h27/9/3:更新"真空管テスターもどき"が出来ました。
物置から、昔作った真空管アンプやその他の部品と真空管が出てきました。もう40年以上も前の物ですので分解して部品のテストをしました。
コンデンサ類はもう使用に耐えられるものではないと思われますが、トランス類は導通もあり、問題なさそうなので、もう一度組み直すことにチャレンジしようと思います。ただ、真空管は通常のテスターでは正常かどうか判断できませんので、簡単な真空管テスターをつくることにしました。
<シャーシー上の外観です。>
- 測定は、あくまでも特性の分かっている真空管の、特定の点でのプレート電圧、グリッド負電圧、プレート電流が測れるようにすることです。
- 管種は、ソケットが現存するMT管の9ピンとGT管のみとします。(マグノーバル管もあるのですが、ソケットがありませんので、クリップでピンを挟む方法で対処します。)
- 真空管の種類によるピン接続の差異は、プッシュ式のターミナルで、配線をつなぎ変えて対処できるようにします。
- グリッド負電圧、プレート電圧を自由に変更できるようにします。
- 途中で、当初に予定していた電源トランスの不具合が見つかって途方にくれたのですが、少し小振りのトランスで代用して、何とか完成しました。
<シャーシー内の配線です。>
- 右の画像が、シャーシー内です。高電圧レギュレータ部分はユニバーサル基板にまとめましたので、配線は簡単です。
- B電圧制御用のTr 2SC3447 には2cm角程度のヒートシンクを付けましたが、かなり熱くなります。そのまま底板を取り付けるとシャーシー内の空気の流れが無くなりますので、底板に30x100mmの穴を2つ開けました。
- 測定は、手持ちのデジタルテスター3台のテスト棒をターミナルに差し込んで行います。
<手持ちの6RA8を測ってみました。>
- 電源トランスの容量の制限で、最大50mAしか流せません(レギュレータでも約50mAでリミッターが働く)ので、軽負荷の動作しか測定できませんが、真空管の使用の可・不可を判定するだけなら十分です。
- ガラクタ箱の中に、6RA8ペアチューブというのが有りましたので試しに測ってみました。3極管なので接続は簡単です。
- 右の画像で、プレート電圧198V、グリッド電圧 -20Vのときに、プレートに7.4mA流れています。もう1本の管は同条件で7.7mAでしたので、40年以上経過しても維持されている特性に感心しました。
- 今、アンプの組直しを考えているMT管7189Aもテストしてみました。4本の電流値の差が10%以内でしたので、使用に耐える特性を保っていることが分かりました。
- 高電圧可変レギュレータがありますから、電解コンデンサの漏れ電流のテストもできます。
[主なパーツと説明]
- 電源トランス:山水 PV-60・・・チューナー用の表示があり、B電圧は160vと200v、電流は最大で50mAしか流せません。手持ちです。
- ターミナル8P:秋月通販で"ついで買い"しました。
- 高耐圧トランジスタ 2SC3447,2SC3632とツェナーDi 共に若松通商です。
- シャーシ:リード P-12(W H D 250x60x150)
- 1w 150kΩの抵抗が手に入らず、300kΩを並列にしたり、100kΩと51kΩを直列にしたりしています。
- (その後、不具合のあった電源トランスは導線を巻きなおして、この真空管テスターに戻しましたので、電流容量も2倍以上になりました。)