「作者的、鬼ごっこの逃げ方。」

 遊びの鬼ごっこや、追いかけっこをしてる時って、後ろで追いかける鬼役の奴ってのは、目標である逃げてる奴を見据えて追いかけるのが普通ですが、車や単車で鬼ごっこをする場合はターゲットである標的の車両に半分と、道路などの周りの空間に半分程、神経を使った方がリズム良く追いつきやすくなると作者は考えてます。
 教習所で教官が「前の車ばっかり見ない!!」とよく言うのはとても正しいことで、作者は運転操作ってのは車両で空間を制することだと考えてるので、車や単車という道具で道という空間を使って移動という物理的運動をするのが運転の基本と思ってます。

 で、今回のI君と作者のように全くキャラクターの違う車両で峠道で鬼ごっこをする場合、追う方も逃げる方もお互いに自分の得意分野で仕掛け合うことになります。
 I君ならブレーキングの突っ込み勝負やコーナリングでの旋回性能なんかで、作者ならコーナー立ち上がりの加速や短い区間であっても加速できるダッシュ力(トルク)なんかです。

 つうことは、旋回性能で劣る作者はタイトコーナーが続く区間では不利な状況になります。 だから、技量が同等だとするなら条件的に有利な方が競り勝つのはどんな世界でも一緒で、今回の峠道のタイトコーナーが続く区間でもI君の方が普通に独りで走ってたなら作者より速かったかもしれない。
 が、作者にはそんな不利をチャラにしちゃうぐらいの経験値があります。

 てことで、作者がI君をオチョクッタ過程は以下の通りです。

 まず、経験値の低いライダーってのは鬼ごっこの鬼の立場で追いかける側になった時、前方の逃げる車両ばかり見て追いかける傾向があります。
 これって素人丸出しで、さっき言った空間の認識が出来てないことになります。だからブレーキングのタイミングやラインの取り方が自分のベストになってないし、前方の車両がミスッたら一緒にミスをします。

 で、これを逆手に取って、相手が経験値の低いライダーならミスするようにしてあげれば自然に離れていくわけです。一番簡単なのはリズムを崩してやること♪
 例えば、コーナーの進入でブレーキングポイントより少し手前で、自分はまだ加速かパーシャル中なのに、上半身をいかにもブレーキング中です!てな感じで起こして、ブレーキが掛からない程度にリアブレーキペダルを軽く踏んでテールランプを点灯させてやるだけで、経験値の低いライダーはつられてブレーキ掛けたりします。

 それ以外にもブラインドコーナーでコーナリング中に思いっ切りブレーキを掛けて一瞬、車体を起こしてやれば、先が見えないだけにイヤでも後ろは慌ててブレーキを掛けます♪何事やっ!!って感じで(笑)
 で、そんな感じで相手のリズムを崩しつつギクシャクしてる間にダッシュ力で引き離しにかかります。

 もう一つはブラインドコーナーでの先読みのしかた。例えばこんな右ブラインドコーナーに差し掛かった時、コーナーの進入で@の位置に来るまでに、その手前で、まずの木が見える。
 で、ちょうど@ぐらいの位置に来た時にの木が認識できる。
 それを見た瞬間に、この道路は見える範囲で最終的には左へ向かって延びていることが分る。

 で、@からの木のある左方向に延びてる道路のAまでの距離を目測すると、この@Aの間にこの道幅で右から左に180度向きを変えるにはコーナーが二つは収まらない。

 ってことは次は左コーナーが一つだけ!って0.3秒位で認識して、次に完全にの木が見えた時点での高低差から下りの左ヘアピンカーブと正解が導き出せる。

 経験値があるとこんなことが一瞬で出来るからブラインドコーナーが有利になる。

 で、さっきの卑怯なタイミングの外し方を複合的に織り交ぜれば鬼はフラフラになります♪

 一つめの右コーナーは多少、詰められようが相手のタイミングを崩す為に使って、前を走ってる「逃げ」側の有利な点として、「先にコーナーが読める。」ってのを最大限に活かして、二つめの左ヘアピンに全神経を集中させて最速でクリアすればきっと後ろの鬼は引き離せてるはず!!
 当然、左ヘアピンにさしかかった時も立ち上がりの為に先読みをする必要はあるけどね。

 しかもブラインドコーナーは対向車とかが見えない分、ラインが取りづらいけが、コーナーの進入の時に路面に逆光で「影」ができてるなら対向車の影が無い限りは安心してラインをセンター付近にまでもっていけます。
 理由は、光のあるところで物が動くかぎりは絶対に影ができるわけで、しかも逆光ってことは実物より先に影が自分に近づくから見えない物の接近を察知するのに一役買うわけです♪

 この「影」を使って先読みする技は、渋滞中の車の横をハイペースで、すり抜ける時なんかにもかなり役立ちます。ただし、太陽の方向と、日の高さによって影の向きや長さが違うので、先ずは影の向きと長さを把握しましょう!「影」が利用出来ない時は素直に普通に走りましょう!!煽って幅寄せを威嚇するとかね(笑)

 まぁ、こんな感じで乗り物を使って空間を把握したり利用するのが楽しくてしかたがないのさ!!作者は!!

 数秒後の自分を頭の中で組み立てて、リアルタイムに物理の神様や自然の法則に喧嘩を売りつつ実行して、バッチリその予想通りに事が運ぶと気分はまさに、
 「World Is Mine!!」って感じです♪

 が、三十路にもなって単車の上でほんの数秒しか人生設計を立てれてないのもいかがなもんかと・・・(笑)