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 葡萄酒日記

その13 「シャトー・マルゴー」

1885年にパリ万博がおこなわれたときに、 かのナポレン3世が目玉として、 ボルドー・メドック地区の約1000程あるシャトーに格付けを行いました。 61のシャトーにグランクリュ(特級)の称号を与えました。 ピラミッドの頂点にあたる5シャトーのひとつが、この「シャトー・マルゴー」です。 「シャトー・マルゴー」はいろいろな逸話が多いことで有名です。 そのひとつに、有名な文豪「ヘミング・ウェー」が孫娘に「マルゴー」と命名し、 彼女はフランスで女優として活躍しました。
もうひとつ有名な逸話として、 「シャトー・マルゴー」が経営難で競売にだされ、 アメリカのある企業が「シャトー・マルゴー」を買収しようとしました。 しかし、フランス政府は、首を縦にふりませんでした。 『「シャトー・マルゴー」を売るというのは、 「モナ・リザ」や「エッフェル塔」を売るのと同じなんですよ。』 と政府の高官が言ったそうです。

「シャトー・マルゴー」は最も女性的な葡萄酒といわれています。 理由は「優美」で「精緻」そして最も「芳醇」な葡萄酒です。 私が1996年にこの「シャトー・マルゴー」を訪れましたが、 葡萄畑も素晴らしいですが、オーナーの館がとても印象的でした。 「シャトー」はふつう「城」を意味しますが、 葡萄酒を造る「シャトー」は少し意味が異なります。 「シャトー・〜」と名乗れるのは、その地がオーナーの居住地であること。 そして、葡萄酒を造る醸造設備が整っていて、 瓶詰めから、エチッケットを貼りその地から出荷出来ること。 もちろん葡萄畑がその地であること。 以上の条件が満たされていてはじめて、 「シャトー・〜」と名乗れる葡萄酒が存在します。 したがって、「シャトー・マルゴー」と 単なる村名葡萄酒の「マルゴー」とでは、「月とすっぽん」ほど異なります。
       
「シャトー・マルゴー」を飲んだ後で思うことは、 この葡萄酒は葡萄酒の範疇をこえた、「フィネス」があることです。 とくに1982年のものは余韻がすごく長く、妖艶さを感じるほどでした。 今でもそのときの感動が脳裏に焼き付いてはなれません。

シャトー・マルゴー
シャトー・マルゴー



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