上醍醐寺から12番岩間寺へ向かう
上醍醐寺から笠取地区を経て、十二番札所岩間寺へ向かう。醍醐山(454メートル)の山道を下り、宇治市笠取地区の峠を上り下り、奥宮神社から岩間寺がたたずむ岩間山(445メートル)を登る。日頃の脚力鍛錬が試される最大の難関。残暑厳しい、緑に包まれた山間部を、ペットボトルのお茶を片手に、汗を吹き出しながら歩ききった。 (上醍醐寺開山堂から岩間寺本堂まで約130分)
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本堂で岩間寺までの所要時間を尋ねるとある僧は2時間半と答え、別の僧は3時間半と訂正した。いずれにしろアップダウンを考えるとそこそこタフな道のりである。 開山堂で休憩の後、右奥の朽ちかけた鳥居の下から山道を下る。途中、古い石垣が続いたり、小さな古いお堂に出会ったりする。上醍醐から岩間寺までの巡礼道だそうだ。往時は行き交う人も多かったのであろう。台風や大雨が続いたせいか、倒木が道をふさいだり道が消えかけたところもあったが、要所要所で案内表示が設けられており、道に迷うことはない。 20分ほどで麓に出る。近くの民家の奥様が丁寧に道を教えてくださった。東笠取をめざすこととする。野菜を売っているおばあさんに出会った。トマトを進められたが量が多く食べ切れそうもないので、替わりにつきたての餅を買い求め、歩きながら食べる。おいしい。幼稚園を過ぎ、小学校付近で三叉路に出あう。東海自然歩道の標識があり、右に行くことを推奨しているが、教えられたとおり左側の東笠取方面をめざすこととする。よく見ると「西国三十三カ所巡礼道」と記した小さな丸い案内札が掲げられていた。間違っていない。 登り坂が続き次第に急になる。道路脇に曼珠沙華が群れて咲き、宇治市銘木百選の推定樹齢250年のやまももが見事な姿を見せ、峠付近には笠取八景と表示のある「夕映えの一本杉」。歩いていて退屈しない。三叉路を左折し清瀧宮を右に見て坂を下る。三叉路から10分ほど歩くと岩間寺への道路地図付き案内板。遙か彼方には岩間山らしき姿が。ここまで1時間15分余り。まだ道のり半分も消化していないのだろうか。
岩間寺への道
山道を下る
麓の出口
道脇の曼珠沙華
樹齢250年のやまもも
東笠取をめざす
夕映えの一本杉
岩間寺への案内板
遠くに見えるは岩間山?
三叉路を右折し、さらに500メートルほど坂を下ると、再び岩間寺への案内板が見えてきた。左は奥宮神社びわ湖展望台経由のコース、右は直接岩間寺へ向かうコース。時間にして10分しか違わないため迷わず展望台経由コースをとることとする。ここまで実績1時間20分、ここから40分とすると予想時間より遙かに早く到着することになる。本当か。再び元気が出てくる。 奥宮神社への登山道は、これまでのアップダウンで疲れ切った足には誠にきつかった。休み休み登る。20分で奥宮神社参道へ登り着く。神社の傍らにびわ湖展望台が設けられていた。遙か彼方にびわ湖と大津市内が見渡せる。渡る風がさわやか。遅い昼食をとる。空腹で力尽きそうになっていた体力がよみがえる。 社務所の横を通り、山道を抜けるとまもなく岩間寺。道ばたに咲く秋桜がきれいだ。
岩間寺への登山道案内板
奥宮神社鳥居
奥宮神社神殿
展望台からびわ湖、大津市街が見渡せる
岩間寺へ続く山道
岩間寺境内の秋桜
本堂前に座っておられた老僧から、「上醍醐からですか?」と尋ねられた。来る方角、汗のかきかた、疲れ具合で分かるのだろうか。本堂に案内され参拝。納経所の僧から上醍醐出発時刻を聞かれ、所要時間が2時間10分だったことに気づく。休みも取らず、一目散に歩いてきたのでしょうとびっくりされる。歩行者としては早いほうなのだろう。 岩間寺、正しくは岩間山正法寺。ご本尊は身の丈15センチの金銅仏の千手観世音菩薩。「厄除開運の観音」「汗かき観音」「雷除け観音」「厄除け観音」とも呼ばれる霊験あらたかな観音様。 ご本堂脇にご本尊出現の霊木、正面に大銀杏と、銘木が多い。先ほど通ってきた、奥宮神社側の境内はずれにある日本一の桂の大樹は推定樹齢500年、高さ27メートル余。 鐘楼前にぼけ封じ観音様。反対側の展望台左から坂道を下ると雷神爪堀の湧泉。泰澄大師の弟子となった雷神が、水の乏しかった岩間寺に、自らの爪で井戸を掘り霊水を湧かせた、との謂われがある。
岩間寺 ご朱印
本堂
本堂内
不動堂
ぼけ封じ観音
大師堂
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雷神爪堀の湧泉
日本一の桂大樹