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 葡萄酒日記

その7 「ボルドー」

フランス南西部に位置する、パリからTGVにのって4時間弱の「ボルドー」は、 世界で1、2を競う葡萄酒ができる産地です。
なぜこの地に素晴らしい葡萄酒ができるかと考えますと、 次の3点があげられます。 一つ目は川です。ガロンヌ川とドルドーニュ川が合流しジロンド川になります。 この合流地帯に「ボルドー」が位置し、素晴らしい葡萄ができます。
二つ目は土地です。 川から運ばれてきた砂利と粘土質が適度に混ざって、 葡萄の木に好都合な土質(テロワール)があります。
三つ目は気候です。 葡萄の木にとって、気温、日照時間等、 地球上の理想的な緯度に「ボルドー」は位置しています。
この三つの条件が素晴らしい葡萄酒を造ります。 もちろん人間の手による、醸造技術が必要不可欠ですが。

「ボルドー」は昔イギリスの領地でした。 今でも英国人の中には, 「ボルドー」はイギリス人の心のふるさと思っているひともいます。 1855年一大イベントがありました。 パリ万国博の目玉として、ナポレオン3世の命で、 ボルドー・メドック地区の約500程あるシャトーの中から、 素晴らしい葡萄酒を造るシャトーに格付け「グラン・クリュ(特別級)」を 58シャトーに与えました。 また、その中で「第1級から第5級」までランクをつけました。 もう150年近くたっても、今でもその当時の格付けは変わっていません。 ただ一つだけ例外がありました。 当時第2級であった「シャトー・ムートン・ロッチルド」は, 1973年に第1級に格上げされました。 当時、「味」、「香り」、「上品さ」すべてに第1級の実力を持ちながら、 第2級に甘んじました。 それは、オーナー(ロスチャイルド家)がユダヤ系ということで第2級。 しかし、世論は許しません。実力は実力。悲願がかないました。 このシャトーは「エチケット」のところでも述べましたが、 毎年有名な画家の絵が、エチケット(葡萄酒のラベル)に描かれます。 格上げ記念のエチケットはピカソの絵が選ばれました。
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