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 葡萄酒日記

その12 「ローヌ」

 フランス料理のメッカであるリヨン市から少し南から、 「ローヌ」の川沿いに、フランスでも有数の素晴らしい葡萄酒ができる地区があります。 「ローヌ地区」の葡萄酒は、力強いことが特色です。 というのは、フランスでも南の方に位置していて、 太陽の恵みをよく受けます。そのために、アルコール度の高い葡萄酒が出来ます。

「ローヌ地区」の最北端に、 面積がたった約100haの「コート・ロティ」という、個性豊かな赤葡萄酒ができる畑があります。 フランス語で「コート」は「畑」、「ロティ」は「焼ける」。 すなわち「焼畑」です。 「シラー」という赤葡萄品種と少量の白葡萄品種「ビオニエ」のブレンドで造られます。 川沿いの急斜面の畑で太陽のエネルギーを燦々と受け、 濃厚な深紅色した葡萄酒ができます。 なかでも、「ギガル」という造り手による、「コート・ロティ」は特別です。 この葡萄酒からは、私見ですが、スパイスの香りを感じます。

この「コート・ロティ」のすぐ南に面積がたったの70haほどの、 川沿いの超急斜面の畑から、白葡萄酒が出来る「コンドリュー」という畑があります。 「ビオニエ」という単一の葡萄品種から、とても魅力的な葡萄酒が造られます。 エレガントな葡萄酒で、「あんず」の香りが楽しめます。 葡萄酒を瓶からグラスに移すと、時間とともに「香り」、「味」が変化していきます。 「コンドリュー」ほど七変化する葡萄酒は他にないと私は思います。 これが葡萄酒の面白いところで、一つのお酒で、いろいろな「香り」、 そして「味」が時間とともに楽しめるところと、いつも私は考えています。 この葡萄酒は比較的和食に合います。 特にふぐ料理によく「マリアージュ」し、ふぐの唐揚げに「コンドリュー」。 これは至福の時間です。 料理と葡萄酒の出会いにより、お互いが栄えあいます。 このふぐの唐揚げに「チベットの塩」をつけていただくと最高です。 この「チベットの塩」は太古海だった、 標高3000mの塩田でできるミネラル分をいっぱい含んだ塩です。 私に連絡していただければ、この塩の入手の方法をお教えさせていただきます。 この塩は、お刺身、天ぷらなどに付けて美味しくいただけます。

ローヌ地区の南に「シャトーヌッフ・ド・パプ」という地区があります。 直訳すると「法王の新城」という意味です。 この葡萄酒はフランスの厳しい葡萄酒の法律で決められている中で、 一番多くの葡萄品種(13種)を用いて造ってもよいといわれています。 この地を私は2001年の夏訪れましたが、 畑にはごろごろと大きな石ころ(手拳大ほど)がころがっていました。 この石ころが日中の太陽エネルギーの熱を蓄え、 夜も「湯たんぽ」のごとく葡萄の木に太陽のエネルギーを与えます。 したがって、24時間もの太陽の恵みを受けて葡萄は生育します。 それゆえ、とても濃厚な葡萄酒が出来ます。 私はこの葡萄酒を飲むときスパイスのきいた、「鉄板焼き」にいつも合わせて飲んでいます。
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