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 葡萄酒日記

その6 「葡萄酒の樽」

 葡萄酒の樽は一般に「オーク」の木を使います。 素晴らしい葡萄酒程「樽」にこだわり、 「樽」によって同じ葡萄品種でも全く異なった葡萄酒が出来ます。 ボルドー地方のこだわるシャトーは熟成用「樽」に新樽を使っています。 それは、そのシャトーの葡萄酒の個性を出すためです、 古い「樽」では個性が出しにくいのです。
「樽」は二つの種類に分かれます。 葡萄酒を発酵させる「樽」。 そして葡萄酒を熟成させる「樽」に分けられます。 現在はほとんど、発酵用の「樽」はステンレス・タンクを用いています。 1996年にボルドーのシャトーを訪問しましたが、 ほとんどのシャトーがコンピュータ管理された 最新鋭のステンレス製の発酵用「樽」を使っていました。 なぜかと申しますと、「清潔で管理しやすいから」とそのシャトーのオーナーは言っていました。 樽での熟成はおおよそ1年半ほど行います。 その「樽」を保存するところを、フランス語で「シェ」といいます。 下の写真のように、暗くて静かなところで、瓶詰めされるのをじっと待っています。 有名なフランスボルドー地方メドック地区、 第1級のシャトー・ラフィット・ロッチルドの「シェ」は、 円形に約2000個の「樽」が整然と並べてあります。 ボルドーの「樽」の容量は法律で決まっていて、 1樽225リットルで、普通の瓶の容量750mlで300本分詰められます。 「樽」に個性をつけるには、どうするかと申しますと、 「樽」の内面をガスバーナーで焦げ目を付け、 その焦がしかげんで葡萄酒の個性が決まります。 「樽」は葡萄酒生産者にとって、かけがえのないものです。 よい葡萄酒になるか、そうでない葡萄酒になるか、「樽」によって決まります。 「樽」は葡萄酒にとって育つ「家」のようなものと思います。

シェ
フランスボルドー地方 メドック地区のシャトーの「シェ」


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