h27/10/24:初掲載
TV信号連動入切アンプ
(テレビの音声信号に連動して電源をON-OFFするアンプ)

 液晶テレビは画面は大きくても奥行きがないので、設置する場所には困らないのですが、画面に比較して、音声は貧弱です。あの薄さの中にスピーカーを組み込むことを考えると仕方が無いと思われます。通常のニュース等では違和感はありませんが、音楽番組などでは、低音は無いに等しく、著しくバランスを欠いた音色です。
 そこで、リサイクル店で購入した小型SP(ONKYO D-F700)で音を出すことにしました。EAR-PHONE端子にそのまま繋いでも、蚊の鳴くような音しか出ませんから、アンプが必要ですが、①スペース的に、オーディオアンプのような大げさなものは置けませんし、②テレビをOn-Offする度にアンプをOn-Offするのも面倒なので、「信号連動入切アンプ」を作ることにしました。文字通り、TVのスイッチをOnして音声が入ってきたら、アンプの電源をOnにし、一定時間入力が無い場合はOffにするものです。省エネと言えば聞こえはいいですが、常に少量の電流は消費しています。

[回路図-アンプ部]


[回路図-入切コントロール部]

  1. OP1とOP2は信号源に繋ぐバッファ。
  2. OP3は音声信号を増幅→直流電圧に変換する。
  3. OP4はコンパレータとして動作、信号があれば、出力はHになる。1kVRは感度調整用。
  4. OP4からHの信号を受けて、Q2は555タイマーを起動(アンプ部の電源ON)、一方Q1は47μFの電荷を逃がして555タイマーの進行を遅らせる。
  5. 音声信号が無くなったとき、OP4出力のLを受けて、Q1は動作を止め(コンデンサの放電を止め)るため、一定時間(約52秒)後、アンプ部の電源はOFFへ。
  6. IC555の時定数 T(秒) = 1.1×C(47μF)×R(1MΩ) = 51.7
  7. [回路図-電源部]・・省略
    ◎15vのACアダプター+12vの3端子レギュレータ
    ◎リレーの動作電圧さえ合わせれば、電源電圧は5~15v(NE555の制限値)まで変更が可能
    ◎コントロール部とアンプ部を、完全に別電源にする方法も考えられます。

    主な使用パーツ
    TA7252APキット(秋月)--2 2SC1815--3 2SK30A--2LM324N--1   NE555--1DC15v 2Aスイッチング電源 3端子レギュレータ(12v 3A)プリント基板(久我山 AB-MRJ)
    リレー(12v 3A)VR1MΩ(2連)--1 ダイオード(小信号用)--4本 3.5mm(2ch)ミニジャックケース(LEAD?)  SP端子(4P)--1電源スイッチ   Fuseホルダー
     アンプ部分です。(秋月のキット)

    [使用部品について]

    1. ケース(幅150×高70×奥行150)は、少し窮屈でした。無理に詰め込んだ感じです。
    2. DC12vは、リサイクル店で入手した15v2AのACアダプターを、外側のプラスチックカバーは取り除いてケース内に入れ、3端子レギュレータで12vにしました。
    3. 12vのACアダプター(直)も考えたのですが、少しでもノイズ・リップルの少ない電源を・・と、ちょっとだけ手を掛けました。お陰で、雑音はほとんど聞こえません。
    4. 3端子レギュレータはアンプOn時には結構温度が上りますので、ヒートシンクを付けます。
    5. 入力端子は3.5mmのミニジャックです。TVにはRCAのLINE出力もありますが、リモコンで音量を増減出来ないので、敢えてear-phone端子から信号を取ります。
    6. 全体の電源は常時Onなので、電源SWはリヤパネルに付けました。
     ACアダプターから取り出した電源ユニットです。
     入切コントロール部分の基板です。黒いのはリレー。

    [あとがき]
     このスピーカーの効果は絶大で、音楽番組では、いつもの「テレビの音」が、ベースの音が聞こえる"ステレオ"に変わります。ただし、映画等で静かな(無音に近い)時間が続くと自動的にアンプが切れて、一瞬「音無し」の時間ができたりします。TVの元の音量とアンプのVRと感度調整のバランスです。(感度の調整はケースの外から出来る方が良かった。)

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