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 葡萄酒日記

その24 「モンラッシェ」

フランスの銘醸葡萄酒を産する南北約65kmにわたる 黄金の丘「コート・ドール地区」がブルゴーニュにあります。 この地区の北に「コート・ド・ニュイ地区」、南に「コート・ド・ボーヌ地区」があります。 後者のやや南部に位置する広さ僅か8haの特級畑「モンラッシェ」があります。 この狭い畑になんとオーナーが13人もいます。

この畑から造られる葡萄酒は世界一の白葡萄酒と誰もが認めています。 かの「三銃士」を書いたデュマも「モンラッシェ」を飲むときは 「ひざまずいて、脱帽して飲むべし」という有名な言葉を残しています。 私もこの葡萄酒を飲む度にあまりにも美味しいのと余韻の長さに脱帽しています。

この8haの狭い畑の中に特別な畑があります。 それは、ロマネ・コンティ社(DRC)が所有する小さな畑から造られる「モンラッシェ」です。 私も過去2回ほど幸運にもこのDRCの「モンラッシェ」をいただきましたが、 色は黄金色、香りは濃い蜂蜜、味はヘーゼルナッツ。 余韻がいつまでも鼻腔をただよっています。 ちょうど比叡山延暦寺の名鐘の響きのようです。 このDRCの「モンラッシェ」は、かの有名な「ロマネ・コンティ」より手に入れることが難しいのです。 なぜかといいますと、平均年間生産量が僅か3500本です。 「ロマネ・コンティ」はちなみに年産6000本程あります。 世界中から需要がありますから、なかなかこの「モンラッシェ」を見つけることが困難です。

「モンラッシェ」はこの世の葡萄酒のレベルを遙かにこえた液体と思います。 「モンラッシェ」の黄金色した液体が喉を「すーと」流れ込み、 吐いた息が鼻腔に漂う時に感じる高貴な香り。 一生の間にこの葡萄酒が何度いただけるのか。 「モンラッシェ」を飲むたびに、いつもこれが最後の出会いと思って飲みます。 そして、また再会したときは嬉しさで鳥肌が立ちます。
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