「十代なノリの三十代バカ二人!!」

 11月某日の休日の昼過ぎ、携帯の着信音が「ダースベーダーのテーマ」になってる友人I君から突然のコール。このI君と作者は若かりし忌まわしい十代からの付き合いで、昔は一緒にそこいら中を暴走した仲で、お互いに年に一回は集合をかけて、いきなり勢いだけでツーリングを敢行している馬鹿な間柄である。

 その日は天気がかなり良くて絶好のツーリング日和なもんだから、いきなり思い付きで作者に電話したらしく、開口一番、
 「ヒマやんな?行くで!走りに!嫁さん子供にバレんようにコソーッと家を出るから十五分後にいつものローソンな!」
 なーんて言ってきた。で、作者もちょうど走りに行こうと思ってたもんだから、
 「暖機にプラス五分くれ!」
 なんて言って、その気満々になって返事した。(笑)
 まあ、それぐらい天気や気温が良い塩梅で、こんな日に単車に乗らん奴は免許取り消しぢゃっ!ボケッ!!ってぐらい、暑くもなく寒くもないタイヤに優しい日でした。

 で、二十分後、ローソンでI君と落ち合った作者は、昼飯がまだだから京北町の「いのししラーメン」食いに行って、その後R477通って適当に日吉ダムぐらいまで行って、R9で亀岡経由で帰って来ようと提案し、この意見は速攻で可決されて実行に。

 ローソンの駐車場に勢いだけで行動するバカなオッサン二人が単車で登場した現場。

 しかしI君の言う「バレんようにコソーッと」って十数年前には夜中にどこぞでバイクを直結したときにしてたよなぁ(笑)
 三十路越えてやってる事が変ってへんやん!夜中が昼間になって、犯罪が現実逃避になっただけで!!(笑)
 で、知る人ぞしるラーメン屋。

 京北町の笠トンネルを抜けた所にあります。ココはトンネルの出口でよくネズミ取りやってます。

 この日もトンネルの出口で、白いバイクに青い服を着て赤色灯回してサイレンを鳴らしながらじゃないと、一般道をスイスイ走れないジムカーナ地方公務員の方がいました。

 ご苦労!全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、全力を挙げて職務の遂行に専念してくれ!!ネズミ取りなんて公共の利益にならないカスみたいな仕事で国庫を集めて、ノルマとして取り締まりをこなすぐらいしか脳のないお前らの横で、俺らはのんびりとラーメンすするし♪
 って思ってました♪
 これが「いのししラーメン」\1200なり。ちと高い・・・

 この他にも、鹿餃子や猪餃子、猪鹿餃子があります。
 餃子は次回に挑戦!!
 こんな感じでソコソコの道幅でまあまあキレイなアスファルトの道路です。
 が、ブラインドコーナーはけっこう多いっす。

 車や人間目線で見るとこんな感じで次のコーナーまで読めるけど、・・・
 単車目線になるとこんな感じで、時速百数十キロでこの景色が流れて、しかも車体が傾くと更に目線は下方に。ブラインドコーナーで先読みするのは結構大変!!
 
 一瞬の景色を把握する動体視力がものをいう!
 でも、コーナーを先読みしすぎて通過中のライン上にあるギャップを見落として、ハンドルが4本ぐらいに見えることも(笑)
 ステアリングダンパー装着してて良かった♪
 これは友人I君の愛車RZ250R。懐かしいオムスビテールのRZ。が、足回りは89年型のFZRの足を移植。この足の移植には当時、作者もプロとして協力したが厄介でした。特にリンクまわりの収まりが!
 ワンオフパーツがてんこ盛り♪
 でも、YAMAHA純正パーツの流用なのでケバさがなくてパッと見がノーマルっぽくってアリな感じと思う。
 重量を下げるか、350ccに換装すればR1−Zをカモるゴーストライダーやっ♪

 しかしよく見りゃ、セパハン&マックレーンのバックステップ&異径4ポッドのダブルディスクブレーキ&チャンバー&中空3本スポークのアルミホイール&ラジアルタイヤetc・・・ 1983年当時の若者が見たらヨダレたらして欲しがりそうな一台やなぁ(笑)

 んで、ラーメンも食い終わって、日吉ダムまでの鬼ごっこタイムの始まりです♪

「現役バカ満開!  遅咲きの狂い咲き!」

 このサイトは単車の事をよく知らない人も見てくれてるので説明しておくと、単車のエンジンは大きく分けて二種類があります。一つは2ストローク(2行程)エンジンで、もう一つは4ストローク(4行程)エンジンってのがあります。

 2ストロークエンジンの排気音は「パララ〜ン!」とか「ペレレ〜ン!」って感じの音で、軽量コンパクトで構造がシンプル、小排気量で馬力が出せるというメリットがあります。でも、燃費が悪くてその上、ガソリンとオイルを一緒に混ぜて燃やすから排ガスが汚い(白煙を上げてオイルを撒き散らす!!)とか、出力特性がピーキーで乗り辛い等のデメリットがあります。大体、500cc以下の単車で採用されてます。I君のRZ250はそんな2ストロークエンジンの単車。

 一方、作者のガス子ちゃんは4ストロークエンジンの単車で、このエンジンの排気音は「ブオーン!」とか「ボボボォー!」って感じで、燃費は良いが同じ排気量なら2ストロークエンジンより馬力が出ない、エンジンそのものが重い、構造が複雑などのデメリットがあります。しかし、出力特性がフラットで扱い易く、排気ガスがクリーン、排気量に比例して馬力を稼ぎやすいなどのメリットがあります。

 で、今回の場合、I君の単車はパワーはソコソコでも軽い分、ブレーキをコーナー進入のギリギリまでねばって、軽い車体を活かしてヒラヒラと舞うようにクネクネした峠道を走るいわゆるコーナリングマシンで、作者のガス子ちゃんは重い・曲がらない・止まらない車体を暴力的なパワーで加速して、圧倒的なダッシュを武器に相手を引き離すパワーマシン。

 で、I君は18才で単車を降りてからは車で暴走を繰り返し、その後、普通にマイホームパパと化していたが、数年前にキムタクのせいでおかしなバイクが世の中に流行ったおかげで触発されて二輪生活に戻ってきたリターン野郎。
 当然、13才から現役バカ満開の作者としては、そんな遅咲きの狂い咲きで、昨日今日のすっとこどっこいな奴に技量で負けれないプレッシャーがある。意地がある。

 鬼ごっこを開始して暫くは作者の単車が得意な高速コーナーが川沿いに続いて、良い感じでI君を引き離しにかかってバックミラーのゴミにしてやってたが、その後、山中の峠道に入ってタイトなブラインドコーナーが続くようになると、I君が段々近づいてきた。
 さすがに軽量な250ccだけに連続するタイトコーナーのつっこみのブレーキングと切り返しでコーナーの度に作者との距離を詰めてきた。コーナーの立ち上がりで白煙を上げて加速してくる姿がミラーに映ってる!どうやら半クラを使って加速させてるみたいで、涙ぐましい努力がうかがえる(笑)
 「う〜ん、コリャ真面目にやらんとなぁ・・・」なーんて思いながらもタイトコーナーでは重量の差が大きすぎてどう頑張ったって離せない。かといってコーナーからコーナーまで圧倒的な加速で引き離すほどの距離も無い。つうことは、技量やパワー以外の部分でI君を引き離そうという段取りになる。
 まあ、こういう場面で「現役」と「遅咲き」との経験値の違いが効いてくる♪作者のイヤラシイ根性と、経験によるコーナーの先読みと、ガス子のパワーで再びブラインドコーナーで引き離してやった♪ 詳しくはココをクリック!

 

 んで、鬼ごっこの最終目的地「日吉ダム」
 気候の良い頃には家族連れのBBQなんかで賑わってます。
 ここにはスプリング日吉って温泉があって、入って帰っても良かったんだが、この頃は夕方の五時も過ぎると結構暗くなってくるので、ヘルメットがスモークシールドだったため断念・・・
 紅葉シーズンには良いドライブコースかも。


 で、その後すんなりとR9に出て、少しでも日が落ちきる前に帰宅するべく走ったが、このR9は夕方になると大渋滞する。そこで職場が亀岡にあるI君が抜け道を知ってるから前を走るってことで、ずっと作者の後ろを走り続けてたI君が前を走ることになった。
 で、R9から逸れてズンズンと住宅街に入っていく。ハッキリ言って作者のガス子はこういう一旦停止や直角に曲がる交差点なんかがかなり苦手で、本当に重くて大変!道を間違えたとか言って気軽にI君はUターンをしたりするけど、住宅街の道幅で作者はUターンするのがもうスンゲェ苦痛!

 そんなストップ&ゴーを繰り返して抜け道を進んで行くわけだけど、その度にI君の2ストロークエンジンのRZ250はこれでもかってぐらい、白煙をもうもうと上げて作者の目の前でダッシュを繰り返す。

 そんなI君が抜け抜けのチャンバーから後ろに向かって吐き出してるアツアツのオイル入りの白煙に向かって作者は加速してるわけで、しかも日が落ちてずいぶん暗くなったもんだからヘルメットのシールドは全開状態。たまに顔にピチョッ!っとオイルが飛んできて、「熱っ!!」とか言いながら、道を知らない作者は付いていくしかないわけです。頼むから目に入りませんよーに・・・と祈りつつ(泣)
 なーんかさっきの峠道の腹いせにワザとガボつかせて煙が出るような運転してないかい?I君?
 おかげで作者とガス子の顔と真っ白なフルフェイスのヘルメットはホクロだらけやぞっ!!

 そんなこんなで渋滞を回避して一山越えて、地元のローソンの駐車場に帰ってきて缶コーヒーを飲みながら一服しつつ、ライディング談義や単車のパワーアップ談義に花を咲かせて、十数年前には毎日してたことを、三十路になってから、「思い付き」と「勢い」と「昔取った杵柄」だけで、年に一回ぐらいしか実行しなくても「阿吽の呼吸」でやってのけた自分たちの馬鹿セッションに酔ってました。「俺ら三十路最強最速やなっ!!」って調子に乗りながら(笑)

 たま〜にこんな馬鹿な遊びを出来る人間関係が残ってる作者は単車乗りとしてとても幸せなことだと思います。だって三十歳を過ぎても本気で鬼ごっこして遊べるんだから♪次はキャノンボールがしたくなってきた(笑)

 でも、赤色灯がクルクル回って拡声器で怒鳴りまくった挙げ句、捕まったが最後、金と点数をむしり取る「鬼」に追いかけられたくないのは今も昔も一緒です・・・