【HOME】【INDEX】【NEXT】
高校入試 選抜制度を考える
「単独選抜制」 1.希望する高校を自由に選ぶことができる。このことは生徒に自分の能力や適正を考える機会を与え、また、希望高校への入学という目標と励みをもって勉学させることになる。 2.特色ある高校が必要である。進学や職業教育、スポーツなど高校がそれぞれの特色を持ち、生徒が目標を持って高校を選び、入学することによって高校生活が充実する。 3.総合選抜では入試が安易に流れ、高校では能力や適正について幅広い生徒を受け入れることになり、教育のレベルを低下させるのではないか。 4.総合選抜では、普通科高校を対象にするので、実業高校や私立高校が取り残される。 「総合選抜制」 1.総合選抜では、居住地等によって入学する高校を決めるので、成績のよい生徒が有名校に集中することがなくなり、高校間の格差を解消し、無用な優越感や劣等感をなくすことができる。また、中学校での進学指導で、いわゆる輪切り指導(成績による受験校の振り分け)をなくし、明るい教育ができる。 2.高校進学率が90%を超えた現在、高校は準義務教育化しており、「地域の者が地域の高校へ」入学し、高校が地域の教育センターとしての役割を果たすようにすべきである。 3.単独選抜では、A高校(明南)なら合格できる能力を持ちながら、B高校(明高)を受験したため不合格となり、公立高校から締め出されるという不合理を生じる。総合選抜では、合計定員の枠内にはいりうる能力のある者は、全員がどこかの公立高校に入学できる。 総合選抜を実施するとしたら 県下で以前から総合選抜を実施している西宮市・尼崎市などを参考にして、明石市で実施するとしたら次のようになります。 1.入学試験 中学校の調査書を重視し、思考力テストを補助資料として合格者を決定する(兵庫方式)ことに、変わりはありません。 2.願書の提出 明高、明南、明北の3高校で構成する「選抜委員会」あてに、願書を提出します。 3.合格者の決定 選抜委員会で実施し、3高校の入学定員の合計数(昭和47年度では1170名)の合格者を決定します。この枠内には入れなかった者は、不合格ととなることに変わりありません。 4.入学する高校の指定 合格者のうち、成績の上位の者(西宮・尼崎では20%)は、志望する高校へ、残りの者は居住地に近い高校へ、入学を指定します。 既に実施している西宮、尼崎でも、地域的な人口の変動により、住居地割りを再々変更しなければならないことなど、解決を要する問題をいくつかかかえております。 総合選抜制 明石での問題点 明石市で、この総合選抜制を実施するのは、早急に解決しなければならない基本的な問題点が、3つあります。 加印地区の分離、居住地割りの適正、明石西部地域に高校の新設など、これら3つの問題点は「総合選抜制実施」の請願が採択されたとき、実施する場合の意見として、つけられています。 加印地区の分離 明石は加古川・高砂・播磨・稲美などと共に、1つの学区となっております。もし、明石市だけで総合選抜制と実施するとしても、明石市以外の地域では、同意がないとこの制度は適応されません、しかし、これらの地域では、現在総合選抜を実施する考えはなく、またこのような広域全体での総合選抜は不可能です。このため、加古印地区を分離することが必要となります。 居住地割りの適正 「入学する高校の指定については距離だけでなく、通学時間、方法等についても十分に配慮すべきである」と、意見がつけられております。 明石市内の3高校の位置、交通事情、地域的な人口密度などを考えあわせると、二見、魚住の海岸線の地域では、距離の近い明石北高校より明石高校のほうが、通学に便利です。しかし、人口密度の関係で、東部地域に住みながら西部の高校に指定されるということも予想されます。 西部に高校新設 市内の3高校の定員は、1170名(昭和47年度)です。しかし、市内の中学在籍者数は、2580名。このうち進学希望者はおよそ90%にあたる2300名くらいと予想されます。明石市の人口、高校の位置などからみると、西部地区(魚住又は二見)に高校を新設しなければ、入学難の緩和、住居地割などの解決にはならないと思われます。 市教委では「高校入学者選抜制度研究協議会」を設置し、広くみなさんの意見を聞きながら慎重に検討していきたいと考えております。市民のみなさんの率直な意見を、学校教育課(内線451)までお寄せください。 |