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 葡萄酒日記

その23 「ドン・ペリニヨン」

エチケット(ラベル)がハート型。 映画に一番よく登場するシャンパーニュは「キュヴェ・ドン・ペリニヨン」。 知名度も一番で、特にロゼは雰囲気があり、希少で味も最高。 「ドン・ペリニヨン」はシャンパーニュを考案した盲目の僧の名。 彼は1639年生まれで嗅覚・味覚に超人的な才能をもっていたといわれている。 シャンパーニュ地区はその当時は非発泡性の葡萄酒を生産していたが、 彼は発泡酒を1680年頃に考案している。

「キュヴェ・ドン・ペリニヨン」を造っている会社は、 ランスの隣の街エペルネにある、シャンパーニュ一番の生産量を誇るモエ・エ・シャンドン社。 本社の建物前には彼の銅像が立っている。 また本社建物内には展示館があり、私がここを訪問したとき、 ここには今は亡きF1レーサーの「セナ」の サインが書かれたマグナムボトルが展示されていました。 モンテカルロのF1レースの優勝者にはこの会社のシャンパーニュが贈られます。 この展示館には何十本もの優勝したレーサーのサイン入りマグナムボトルが展示されていました。 表彰台でシャンパーニュをパーンと開けるシーンは感動的です。

「キュヴェ・ドン・ペリニヨン」はこの会社の造る最高のシャンパーニュで、 葡萄の出来のよい年のものしか造りません。 普通のシャンパーニュには年号が記載されていませんが、 この「キュヴェ・ドン・ペリニヨン」のエチケットには年号が記載されています。 もし1991年の「キュヴェ・ドン・ペリニヨン」が酒屋さんに売られていればそれは偽物です。 1991年は「オフ・ヴィンテージ」といってよい葡萄が出来なかった年です。 この会社は「キュヴェ・ドン・ペリニヨン」のレベルに達しない年には生産しません。 また、この葡萄酒は特級畑のよい年の葡萄のみから造られ、 熟成期間を最低5年以上かけて出荷します。 「シャルドネ」という白葡萄品種と「ピノ・ノワール」という赤葡萄品種が半々用いられて造られています。

私がこの葡萄酒を飲むとき感じることは、シャンパーニュの素晴らしさはこれなのだと思うことです。 「ビスケット」の芳ばしい香り。爽やかな花を連想させる香り。 そしてなんといっても上品な泡が優雅に立ちのぼります。 酔いも素晴らしく体の末梢神経に「フワー」ときます。 万人に支持されている理由はここにあるのだと考えます。
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