やんとのサーフィン上達法(初級)
■波の見分け方
  ・
その日その日で波質は変化しま
  す。遅いとか早いとか、厚いとか
  薄いとか言いますが、私には良く
  見分けることが出来ていませんが
  実際海に入ってみて、早いうちに
  自分なりに波質を理解して、テイ
  クオフ前のパドル時の体の位置を
  前にしたり後ろにしたりは工夫しています。とりあえずではありますが、以下に私の感覚を記述してみます。
■波のパターン
 ●1.掘れて、すぐブレイクする波とブレイクしにくい波

  すぐに一斉にブレイク波が、いわゆるダンパーと呼ばれる波です。盛り上がってすぐに一斉にブレイクしてしま
  います。波のピーク(最初にブレイクし始めるところ)が無く、サーフィンに一番適したクリティカルポジション
  も生じず、ロングライディングが難しい波です。クリティカルポジションとは、一番パワーがあり、最もライデ
  ィングに適したところで、要するに後ろがブレイクして前方がブレイクしていないところのことで、ブレイクし
  た白い泡(スープ)とうねりの急斜面の境目のところです。チューブライディングは、通常スープになっていると
  ころが、円を描くように中が空洞になっているところでライディングしている訳ですから、クリティカルポジシ
  ョンより少し後方(通常はスープ)でライディングしていることになります。次に掘れてもつぶれにくい波です、
  掘れている訳ですから、うねりの角度(傾斜)は急になっていますが、その形を維持しながら岸へと進んでくれる
  波です。この波は、テイクオフできる場所が幅広く、テイクオフそのものも非常に容易になります。また、オフ
  ショアとか言いますが、これは、岸から沖に向けて吹く風で、要するに波の進行方向と逆に吹いていて、風圧で
  掘れた波がブレイクしにくく作用してくれるサーフィンに適した風向きを言います。

 ●2.一斉につぶれる波と一定方向に順々につぶれていく波
  一斉にブレイクする波をダンパーと言いい、サーフィンには向いていません。しかしながら、デレイク地点より
  かなり沖側でテイクオフ可能な波質の場合もあり、とくにロングボードのようなテイクオフがしやすいボードだ
  と沖のほうでライディングが可能となります。そして順々につぶれていく波!これは、ピークもあり、クリティ
  カルポジションもはっきり目視できます。この波を掴まえてクリティカルポジションでライディングできるのは、
  一つの波で一人だけです。色んなテクニックを発揮できるのも、このクリティカルポジションです。カットバッ
  クは、前方へ進みすぎた場合に、クリティカルポジションに戻る技術でもあるわけです。

 ●3.の上部だけブレイクしている波(完全につぶれきっていない波)
  こいつが意外と見落とす波です。これはサーフィンが可能な波です。意外とテイクオフ後に再度盛り上がり、ロ
  ングライディングが可能な波に変身してくれます。テイクオフ時は上部がつぶれているため、スープがボードを
  押してくれて、テイクオフも非常に簡単です。
■方向転換
  ・ボードにまたがって波待ち(ウエイティング)していて、方向
  転換するとき!まずは、ボードのテール側にお尻を移動し
  (A⇒B)、ボードを縦てるようにします。ボードを寝かせて回
  すよりも縦てて回すほうが水の抵抗が少なくなり、数倍早く回
  せることができます。時計回りに回るときは、足を反時計回り
  に巻き足!ボードのレールを右手で持って引っ張るように回し、
  左手は水を左に掻き分けるようにします。

■寝そべる
  方向転換し終わったら、ボードに寝そべってパドルを開始するわけですが、縦ててい
  たボードを寝かせながら、寝そべると同時に、水中にある足も伸ばして足の裏で水を
  かくように後方へ動かし(
水色の矢印)、水面から足を出してデッキの上に足をそろえ
  ます(C)。要するに寝そべる動作の時に少しでも前へ進む推進力をつけるテクニック
  です。ショートやBBの場合は、更にこの時、ボードを沈めて(
赤い矢印)浮力で浮こう
  とする力を前に進む推進力に変換して寝そべっているのを良く目にしませんか!

■パドル
  パドルは、最も重要なテクニックだと言われています。沖に
  出て行くにも、テイクオフにも、欠かせないテクニックです。
  基本はボードの左右中心で、前後はノーズが少し水面から上
  がる程度の位置に寝そべり、胸を反った状態で、クロールの
  ように左右の手を交互に、水をかき分けるようにして、ボー
  ドを前に進めていくものです。ここでは、手の動かし方を特
  に記述したいと思います。
  まず水中での手の動かし方です。(G)腕を出来るだけ伸ばし
  て前の方に指先(親指)から入水させます。この入水した時に
  手のひらで水を掴む(水をかき分けて進むイメージ)ようにし
  ます (これをキャッチと呼びます)。(H)次にキャッチした水
  を後方へ押しのけるようにかきます(これをプルと呼びます)。
  そして、(I)手のひらが肩の下より後方になったとき、手のひ
  らで後方へ押すようにかきます(これをプッシュと呼びます)。
  パドルはキャッチ(G)⇒プル(H)⇒プッシュ(I)の連続動作なの
  です。言い換えますと、手の動きは肩を中心にグルグル円運動
  しているのですが、単純にやってしまうと(悪い例)、水中で手
  のひらは、(D)入水時、下にかこうとし(ボードを浮かそうとす
  る力)、(E)次は後方へかこうとし(ボードを前に進めようとす
  る力)、(F)次は上にかこうとします(ボードを沈めようとする
  力)。ボードを効率良く前に進めるためには、(D)及び(F)も
  (E)の後方へ、かきわける動作(ボードを前に進める力)でパド
  ルするわけです。あと水上での手の動きは、肘から上げて肩を
  回して手のひらは後ろを向けたままは前方にもって行きます。

■テイクオフ
  サーフライディングの始まりです。うねりが近づいてきたらパドリングをし、ボードに推進力をつけていきま
  す。このパドリングが弱ければ、なかなかうねりの斜面から滑り降りること(テイクオフ)が出来ないわけです。
  言い換えればパドルが強い人(又は浮力のあるボード)は、沖の緩やかな斜面でもテイクオフができ、パドルの
  弱い人(又は浮力の無いボード)は、岸側の掘れた斜面でしかテイクオフが出来ません。ロングボーダーが、沖
  のほう(アウトサイド)からテイクオフしているのは、ショートボードより浮力が大きく推進力が大きいためで
  す。理論的に言うと、斜面を降りる重力と、岸へと進む推進力を効率的に利用できた時に、テイクオフが可能
  になるわけです。それでは、私がテイクオフするときに、気を付けていることを以下に記述してみます。

 
●1.乗る波を決める
  私は波の大きさ(高さ)で決めるのではなく、波の斜面の角度と波質で決めています。いくら大きな波でも一斉
  につぶれてしまう(ダンパー)波だといけません。自分がテイクオフする位置、そしてその後その波がどのよう
  にブレイクしていくのかが大切なのです。見た目どんな形の波とまでは、私はわかりませんが、同じ斜面の角
  度に見えても、簡単にテイクオフできる場合もあるし、なかなか滑り降りることが出来ない波質の時もありま
  す。ですから私はその日その日で、一度トライしてみて、どれぐらいの斜度でテイクオフできるのかを見極め
  て、ウエイティングの位置を決めています。

 ●2.パドリング
  自分で乗れそうな良い感じのうね
  りが来たら、まずはその波のピー
  ク(ブレイクし始めるポイント)が
  何処で発生するのかを推測します
  そしてパドルを開始し、うねりが
  自分に後方から追いついた時にピ
  ークが発生していたらベストなわ
  けです。いつも自分の真後ろにピ
  ークが発生するとは限りませんか
  ら、岸のほうにパドリングするに
  も、少しピークの発生しそうな方
  向に向いてパドルすることになり
  ます。それから、パドル姿勢の自
  然体は、岸の方を見ているわけで
  すから、後方のうねりを見ていな
  いことになりますが、ココでは必ず、パドルの最中に手が後方に位置した時(Iの時)に後方のうねりを見るこ
  とが大切です。しかも出来るだけ左右の両方を見るようにしてください。意外と、パドルを始めた時の推測
  と、実際はピークが反対側に発生するときがありますから…。それから、パドルを一番頑張らなければなら
  ないタイミング(Kの時から頑張る)をうねりが接近してくるのを見ているほうが、より的確に把握することが
  できるのです。
  そしてテイクオフをするときは、ボードの向きをうねりの線形に対し直角にすることが基本です。直角にす
  ることで一番効率良く波の斜面を滑り降りることが出来ます。ウエイティングの時、やり過ごした波の線形
  に対して直角な方向を、岸側に目印として決めておくといいです。しかし、これには例外もあるのです。直
  角でなくても良いケースが2つあります。1つ目は非常にパワーのある乗りやすい波質のときです。この場合
  は進行方向へ少し向けてパドルしても充分にテイクオフできる場合があります。ボトムターンをすることな
  く、波のフェイスを横に滑ることがいきなり出来る波です。2つ目はテイクオフが遅れ気味になった場合で、
  掘れた状態で今にもブレイクしそうな、直角にすればパーリング(波底に突き刺さる)してしまうケースです。
  この場合もボードを進行方向(横ぎみ)に向け、ボードの先端(ノーズ)を上げ気味にし、少し早い目に立って
  みてください。ココで言う、少し早い目のタイミングとは、ボードを進行方向(横向き)に向けているので、
  波のフェイスが通過しようとするとき、ボードが横向きに傾こうとするその瞬間です。傾いてからでは、ひ
  っくり返ってしまいますから、傾こうとする一瞬のタイミングで立つといきなり横にすべり落ちてくれます。

 ●3.立つ
  いよいよボードの上に立ちます。立ち方の基本を以下に記述いたします。
  
1.KからLにかけて、パワー全開でパドリングをするのですが、特にLの状態では、反っていた上体から胸とボ
  ードを着けるようにして(ボードの重心を前側に移動させ、ボードを前側に傾ける)、斜度にボードの角度も
  合わせることが必要です。人には平衡感覚があり、ボードを水平にしようとする意識が働いていますが、こ
  のKからLの状態ではノーズがテールより低い形をつくるのです。人の平衡感覚から言うと、つま先より頭の
  方が低い状態になるわけですから、違和感や時には怖い感覚になる人もいます。しかし、めげないで、むし
  ろ波の底(ボトム)に向かってパドリングするぐらいの意識で行います。
  
2.そうするとLの状態のときに、ボードがボトムに向けて滑り降りる感覚を感じます。その時が立つタイミン
  グなのです。波が大きくなればなるほど、Kの状況の時には逆に後方(沖側)に引っ張られる感じになりますが、
  この地点からパワー全開のパドリングが必要となります。
  
3.立つ動作は両手を胸の横に、腕立て伏せの要領で胸をそった状態にします。それと同時に(その反動で)前
  足の膝を胸中央にくっつけるぐらいに持ってきて一気に立ちます。その時、一番重要なポイントは目線です!
  腕立て動作に入ったときには、進みたい方向(右か左)を見てください。進みたい方向とは、レギュラーの波
  (岸から見て左へとブレイクしていく波)なら右横(波のフェイス)を見るのです。初心者や横に滑れない人は、
  足元や岸の方を見てテイクオフしています。これではよほどの大波以外はボトムでターンすることが出来ず
  に、まっすぐボトムに降りて、その後失速してしまい、ボードを横向きに出来ずに横向きにライディング(波
  のフェイスを滑る)することが出来ません。サーフィンのほとんどは、最初のターン(ボトムターン)で決まる
  と言っていいくらいです。ターンには先行動作が必要です。具体的に言いますとボードが曲がり始める以前か
  ら目・頭・肩・胸と言う順番で進行方向を見ているのです。この先行動作が体のひねりを生じさせ、ボードを
  ターンへと導いてくれます。ですからテイクオフの時には、事実上次のターンの先行動作も兼ねていることに
  なります。くどいようですが、腕立て伏せの時に自分は何処を見ているかを確認してください!腕立て伏せの
  時からターンの先行動作は始まっていることに気付いてください。
  
4.次に立つ時の姿勢です。サーフィンは横のりのスポーツですね。しかし、この横乗りという概念が大きなミ
  スを生み出す原因になっています。では、サーフィンの正しい姿勢とは、先ほどにも記述したとおり、進行方
  向に目・頭・肩・胸が向いている状態を言います。一度、鏡の前で自分のライディング姿勢をチェックしてみ
  てください。まっすぐに滑る(鏡に向かって滑る)として、自分の目を見てください。そして自分の両目・両肩
  ・両胸・おへそが見えるか確認してください。簡単に言うと上体は正面を向いているのです。更に、サーフィ
  ンはターンの連続動作なのですから、先行動作をしているわけで、ボードの向きより常に上体はボードの向き
  より早いタイミングで次の方向を向いていることになります。つま先荷重ターン(レギュラーターン)の先行動
  作時には、上体はつま先側を向き、かかと荷重ターン(バックサイドターン)の先行動作時には、上体はかかと
  側を向いているのです。もう一つは、足(スタンス)です。これも、この横乗りという概念が大きなミスを生み
  出す要因になっているかも知れません。自分で今度はつま先側に鏡を置いて(ボードは横向きの状況)自分を見
  てみてください。上体は上記の通りですから鏡を向いているのではなく、右か左を向いている状況になります
  ね。ココでは足(スタンス)のチェックです。ガニマタになっていませんか?足の裏の何処に荷重がかかってい
  ますか?では、正しいスタンスはと言うと、基本、足は内股です!まずは、鏡の前でスタンスを確認してみま
  しょう!バックサイドターンの姿勢(鏡と反対側を見る姿勢)をしてみてください。両膝はどのように動きまし
  たか?ボードのノーズ方向に向きましたよね!それなんです。膝は進行方向を向くように少し足をひねられた
  状態が正解なのです。そして、両足にかかる荷重は常に一定ではなく前足荷重になったり、後足荷重になった
  りしているのです。ボードを走らせたい初期動作には前足荷重になり、ターンの初期動作には後足荷重になり
  ます。前足荷重の時の後足は、親指側の足の裏で加重しています。波に乗ったとき、足の裏で感覚を確認する
  ことに意識をしてみてください。状況に応じた足裏の加重場所があるのです。それを意識しながら鏡の前でも
  イメージトレーニングしてみてください。