院長の談話室 読む葡萄酒

シャンパーニュ・テタンジェ読む葡萄酒 その17

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ランスに訪れる

2014年のゴールデンウィークに、フランスを訪れました。パリの東駅から、TGVで約1時間の所に、ゴシック建築で有名な街、ランスがあります。ランスは路面電車がとても美しいお洒落な街です。今回の訪問目的である、シャンパーニュ・テタンジェ社を訪問しました。このメゾンは、とても美しい建物で、地下には約3kmにも亘るカーヴがあります。フランス大統領の主催する公式レセプションにはテタンジェ社のシャンパンが用いられています。また、今年ブラジルで行われたFIFAワールドカップの公式シャンパンに、このテタンジェ社が選ばれました。

テタンジェ社のエントランス

1734年創業のシャンパーニュ・テタンジェ社は、経営するファミリーの名前を社名に掲げる今日では数少ない、家族経営のシャンパーニュ・メゾンです。ここの地下カーヴには約300万本のシャンパンが眠っていました。

テタンジェ社の地下カーヴ

4世紀のガロ・ローマの時代から白亜質石灰石が切り出された後にできた地下洞は、一時はキリスト教徒が迫害を逃れるための隠れ家ともなり、約900年の後にサン・ニケーズ修道院の地下礼拝堂となりました。13世紀に新しい聖堂に建て替えられた際、地下に残された回廊は、ベネディクト派の修道士達がシャンパーニュの貯蔵庫として使用するようになりました。

テタンジェ社の動瓶用の棚

テタンジェ社はシャンパーニュ地方の最良のクリュに複数の畑を所有し、その総面積は288haに及びます。その40%でシャルドネが栽培されています。この自社畑のおかげで品質が安定した、良質のブドウの供給が確保され、世界中の専門家たちが賞賛する、優美で繊細なシャンパーニュの生産が可能となります。これらのシャンパーニュはカーヴ内で最適な熟成期間を経て、定評のあるテタンジェ・スタイルのシャンパンが世に送り出されます。皆様も是非、このテタンジェのシャンパンを賞味されてはいかがでしょうか。