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 葡萄酒日記

その32 「シャトー・オーブリオン」

フランスのボルドー地方、「グラーヴ」地区にこの「シャトー・オーブリオン」があります。 1855年、時のナポレオン3世がパリ万博のイベントとして、 何百とあるメドック地区の優良シャトーの格付けを行いました。 しかし、このシャトーの造る葡萄酒はあまりにも素晴らしいので、 地区外である「シャトー・オーブリオン」が例外として、 その当時、ピラミッドの頂点の4大シャトーの一つに選ばれました。

ボルドー市の市街地にある、このシャトーは葡萄園の面積が45haほどあります。 そして、赤と白の葡萄酒を産出しています。 赤が年産14万本、ボルドーでトップの辛口の白は1万本あまり造っています。 白葡萄酒は大変希少で、酒屋さんで見つけることは至難の業です。 壜の形も独特で、いわゆるボルドーの怒り肩の壜と異なって、ふっくらした女性型の壜がとても魅力的です。

「グラーヴ」はフランス語で「砂利」です。 砂利を多く含んだ土壌から、良質の素晴らしい葡萄酒が出来ます。 白葡萄酒は「ソーヴィニヨン・ブラン」と「セミヨン」という葡萄品種の葡萄から造られています。 この「シャトー・オーブリオン」の赤葡萄酒はとても素敵ですが、 個人的には、白葡萄酒が気に入っています。 さっぱりとした嫌みのない、蜂蜜を連想させる「香り」はとても魅力的です。

何年か前に、大阪のある葡萄酒店でこの「シャトー・オーブリオン」の試飲会がありました。 社長のデルマス氏もお見えになり、葡萄酒醸造の苦労話を聞きました。 1本の葡萄酒をいただくとき、作り手の思い入れを思うと「味」も「香り」も格別なものとなります。 こんな話があります。「葡萄酒はあくまで料理の引き立て役であり、 料理をいっそう美味しくする役目を担っている」私もこの意見に同感で、 「葡萄酒は料理の素材とソースを繋ぐ役で、料理を引き立てる」といつも思っています。 日本では「お茶」がない食事がないのと同じく、フランスでは、「葡萄酒」のない食事は考えられないのです。
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