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 葡萄酒日記

その2 「葡萄酒の瓶」

 一般にワインボトルと言っていますが、これは国により、あるいは産地により、形状、ガラスの色は多々あります。 逆にボトルの形、色をみて、おおよその産地が分かります。
フランスの例で説明しますと、一般のボトルは750mlの葡萄酒が入っています。 形状はボルドーのものは、「いかり肩」の形、 ブルゴーニュのものは「なで肩」の形と決まっています。 そして、ボトルの底はくぼんでいます。 ボトルの中で葡萄酒が熟成するときに、「おり」ができます。 このおかげで葡萄酒をグラスに注ぐ時に、 この「おり」を残して注ぐことができるように工夫されています。
フランス語でボトルのことをブテイユbouteilleといいます。 容量によってボトルの呼び方が異なります。 普通のボトルの半分、 ハーフボトルと一般に言っている375mlのボトルはドゥミ・ブテイユdemi-bouteille、 普通のボトルの倍の1500mlのものはマグナムmagunum、 その倍の3000mlのものはドゥーブル・マグナムdouble magunum、 4500mlのものはジェロボアムjeroboam、 6000mlのものはアンペリアルimperialeといいます。
ここで、葡萄酒が面白いのは、同じ醸造元で造られた葡萄酒でも、 瓶によって、味わいが異なることです。 どうしてかと考えますと、瓶の中で葡萄酒が熟成するわけですが、 ご飯を炊くときもそうですが、たくさん炊くと美味しいご飯ができるように、 葡萄酒も瓶の容量が多ければ多いほど熟成期間は長くかかりますが、 それだけ美味しいお酒ができます。 だけど、一度に何リットルのボトルの葡萄酒はなかなか飲めません。 葡萄酒は日本酒やブランデーとは異なって、いったんコルクを抜いてしまえば、 その何時間の間に飲まないと、酸化してまずくなります。 また、醸造元もほとんどが750mlのボトルの葡萄酒を出荷し、 それ以上のボトルはほとんど市場には出回っていません。 私事の経験で申し訳ありませんが、 一度だけある300人ほどの葡萄酒の会で 6000mlのアンペリアルの葡萄酒をいただいたことがあります。 このボトルは重くて手で持てないので、このボトル専用に注ぐ器具があります。 酒屋さんで大きなボトルに入った葡萄酒を見つけられましたら、 是非試していただいたらどうでしょう。 シャンパンのマグナムは比較的市場に出回っています。 からも大きくいかにも美味しく見えます。 見えますと書きましたが、 私の経験では事実シャンパンのマグナムは素晴らしく美味しいです。
最後に、逸話としてドイツのフランケンの葡萄酒のボトルは特徴的で、 丸く袋状の形をしています。 その形状からボックスボイテルBocksbeutel(山羊の睾丸)と呼ばれています。
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