます。

これらが,病院と薬局での二度手間,経費高のデメリットを上回る,患者様にとっての医薬分業の2つの大きなメリットなのです。

複数の診療科にかかっている場合,同じ成分の薬を処方される「重複投薬」や,薬の飲み合わせで重い副作用が出る「相互作用」が懸念されますが,「かかりつけ薬局」では,薬剤師が患者様の薬の服用経歴を含めてチェックしますので,こうした心配もなくなります。病院と薬局両方に行くのは面倒だと思われるかもしれませんが,安全で質のいい医療を確保するためには,「医薬分業」と先に書いた「お薬手帳」は欠かせないものなのです。

医薬分業の推進について(厚生労働省 全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)資料)

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保険証の提示

健康保険を使った処方箋の受付を行う(保険調剤)ことができる薬局を保険薬局といいます。健康保険を使うためには,何の保険に加入されているかを確認する必要が有り,そのために保険薬局も保険証の提示を求めることができることになっています。このことは 健康保険法施行規則国民健康保険法施行規則で定められています。
病院や医院で要求されて,さらに薬局でも...と面倒に思われるかもしれませんが,保険のことですので,ご協力下さいますようお願いいたします。

健康保険法施行規則第五十四条
 法(注:健康保険法)第六十三条第三項各号に掲げる薬局(以下「保険薬局等」という。)から薬剤の支給を受けようとする者は,保険医療機関等において,診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。ただし,当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは,当該処方せん及び被保険者証を(被保険者が法第七十四条第一項第二号又は第三号の規定の適用を受けるときは,高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。

国民健康保険法施行規則第二十五条
(薬剤の受給手続) 被保険者は,法(注:国民健康保険法)第三十六条第三項 (法第五十三条第三項 及び第五十四条の三第二項 において準用する場合を含む。)の規定により保険薬局について薬剤の支給を受けようとするときは,保険医療機関において療養を担当する保険医の交付した処方せんを当該保険薬局に提出しなければならない。ただし,当該保険薬局から被保険者証又は被保険者資格証明書の提出を求められた場合には,当該処方せん及び被保険者証又は被保険者資格証明書を(第七条の四第一項の被保険者にあつては,高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。

ご協力の程,よろしくお願いいたします。

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院外処方せんって?

  • 処方せん
    お医者さんは,診察すると患者さんの病気の治療に必要な薬を選び,その量・使い方を決めます。これを記入したものを「処方せん」といいます。
  • 院外処方せん
    お薬を医院や病院などでもらうのではなく,街の保険薬局で 調剤してもらうための処方せんが「院外処方せん」です。
  • 保険薬局
    薬局には,お薬の販売だけをする薬局と,院外処方せんを受けて調剤する「保険薬局」があり,この保険薬局だけが院外処方せんを受け付けることができます。
    保険薬局は,健康保険を使った処方箋の受付を行う(保険調剤)ことができるという意味で,保険薬局といいます。保険薬局でない薬局では大衆薬の販売や調剤を行うことはできるが,保険調剤を行うことはできません。
    保険薬局は,「処方せん受付」「保険調剤」「基準薬局」などの表示をしています。
  • 院外だと高くなりますか
    院外ですと,お支払いが少し高くなりますが,薬の量や飲み合わせ等のチェックやお薬についての説明などのサービスが受けられます。但し,老人医療や負担が0%の患者さんは病院と全くおなじです。
  • 病院・医院の近くの薬局でないとダメか
    どの病院にかかるかを,患者さんご自身が選ぶように,調剤してもらう保険薬局も,患者さんが自由に選ぶことができます。「家の近くの薬局がいい」,「職場に近い方が便利だ」,「あそこの薬剤師は親切だから」,などなど。
  • かかりつけ薬局
    保険薬局では,薬を調剤する場合,患者さんごとにお薬に関する情報を記録します(薬歴の記録)。
    複数のお医者さんからの院外処方せんを自分が決めた一つの薬局(かかりつけ薬局)で調剤してもらうようにすれば,自分が使用している薬の記録が一ヵ所にまとめられるので,重複投与や副作用などのチェック機能が充分発揮されます。また患者さんご自身,何度も同じことを話す必要がなくなります。
  • 処方せんの有効期限
    交付日を含め4日以内が処方せんの有効期限です。
  • 薬の説明
    保険薬局では,薬を安心して使っていただくために,お出しする薬や使用方法,保管方法などについて丁寧に説明します。わからないことなど疑問にもお答えしますので,遠慮なくおたずねください。
  • 重複している薬
    処方せんに書かれているがよそで同じ薬をもらっていて重複していると思われる薬がある場合は,処方せんを渡された時に気が付けば,すぐに主治医に話して下さい。薬局で薬を渡されたときに気が付いた場合は,薬剤師にその旨を話して下さい。薬剤師が処方せんに書いてある薬をかってに変更あるいは消去をすることはできませんが,必要に応じて薬剤師は処方医に連絡し,対応します。
  • 院外処方せんがなくても以前に調剤してもらったお薬をもらえますか
    保険診察では,医師が患者を診察し,必要ならお薬を処方するのが原則です。その都度,診察を受けて院外処方せんを発行してもらう必要があります。
  • 代理の受け取り
    本人でなくてもご家族などが院外処方せんをお持ちになっても,調剤してもらえます。
    薬局によっては,自宅まで配達してくれることもあります。
    やよい調剤薬局でも,ご相談ください。
  • 薬局によって値段が違う
    処方せん枚数,特定の医療機関からの処方せん枚数の割合,備蓄薬品数,緊急時の対応の可否などによって薬局をグループ分けし,加算できる保険点数に違いをつけています。そのため,同じお薬を出してもらう場合でも,薬局によって値段が違ってくることがあるのです。また,この他にも保険点数が細かく決められていて,違いが生じることがあります。

    例えば,大学病院などの大きな病院の前の薬局(病院や医院のすぐそばにある薬局を門前薬局といいます)では,多くの処方せんを調剤し,かつほとんどの処方せんが前にある大学病院の処方せんということになりますから,加算できる保険点数が低くなり,患者さん側からすると安くなります。
    逆に,患者さんはそんなには多くなく,なおかつ多くの医療機関からの処方せんを調剤している薬局では,加算できる保険点数が高くなりますので,患者さん側からすると少し高くなります。
    また,薬局の備蓄薬品数や緊急時の体制を整えている,在宅患者訪問が行える,その他いくつかの条件を満たす薬局は基準薬局といわれ,加算する保険点数を高くすることができます。
    以上の例のように保険点数制度が細かく定められているため,薬局での料金が異なる事があるのです。

    患者さん側からすると少しでも安い薬局にと考えられるのが普通ですが,小さな薬局では待ち時間が短かったり,「かかりつけ薬局」としてより良い情報・サービスを提供するように努めているのが普通です。

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ジェネリック医薬品って?

医療用医薬品には,
その医薬品を開発して製造販売,あるいは開発した会社と契約して製造販売している先発医薬品(新薬)と,その医薬品を開発した会社製の薬ではないけれど新薬と同じ有効成分が入っているジェネリック医薬品(後発医薬品)とがあります。ジェネリック医薬品は,新薬の特許が切れた後(特許権の存続期間は、原則として特許出願日から20年の経過をもって終了する)に市場に出回る医薬品ですので,薬の開発費がかかっていない分,価格を安くすることができます。そのため,ジェネリック医薬品の処方は,新薬を処方された場合と比べると,患者さんの薬剤費の負担は当然軽くなります。
"お薬代が3〜8割ほど安くなる"と,CM・広告などでさかんに宣伝されています。お薬の値段(薬価)だけを比較すると,それくらい安くなるものもありますが,実際に薬局でお支払いいただくのは,薬価だけの金額ではありません。そのため,実際に窓口で支払う金額が"3〜8割ほど安くなる"ということにはなりません。

 医師が発行する処方せんには,「後発医薬品への変更不可」という欄が設けられています。この欄に医師の記名・押印がなければ,医師に確認することなく,患者さんが変更を希望されることによって,または患者さんの同意を得て,薬剤師がジェネリック医薬品に変更することができます。変更を希望される場合はそのように伝えていただく必要があります。
逆に,この欄に医師の記名・押印があれば,何らかの理由で医師は指定の医薬品が良いと考えていることを示しています。この場合には,薬剤師や患者さんが勝手に変更することはできません。先発医薬品とジェネリック医薬品は,同じ有効成分を含み,体内への吸収を調べる試験などで効果・作用が同等であることが確認されたうえで製造・販売が許可されていますが,製剤法やその他の成分が微妙に違っていることもあり,完全に同じというわけではありません。そのため,医師は自分の経験に基づいて,いずれかの医薬品を指定するということがあるのです。
日本ではまだまだ馴染みの薄いジェネリック医薬品です。わからないことがあれば薬剤師におたずね下さい。

「ジェネリック医薬品」Q&A(日本ジェネリック医薬品学会),後発医薬品の使用促進について(厚生労働省),処方箋様式の変更について(厚生労働省)も参考にご覧下さい。

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副作用と相互作用?

くすりの副作用とは,薬が,本来,目的としていない作用を「副作用」といいます。
くすりの相互作用とは,2種類以上の薬を併用したときに,個々の薬では見られない作用があらわれたり,それぞれの薬の効きめが強くなったり弱くなったりするなどの変化が起こるとき, これらの薬の間には「相互作用」があるといいます。

くすりの副作用がでる理由はいくつかありますが,
・体質に合わない(予測はむずかしい)
・医師の指示通りに飲まなかった
   例)2回分まとめて飲んだ。
   例)カプセルから出して飲んだ。
   例)他の人の薬を飲んだ。
・薬そのものの性質による(ある程度の予測が可能)
   例)アレルギーの薬を飲むと眠くなる等。
・薬が予測した効きめより強く作用した
   例)血圧を下げる薬の効果が強すぎて,血圧が下がりすぎた。
   例)糖尿病の薬が効きすぎて,低血糖を起こした。

副作用は必ず起こるというものではありません。
薬をのんでいて,体の調子がいつもと違うと感じた時には,すぐに医師・薬剤師に相談してください。

くすりの相互作用
 ・薬の効果が互いに逆で,打ち消しあって作用が弱くなる。(効かない)
 ・薬の効果がよく似ていて,足し算されて作用が強くなる。
   より強い効果を得るために,効き方の似た薬2種類以上を意図して使うこともあります
 ・代謝されるのが遅くなる場合には,効きめが長続きしてしまう。
 ・代謝されるのが速くなる場合には,効きめがすぐになくなってしまう。

服用する薬の種類が多くなればなるほど,相互作用は起こりやすくなります。
複数の診察科・病院を受診するときや,薬を購入するときには,必ず,その時に服用中の薬をもらさず医師・薬剤師に伝えてください。
  お薬手帳」を活用すると,服用中のすべての薬が1冊の手帳で管理できます。

また,相互作用は,薬と食べ物・健康食品とのあいだで起こることもあります。
薬を受け取るときに注意事項がないかを薬剤師に確認しておきましょう。

処方せん豆知識 くすりの副作用と相互作用」を参考にさせていただきました。

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医薬品副作用被害救済制度とは?

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構による「医薬品副作用被害救済制度」についての説明文より

 医薬品は、人の健康の保持増進に欠かせないものですが、有効性と安全性のバランスの上に成り立っているという特殊性から、使用に当たって万全の注意を払ってもなお副作用の発生を防止できない場合があります。このため、医薬品(病院・診療所で投薬されたものの他、薬局で購入したものも含みます。)を適正に使用したにもかかわらず副作用による一定の健康被害が生じた場合に,医療費等の給付を行い、これにより被害者の救済を図ろうというのが、この医薬品副作用被害救済制度です。この医療費等の給付に必要な費用は、許可医薬品製造販売業者から納付される拠出金が原資となっています。

<対象となる健康被害と給付の種類>
医薬品(病院、診療所で投薬されたものの他に薬局で購入したものも含まれます。)を適正に使用したにもかかわらず、副作用によって一定レベル以上の健康被害が生じた場合に、医療費等の諸給付を行うものです。(ただし、救済の対象とならない種類の医薬品や救済の対象とならない場合もあります。)給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料があります。

<給付の請求>
健康被害を受けた本人(又は遺族)等が、請求書と添付資料(医師の診断書等)を医薬品医療機器総合に送付することにより行います。給付の種類に応じて、請求の期限が定められています。

<医学的薬学的な判定,給付の決定>
その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうかなどの医学的薬学的判断についての医薬品医療機器総合機構からの判定の申し出に応じ、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会(副作用被害判定部会)に意見を聴いて判定を行い,給付の決定をします。

  ただし、(医薬品を不適正な目的や方法で使用した場合の他、)次のような場合は、この制度の対象とはなりません。

1.健康被害が、法定予防接種を受けたことによるものである場合(別の公的救済制度があります。)
2.健康被害が、救命のためやむを得ず通常の使用量を超えて使用したことによるものであり、健康被害の発生が予め認識されていた場合
3.厚生労働省が指定した医薬品(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤など)による健康被害
4.医薬品が不良医薬品であった場合など医薬品の製造販売業者などに損害賠償責任が明らかな場合
5.医薬品の副作用において、軽度な健康被害や請求期限が経過した場合(医療費等の請求手続き)

<参考>給付対象となった副作用被害の例

器官別大分類主な疾患
皮膚附属器官障害汎発型薬疹、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群等
中枢・末梢神経系障害低酸素脳症、無菌性髄膜炎等
一般的全身障害薬物性ショック、アナフィラキシーショック、悪性高熱等
肝臓胆管系障害薬物性肝障害、胆内胆汁うっ滞等
視覚障害皮膚粘膜眼症候群、視力障害、視神経炎等
その他急性出血性大腸炎、急性呼吸不全、大腿骨骨頭無腐性壊死等
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サプリメントって?

ビタミンなどの栄養素や動植物の抽出物など栄養を補給するものは「サプリメント」とも呼ばれます。
医薬品は,厚生労働省が定めた薬事法により規制を受けますが,サプリメントは,「栄養補助食品」であって,薬事法の規制を受けません。「健康食品」とも言われ,食品の扱いです。
その為,医薬品は効能・効果,用法・容量を表示できますが,サプリメントは目安しか表示できません。 ただし,過剰摂取や連用による健康被害が起こる危険性,その他合理的な理由がある場合には摂取の目安を表示してよいことになっています。
  サプリメントの基礎知識 (ewoman)

サプリメントの中には医薬品と同じ成分を含むものもあります。効き目については,成分の含有量によって異なりますので,医薬品の方がよく効くとか,サプリメントの方がよく効くとかは必ずしも言えません。
サプリメントは食品であって,日常的な食事の偏りを補う目的のものです。効能,効果が認められているわけではないので治療の目的で使用されることはありません。薬ではないことを充分に認識してほしいものです。

しかし,サプリメントの中には医薬品の効果に影響を与えるものもあります。相性が悪いと薬の効果が弱まったり,思わぬ副作用を招いてしまう危険があります。
薬を服用しているときには,サプリメントの飲み合わせに問題がないか,薬剤師や医師に相談することをおすすめします。

 大事なのは,
   サプリメントで栄養を補うことを考えるよりも,
  (1)バランスのとれた食事を摂ること
  (2)適度な運動をすること
  (3)ストレスを減らすこと
 を考える方がずっと健康的であるということです。

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粉薬,シロップ,錠剤・カプセルの違いは?

内服薬は,粉薬,シロップ,錠剤・カプセルの形で出されます。それらの違いは下の表のようなメリット,デメリットで考えることができます。

剤形 メリット デメリット
散剤 ・個々の患者さんに合わせた,きめ細かな量を設定できる
・薬の効き目が比較的早くでる
・飲み方のいろいろな工夫ができる
・調剤に時間がかかるため,お薬の待ち時間が長くなる
・後味がよくないものがある
・人によっては粉がのどにひっかかり,飲みにくいことがある
シロップ ・子供用に味がつけてあり,飲みやすい
・個々の患者さんに合わせた,きめ細かな量を設定できる
・長期保存ができない
・持ち運びが不便である
錠剤
カプセル
・成分そのものの味をかくし,飲みやすくできる
・微量の薬でも賦活剤によって飲みやすい量に調節できる
・薬が効き始めるまでの時間をある程度調節することができる
・携帯しやすい
・子供用の製品が少ない
・子供や老人にとっては飲みづらいこともある
・年齢や体重,症状に応じた薬の量の調整をしにくい

カプセルを飲むときは,少しうつむき加減のつもりで飲んで下さい。コップ一杯の水で。
錠剤と違って,カプセルは水に浮くので,上を向いて飲むと,水を飲み込んだあとにカプセルが入っていくことになります。そうすると,カプセルがのぞに引っかかったりしやすくなります。

チュアブル錠(かみ砕いてのむ錠剤)などを除き,錠剤を砕いてしまうと,臭いや味のマスキング効果,徐放性や腸溶性などが失われてしまうのでしないほうがよいでしょう。
また,高齢者など嚥下の力が弱っている人には喉に詰まらせたりするおそれがあるので,水分を多めに摂る,ぬるま湯と一緒に飲むなどの工夫をしたほうがよいでしょう。

「お薬が苦くて飲みづらい」,「錠剤が大きくて飲みづらい」などのお悩みは,薬剤師にご相談ください。

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OD錠って?

OD錠とは,唾液で崩壊し,水なしでも服用できる「口腔内崩壊錠(orally-disintegrating tablet)」のことです。
高齢者など嚥下(えんげ;物を飲み下すこと)の力が弱っている人は錠剤を喉に詰まらせたりするおそれがあるので,唾液でも溶けやすい錠剤が工夫されてきたのです。

そもそも錠剤とは,有効成分または有効成分に賦形剤等を加えたものを圧縮形成などの方法により一定の形に製した固形の薬をいいます。持ち運びに便利で,一定量の有効成分を飲むことが簡単にできます。薬の成分に添加剤などを加えて,扱いやすいようにおおむね重量200〜500mg,直径8〜15mmほどにしてあります。また一般には,錠剤には識別のための番号や記号が入れられています。錠剤は着色することによって識別を容易にすることができますが,タール系色素の発癌性などが問題になったことから,近年は無着色の白い錠剤が多くなっています。

有効成分に加えられる添加剤には目的によって次のようなものがあります。

  • 賦形剤(ふけいざい) ― 有効成分が少ない場合に,1錠が適当な量になるように加えるもの。生理活性を持たない物質として,乳糖やデンプンなどが使われる。
  • 結合剤(けつごうざい) ― 原料の粉体粒子同士を結びつけるために加えるもので,錠剤の機械的強度に影響する。デンプン糊やアラビアゴム糊,ヒドロキシプロピルセルロースなどが使われる。
  • 崩壊剤 (ほうかいざい)― 体内の水分を吸って膨張するなどして錠剤を崩壊させ有効成分の放出を容易にするために加えるもの。賦形剤として使われるデンプンは水分を吸って膨張するので崩壊剤としての機能も持つ。その他には,セルロース類などがよく用いられる。また炭酸塩のように水と反応してガスを発生し崩壊させるものもある。これを使った錠剤を発泡錠という。
  • 滑沢剤(かったくざい) ― 粉体表面に付着させて粉体の流動性をよくし,粉体の装置への付着を防ぐことにより,錠剤の製造をスムースにする。ステアリン酸マグネシウムなどのワックスやタルクなどが用いられる。

OD錠の他にも特殊錠といわれるものがあります。
* チュアブル(chewableかみ砕ける)錠 ― 服用時かみ砕いて使う錠剤。制酸剤など比較的用量の多い医薬品に使われる。
* 持続性錠(徐放性錠) ― 溶解性の異なる基材などを使い,一定時間持続的に有効成分が放出されるよう調整した錠剤。
* 口腔内崩壊錠(OD錠) ― 唾液で崩壊する錠剤。水なしでも服用できる。

しかし,OD錠は,嚥下力の弱っている人にはいいのですが,欠点もあると言われています。
・水なしで錠剤を飲むのは,寝る前や食前の服用時くらいで,ふつうは食後が多いから,水なしに飲めることはそれほどの長所ではない。
・OD錠は包装から出すと錠剤が崩れやすくなるので,複数薬剤を1包化する処方では,錠形が崩れてしまう恐れがある。..........。

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食前・食間・食後って?

目安 備考
食前 食事のおよそ30分前 食欲を増進させる薬や吐き気止め,食後だと吸収が悪くなる薬などの場合に指示されます。食前に飲み忘れても食後でも構いませんから飲んで下さい。
食後 食事を終えておよそ30分以内 胃がからっぽではないので,胃への刺激がもっとも少ない時間です。
「食後にしておくと,飲み忘れが少ないため便宜上そうしている場合もあり,もっとも一般的な服用時間となっています。たまたま食事を抜いたときでも,薬の回数を減らすと,1日の必要量としては不足することになり,期待した効果が得られない恐れもありますので,一般的には,食事を抜かした時でも,いつもの食事時間がきたら,多めの水で飲んで下さい。 しかし,例外もありますので,主治医・薬剤師とよく相談しておいて下さい。
食間 食事をしてからおおよそ2時間後 忘れた時でも,気が付いた時に飲むようにして下さい。
食直前
食直後
食事をとる直前
食事を終えた直後
就寝前 寝るおよそ30分前 寝たままの姿勢での服用はできるだけ避けて下さい。
6時間ごと
8時間ごと
 など
血液中の薬の量を一定に保って欲しい場合に指示されます。抗生物質や,喘息患者の治療薬の際に多い指示です。30分〜1時間程度前後するのは問題ありませんが,2〜3時間以上ずれないように注意して下さい。ただし,真夜中にわざわざ起きてまで飲む必要はありません。夜中に飲まなくてもいいように,毎食後と寝る直前に飲んでも構いません。
頓服 必要に応じて服用 1回飲むだけで効果の得られる薬という意味があり必要に応じて服用します。痛み止めや吐き気止め・下痢止め等一時的に症状を改善します。

■一般に薬が消化管から吸収されるには,分子という最小単位にまで,胃や腸で溶けなくてはいけません。まず溶けて,それからようやく消化管から吸収されるのです。薬の種類によって溶けやすさが違うというか,調節してあるので,体内に吸収される速度や胃への影響の度合いが異なります。服用時間は,薬の効果を最大限に生かしつつ,副作用を抑えるためのいわばベストタイミングとして決めていますから,できるだけ守るようにしましょう。
 <薬を飲む回数と間隔の関係はつぎのようなところが目安です>
  ・1日3回飲む薬・・・つぎに飲むまで4時間以上あける
  ・1日2回飲む薬・・・つぎに飲むまで5時間以上あける
  ・1日1回飲む薬・・・つぎに飲むまで8時間以上あける
★食後の薬は食事をした後に飲むことが基本ですが,食事をしていないからといって飲まないのではなく, 服用時間がきたらきちんと薬を飲むようにしましょう。
もし,薬の飲み忘れに気づいたら,気づいたときにすぐに飲むのが良いでしょう。
もし,つぎの薬をのむ時間が近いときには,1回飲むのをやめるか,または薬を飲んでつぎに飲む薬の時間を遅らせるようにします。
しかし,便宜上だけの食後服用だけでなく,重要な意味合いをもった食後服用もあります。食後は脂肪分の吸収を助けるために胆汁が分泌されますが,この胆汁は食物だけでなく,油に溶けやすい薬の溶解も助けてくれます。このため油に溶けやすい薬は,胆汁が分泌される食後服用のほうが,吸収が良くなることを期待できるため,食後服用としていることがあるのです。

「1回飲み忘れたから次の時に2回分飲む」などと考えてはいけません。一度に2倍の量を飲めば,副作用や中毒症状を起こしやすくなるからです。

■小さな子供さんの場合,保育園や幼稚園などの時間の都合で「毎食後3回」を守りにくいような場合もあるでしょう。そのような時にも,医師や薬剤師に相談してみてください。飲み方を変えることができるような場合もありますから。

■寝たきりの人にお薬を飲ませてあげるときは,
☆ まずは口の中を少ししめらせてから,薬を飲ませてあげましょう。
☆ 飲み込みやすくするために,できるなら体を起してあげましょう。
☆ 片麻痺がある場合は,麻痺していないほうの口角から,ストローや吸い込みなどで  水を飲ませてあげましょう。
☆ ゼリー状オブラートなどを使うと,薬が飲み込みやすくなります。
☆ 錠剤が飲み込めない場合は,粉砕できるものもあるので,医師・薬剤師に相談してください。

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こどものかぜ薬・解熱剤 ー アセトアミノフェン

多くのかぜ薬や解熱剤,痛み止めなどに,「アセトアミノフェン」という薬剤が配合されています。したがって,熱があり,鼻水をたらして,咳が出るというようなときに,複数の薬を併用すると,重複してアセトアミノフェンを服用してしまうことがおきます。アセトアミノフェンは,比較的安全な鎮痛解熱剤で,少々重なって多く服用しても,低体温などの副作用はおきにくいのですが,それでもやはり気をつけてあげたいものです。

アセトアミノフェン以外にも多くの解熱剤があります。
● バファリンで有名なアスピリンをはじめとするサリチル酸系解熱剤
インフルエンザや水痘などのウイルス性の疾患にかかっている乳幼児にアスピリンを投与すると,ライ症候群という,非常に致死率の高い脳症を引き起こす危険性があります。アスピリンだけでなくアスピリンアルミニウム等のサリチル酸系の解熱剤は,現在子供には使用禁忌になっています。
厚生省の通知では,15歳未満のインフルエンザや水痘に罹った児童への投与は「原則禁忌」であり,「15才未満 の小児には使用しないこと」と明記されています。(ライ症候群とサリチル酸系製剤の使用について
またサリチルアミドやエテンザミドもアスピリンと構造が似ており,注意が呼びかけられています。風邪の時に処方されるPL顆粒にはサリチルアミドが含まれているため,小児のインフルエンザや水痘には使わないよう注意されています。

バファリン
バファリンは有名な解熱鎮痛剤ですが,成分と名称が異なった,いくつかのバファリンがあります。

熱,痛みにバファリンからいくつかを抜き出して表にしてみます。

主成分
医院 小児用バッファリン アスピリン × 製造中止
バッファリン81mg錠 アスピリン 抗血栓作用・不妊治療薬,歯科で使用不可能
薬局 バッファリンA
バッファリン顆粒
アスピリン 成人(15才以上)。分割して小児に解熱薬として投与してはいけない
バッファリンプラス
バッファリンルナ
アスピリン
アセトミノフェン
成人(15才以上)。分割して小児に解熱薬として投与してはいけない
小児用バッファリンCII
小児用バッファリンチュアブル
小児用バッファリンジュニアかぜ薬
アセトアミノフェン 3〜15才未満

医院用に製造されていたアスピリンを主成分とする「小児用バッファリン」は,ライ症候群との関係で製造中止になり,アセトアミノフェンを主成分とする「小児用バッファリンCII」に変わっています。しかし, 「大人用バッファリン」にはアスピリンが入っているので,安易に大人用の薬を割って小児に投与してはいけません。
抗血栓剤「バッファリン81mg錠」は,アスピリンの入っているバッファリンで,元は医療用小児用の解熱鎮痛剤として使われたバッファリンでしたが,現在は小児用として使わないことになっているので,注意してほしい。

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目薬の期限って?

目薬は開封すると汚染しやすくなります。容器の先がまつ毛やまぶたに触れないように使いましょう。
目の病気は伝染することがあるので,目薬は個人専用で使いましょう。
点眼する量は,一回に一滴で十分です。
2種類以上の目薬を点眼するときは,5分以上の間隔をあけてください。

医療用点眼薬は防腐剤や保存剤が極力抑えられていますので,期限が決められていないものは,約1ヶ月程度の期限と考えられています。期限内であっても,浮遊物など異常が見られたら使用しないようにしてください。

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軟膏とクリームの違いって?

製品名が同じ場合,軟膏・クリームに含有されている,主要成分と濃度はほとんど同じです。
軟膏・クリームを作るための基剤が違っているだけです。
軟膏の基剤は,流動パラフィンやワセリンなどの油脂性基剤ですので,ベタベタした塗り薬になります。
クリームの基剤には,ステアリン酸ポリエチレングリコールなどの非イオン型乳化剤が入っている,水と油を混ぜ合わせて作った乳剤性基剤ですので,ベタつかず使用感がよくなります。

軟膏の特徴は,保湿性があり,皮膚軟化・痂皮(かさぶた)軟化作用に優れています。また肉芽形成作用があり,皮膚病巣部の肉の盛り上がりを促す作用があります。
皮膚を保護する作用が強く,掻き壊した湿疹や、亀裂が入ってしまった手湿疹などに塗っても刺激にならず、あらゆる状態の皮膚に使用できます。特にアトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎などのカサカサ肌に適しています。
ただ,薬の皮膚への透過性が良くないのが欠点です。
また,ベタつくため,顔や手指では使用感が良くないことと,洗い落としにくい欠点があります。そのため,塗ったあと患部をガーゼでおおい,その上から包帯をすることが必要になる場合もあります。

クリーム剤の特徴は,主要成分(薬)の吸収がよく,軟膏ほどベタつかず使用感がよいことです。また,薬が皮膚へ浸透しやすいのが特徴です。慢性化して皮膚が厚くなった湿疹、硬くなった痒疹などに効果的です。 水虫の治療にクリーム剤が多く用いられるのは、角質への浸透が良いためです。
しかし,水に溶けやすい成分と,油に溶けやすい成分を混ぜ合わした乳化剤が基剤ですので,水で洗い流されてしまいやすく,ときにはこの乳化剤でアレルギー性接触皮膚炎を起こす人もいます。傷に塗ると刺激になり,痛いこともあります。

軟膏をクリームと混合すると皮膚に浸透しやすくなることから,混合外用薬の処方というのもよくあります。

一般的には,
   軟膏は患部がジクジクしているときに,
   クリームは患部が乾燥しているときに
使うと考えても良いでしょう。
   頭など有髪部位には液剤を使うこともあります。

このように,塗り薬は,患部の状態で使い分けがされています。

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軟膏やクリームの塗り方は?

ぬりぐすりには,軟膏,クリーム,液剤などがあります。症状とぬる場所によって使い分けます。

ぬるときには,
 第一に患部を「きれい」にすること。
 また,薬を塗る前には,手を洗い,指を「きれい」にすること。
  清潔な指で薬を塗らないと,患部を「きれい」にする意味がありません。
  また,薬つぼやチューブから汚い指で薬を取ると,残る薬を汚すことにもなります。

軟膏やクリームは,どの種類でも,たっぷりと塗る必要はありません。
指先で少量を薄くのばすような感じで塗ります。

  • 湿疹かぶれにぬる場合は,こすらずに,やさしくなでるように塗って下さい。
  • 痛み止め水虫のくすり等は,よくすり込んでください。
赤みが強い,ジュクジュクしているなど症状がひどい場合でも,1回に大量の薬を塗るより,少量を何回かに分けて,塗る回数を多くするほうが効果的です。とは言うものの,塗る回数は,添付文書に書かれている使用回数を守るようにします。
添付文書で「適宜(てきぎ)」とか「数回」と書かれている場合,
 ・症状がひどいときには,1日3回(朝・昼・晩)
 ・症状が軽くなってきたら,1日2回(朝・晩)
 ・もっと良くなったら,1日1回(晩)
ただし,処方された薬は,指示通りの回数を守って下さい。

(晩)は皮膚の新陳代謝が一番盛んなため,薬を効果的に作用させることができます。
また,風呂上がりは,皮膚の汚れを落とすだけではなく,血行も促進しますので,薬の吸収がよくなり効果的です。ただしメントール(ハッカのにおいがするもの)やトウガラシ成分を含有している薬は,お風呂上がりにぬると強い痛みや刺激を感じることがあるので,お風呂に入る1時間前から,お風呂を出たあと1時間くらいは塗らないほうが良いでしょう。

塗ったあとは,傷口のある患部や医師からの指示がある以外は,包帯やガーゼなどをあてないほうが良いでしょう。包帯やガーゼをあてると,効果が強くなりすぎる薬もあります。

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切り傷,すり傷に

小さい切り傷やすり傷でも,何もせずに放っておくと,傷口からバイ菌が入って化膿することがあります。とくに,傷口に土・泥などがついた場合には,破傷風にならないように,まずきれいな水で洗い流すことが大切です。
ちょっとしみることがあるかもしれませんが,皮膚の表面に付着している泥や血液を取り除きます。
そのあとで消毒薬を塗ります。

消毒薬として一番,無難なのが,ヨウ素系消毒薬です。
ヨウ素系消毒薬は,一般細菌の他に,ウイルス,真菌(かびの仲間)にも効きます。
通常,アルコールが入っているのでしみますし,しばらくヨウ素の黄色から褐色の色が残るので,嫌がる人もいますが,家庭用には万能に近いといっても良いかもしれません。
しかし,ヨード過敏症の人には使用できません。そのような場合は,医師・薬剤師にご相談下さい。
傷口を消毒した後は,絆創膏を貼るなどして,傷口を保護することも大切です。

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ステロイド外用薬の使い方は?

ステロイド外用薬にはさまざまな強さのものがあります。
強いものは炎症を抑える力は強いけれど、副作用も強く、短期間の使用に限定することが望ましいと考えられています。しかし、副作用を心配するあまり、わずかしか塗らないとかえって逆効果になることがあります。

症状のある部位に,症状のある間だけ,症状に応じた強さのものを使用することが重要です。
 短期間の使用ではリバウンド(はね返り現象)は起こりません。
  症状のない部位に予防的にステロイドを使用してはいけません。
  症状の重い部位に効き目の弱いものを長期間使用してはいけません。
  症状が残っているのに自分の判断で中途半端に中止したり変更したりしてはいけません。

そのためには,自分の使用しているステロイドの強さを知っていることが大切です。
強さは薬剤師に聞けばわかります。
副作用について心配なことがあれば必ず主治医に質問しておきましょう。

●ステロイドの塗り方
  症状のある部位の皮膚に何ヵ所かに分け,軟膏を塊のまま置きます。
  指先を使ってできるだけ広くのばし,くすりがのびきった状態まで広げます。
   1) 擦り込む必要はありません。
   2) 1日2回が原則です。
   3) うち1回は,入浴またはシャワーできれいに洗った後に塗ります。
   4) 薬がとれやすいところは回数を増やしてもよいはずなので,医師に聞いておいて下さい。

なお、ステロイドの皮膚吸収によって副腎抑制や全身への影響が起こることは、ふつうの塗り方ではまずありません。しかし、デルモベートなどの"最も強いステロイド"を毎日10g以上や,"強いステロイド"を毎日20g以上塗り続ければムーンフェイス(満月のような顔)などが生じることもあります。
また,部位によってステロイド剤の吸収率が違うので、顔、首、陰のうにはできるだけ弱いものを選ぶのが適当です。
     吸収率のおおよその違い
  足裏・・・前腕内側・・・首の前側・・・頬・・・陰のう
 0,14倍・・・・1倍・・・・・6倍・・・・13倍・・・42倍

アトピー性皮膚炎のステロイド外用薬の使い方」を参考にさせていただきました。

アトピー治療のベストプラクティス」も参考になるかもしれません。

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虫さされの薬にご注意 ー ステロイド

虫さされ・かゆみ止めの薬には,かゆみ止めだけのタイプと,炎症を抑えるために副腎皮質ホルモン(コーチゾン)を配合しているタイプとがあります。副腎皮質ホルモンはいわゆるステロイドと呼ばれるものです。「デキサメタゾン」「プレドニゾロン」「ベタメタゾン」「ヒドロコルチゾン」などがあります

ステロイドは,皮膚の抵抗力を弱める作用がありますので,患部に傷口があったり,にきびなどの化膿,水虫・タムシのような感染症では,さらに,感染しやすくなって症状を悪化させることがあります。基本的にはキズの部分は避けて塗らなければなりません。
また,顔面は皮膚が薄く,ステロイドの体内への吸収がおこりやすかったり,皮膚症状の副作用が出やすかったりするので,何度も繰り返して使うことは避けて下さい。患部が広範囲に及ぶ場合も,体内への吸収がおきやすいので,薬を飲んだときと同じような作用(副作用)がでる可能性があります。
このような場合には,皮膚科で治療をしてもらうのがベストです。
糖尿病の治療をされているかたも,感染症を起こす可能性がありますので,一般薬を使わずに,主治医に相談して下さい。

ステロイドを含む一般薬の使い方
  1 患部が比較的小さくて,炎症が明らかな場合にのみ使う
  2 キズのところは避けて使用する
  3 3日使ってなおらなかったら,皮膚科にかかる

・虫さされに良く効くからといって安易に外用ステロイド剤を使うことはおすすめできません。
・皮膚科で処方された「かゆみ止め」を,他の人に貸してあげる,借りるのはしない方がよろしい。
・抗ヒスタミン剤や市販薬で塩酸ジフェンヒドラミンや塩酸ジブカインを主成分としたかゆみどめを使う方が無難です。
一般市販薬で,同じ系統の名前のものでも,ステロイドを含んでいるものと含んでいないものとがありますので注意してください。

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虫除けの薬にご注意 ー ディート

虫除けの副作用なんて気にする人は少ないかもしれませんが,皮膚炎や蕁麻疹(じんましん),吸引が原因と思われる神経障害を引き起こすこともあるようで,「ディート」という成分が入っている虫除けについては,乳児や子供に対しての使用が規制されています。

実は,ほとんどの市販の虫除けには「ディート」が入っています。
ディートは,キキメが良く,長持ちし,人体にも安全とされていましたが,
皮膚炎や蕁麻疹(じんましん),吸引が原因と思われる神経障害が報告されているそうです。

2005年に見直しが行われ,厚生労働省から,添付文書等の「使用上の注意」を次のように改訂するように指導が行なわれました。(ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について(厚生労働省))

  • 漫然な使用を避け,蚊,ブユ(ブヨ)等が多い戸外での使用等,必要な場合にのみ使用すること。
  • 小児(12歳未満)に使用させる場合には,保護者等の指導監督の下で,以下の回数を目安に使用すること。なお,顔には使用しないこと。
    • 6か月未満の乳児には使用しないこと。
    • 6か月以上2歳未満は,1日1回
    • 2歳以上12歳未満は,1日1〜3回
  • 目に入ったり,飲んだり,なめたり,吸い込んだりすることがないようにし,塗布した手で目をこすらないこと。万一目に入った場合には,すぐに大量の水又はぬるま湯でよく洗い流すこと。また,具合が悪くなる等の症状が現れた場合には,直ちに,エタノールとディートが含まれている虫除け剤を使ったことを医師に告げて診療を受けること。

虫除けの副作用なんて気にする人は少ないかもしれませんが,子供さんに使う前には,注意書きをよく読んでみてください。できれば小さなお子さんや肌の弱い人には使わないのが良いかもしれません。
ハーブで作られたディート不使用の虫よけスプレーというのもあるようです。効き目の程は分かりませんが。

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肩こり・筋肉痛に使う外用剤

肩こり・筋肉痛に使う外用剤には,湿布(貼付剤といい,パップ剤やテープ剤があります)・軟膏・クリーム・液剤・スプレーなどがあります。

湿布

打ち身やねんざなどに使う湿布には、大きく分けてパップ剤テープ剤の2種類の貼付剤(ちょうふ-ざい)と呼ばれるものがあります。

パップ剤というのは,薬物をグリセリン、水などの液状物質とともに高分子で成型し,それをフェルトの布に厚めに塗っています。パップ剤は、保湿効果が高いので薬の吸収がよくなっています。
メントールやカンフルなど局所刺激作用を持つ精油成分を含み、水の冷却効果を期待する冷感タイプは、打撲,ねんざなどの腫れや熱感を冷やすときに使用されます。一方,トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミドなどを含有する製剤は、皮膚の温感点を刺激することから、温感タイプと呼ばれ、患部の血行を良くして,患部にたまっている老廃物を取り除きながら,有効成分の消炎・鎮痛効果を引き出します。一般的には,肩こりや腰痛などの慢性疾患あるいは腫脹緩解後の炎症性疾患に用いられます。温感タイプの湿布を貼っているときに,さらに暖めると,強い痛みをおこしたり,灼熱感が増強したりすることがありますので,次のような注意が必要です。
 ・患部をコタツや電気毛布で暖めない
 ・お風呂に入る1時間前にははがしておく
 ・お風呂を出たあとすぐには貼らず,1時間たってから使う

とはいっても,温熱療法としての効果や冷却効果そのものを期待できるほどではありません。カプサイシンなどの成分によってかゆみを生じることがありますので、皮膚の敏感な人は注意が必要です。2時間程度も貼れば,薬効成分が皮膚に浸透し,しばらく効果が続きますので,長時間貼りっぱなしにはしない方が良いでしょう。
最近は、インドメタシンなど炎症や痛みを抑える非ステロイド抗炎症薬のパップ剤が増えてきています。今までは皮膚の表面近くでしか効果がでませんでしたが、吸収促進剤を組み合わせることにより,関節内部や筋肉の奥深くまで直接効果を与えることができるようになってきました。

テープ剤は,ポリエチレンフィルムなどに薬剤を粘着剤と一緒に薄く塗っています。薄くつくられているので,テープ剤は目立ちにくいという特徴をもちます。また,柔らかくて粘着性が優れているのでよく動かす関節部分などに適しています。肩こりや腰痛など慢性の痛みに使われることもあります。狭心症など全身性の病気に効果のあるものや,注射をするときに痛みがないように、注射をする30分前に注射を刺す部分に貼るテープ剤も開発されています。

  • パップ剤は、はがれやすいので,四角いパップ剤の4つの辺のそれぞれの真ん中辺りに,ハサミですこしずつ切れ込みを入れておくと,体にフィットしてはがれにくくなります。

  • 四隅が洋服や下着などにひっかかってはがれることも多いので,四隅を丸く切っておくとはがれにくくなります。

  • パップ剤は通常大きめのものが処方されますので,切って数ヶ所に分けて貼るのも効果的なことがあります。

  • 一人で背中に湿布薬を貼るのは難しいものです。「しっぷ貼り ひとりでペッタンコ」(1575円/旭電気化成)という便利なグッズがあります。

液剤

インドメタシンなどの,非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有した外用剤が市販されています。
これらの製剤は,内服薬に比べると,胃粘膜への直接刺激作用が少ないといわれている製剤です。
しかし,皮膚の傷口などにはぬらないようにしましょう。 また,添付文書に記載された,薬の使用回数や使用量の目安を守って,ぬり過ぎないようにする方が賢明です。
喘息の治療をされているかたは,この薬によって喘息発作が誘発されたという副作用報告がありますので,使用の際には,医師・薬剤師にご相談下さい。

スプレー剤

スプレー(エアゾル)剤は,患部まで10 cm 程度離して噴霧します。
近すぎると,薬品が気化するときに,皮膚から熱を奪うため,凍傷のような症状がおこる可能性があります。もちろん,遠すぎると,患部へ薬があまり届かないことになりますが。
噴霧する時間は,同じところには3秒以内です。使いすぎてはもったいない。

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やよい調剤薬局をご利用ください

薬の飲み合わせが気になるので調べてほしい。
以前に処方された薬が出てきたが,何の薬かわからない。
種類が多すぎて,飲み方がわからなくなってしまう。何かよい方法はないか?

薬に関して疑問や悩みがあるときは,いつでも気軽に薬局へおこしください。
医療従事者の一員として,みなさまの健康維持に一役買いたいといつも思っております。 やよい調剤薬局をご利用ください。

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