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 葡萄酒日記

その25 「シャンベルタン」

フランスのブルゴーニュで最も力強い赤葡萄酒といわれているのはこの「シャンベルタン」。 私もいつもこの葡萄酒をいただくとき、パワーがあると思います。 そしてブルゴーニュの葡萄酒としては色が濃い葡萄酒です。 この力強さはどこからくるのでしょうか。
これは畑の土質と単一葡萄品種「ピノ・ノワール」からくると思います。 かのナポレオンが愛した葡萄酒としてもとても有名な葡萄酒です。

ジュヴレ・シャンベルタン村の一角にあり面積が僅か13ha弱。 とりわけ「シャンベルタン」は一番の特級畑で、 そのまわりに7つの特級畑がとり囲んでいます。 その7つの特級畑は「シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ」、 「シャペル・シャンベルタン」、「グリヨット・シャンベルタン」、「シャルム・シャンベルタン」、 「ラトリシェール・シャンベルタン」、「マジ・シャンベルタン」、 「リュショット・シャンベルタン」です。 以前ソムリエの試験にこの8つの特級畑名を言えとういう問題がありました。 こんなの今の私の堅い頭ではとても覚えきれません。 しかし、この下の格付けの一級畑のものも素晴らしいものがあります。 たとえば醸造元「ドミニク・ローラン」の「ジュヴレ・シャンベルタン・レ・カズティエ」などは、 特級畑の平凡な作り手のものよりは遙かに美味しいです。

「シャンベルタン」で特に印象に残っているのは、 作り手が「ドメーヌ・アルマン・ルソー」のもの。 この葡萄酒を葡萄酒仲間と京都のある鮨屋で初めていただきました。 言わずもがなお鮨も大変美味しかったのですが、 この「シャンベルタン」があまりにもインパクトがあり、今もそのときの印象が脳裏に焼き付いています。 黒い果実を連想させる香り、たとえば「黒スグリ」。 そしていつまでも喉、鼻咽腔の粘膜をここちよく刺激していました。 お鮨との相性は、脂ののった「トロ」が絶妙でした。 お鮨に赤葡萄酒はあまり合わないと言われていますが、それは醤油を付けるからと思います。 葡萄酒と醤油はお互いの良さを相殺します。 したがって、私はお鮨に葡萄酒を合わせるときは、塩をつけて食べます。 そうするとお鮨が葡萄酒とよくマリアージュし、お互いがいっそう美味しくなります。

ところで赤葡萄酒はチーズによく合うといいます。 面白いチーズがあります。それは「シャンベルタンのお友達」というチーズです。 原料は牛乳で発祥の地はこのジュヴレ・シャンベルタン村で造られました。 マール(葡萄酒を造ったあとの搾り滓で造った酒)で洗った、 ウオッシュタイプで表面が橙色したチーズ。 このチーズはやはり「シャンベルタン」と一緒にいただくと最高なのでしょう。 一度試して見たいと思っています。
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