h30/06/25:更新
LCD表示の交流電圧計
- 半年前に、デジタル表示(7seg_LED)の交流電圧計を製作・掲載しました。
- それなりに有効に使用していますが、信号電圧が低い範囲では、値の精度も表示値ももう一つ物足りなさを感じています。
- I2cによるLCDのコントロールを覚えたので、PICのAD変換機能を使って、表示部分をグレードアップした「交流電圧計」を作ることにしました。
- 右の画像は、4mm厚のシナベニア板で作った箱です。(160×100×60mm)
- 色ワニス(ウォールナット)を塗って、16文字×2行のLCD、入力端子、入力信号レベル切り替え用(ロータリー)SW、電源SWをはめ込みました。
- 液晶表示器は、AQM1602XA-RN-GBWの型番で、2.54mmピッチの変換基板を付けて青のプラ板の土台に貼り付けました。(上面も薄い塩ビ板)
回路図

- いろいろ試しましたが、単電源オペアンプの利用を前提にすると、結局のところ整流部分は前回のデジタル電圧計と同じ形式に落ち着きました。
- 1/50のアッテネータと1段目のオペアンプによる10倍増幅とで、100Vから0.1mVまでカバーする予定です。
- 4回路3接点のロータリーSWを利用して、1回路はアッテネーターに、1回路はオペアンプの帰還抵抗の切り替えに、もう1回路はPICのポートをOn/Offして、LCDの小数点位置や表示単位の変更をします。
- PIC12F683では、シャントレギュレータによる基準電圧を使ってより正確なAD変換値を得て、I2c接続のLCDに値と計測単位(V または mV)を表示します。
組立配線
- サンハヤトのICB-86に載せました。同じものを多数作ることは無いので、いつもユニバーサル基板です。
- 電源用のコネクタは、ターミナルブロックです。
- IC用の8Pソケットは、敢えて丸ピンではなく板バネタイプです。Vdd(+)とVss(-)のピンを裏で折り曲げて、中央の電源のラインとアースのラインに繋げています。
- 12F683の4番ピンは使用しないので、ソケットのピンを抜いて、その部分を単なるランドとして利用しています。
- シャントレギュレータ用に丸ピンコネクタ、基板の外への接続はピンヘッダです。
- 点検(穴があくほど)した後、テストへ・・・??
一応稼働しました
- とりあえず電源やLCD等の接続をして、一応稼働しました。画像は、2v-RANGE(ノーマル)で、1kHzの正弦波を入力したものです。
- 100vRANGE(1/50倍) も 0.2vRANGE(10倍) もそれらしい値の表示はしますが、まだ納得できる段階ではありません。
回路の一部修正
- 裏板に電池ホルダーをネジ止めしました。消費電流は約4mAですから、頻繁に電池交換の必要は無いと思われます。
- 入力して、すぐ1/50に減衰させる部分の50kΩVRに直列に20kΩを入れました。2.2MΩ+45kΩ:45kΩで約1/50のつもりでいましたが、高抵抗の誤差や並列になる初段の入力インピーダンスもあり、計算以上に減衰し、50kΩVRでも調整しきれなかったものです。
- 電源は、単3電池×3にしました。信号がオペアンプを通過しますから、できるだけオペアンプの電源電圧を高くしたいところですが、PICやLCDの電圧は3.3vに下げて使いますから、この辺りが適当かな・・・と言ったところ。
- そのため2vRANGEでは、表示値1.4vくらいが上限値になってしまいました。(ピークは1.4v×2×√2≒4v)
- 同様に50vRANGEでは70v、0.2vRANGEでは140mvの辺りが上限です。
- 電源電圧を上げれば解決しますが、上限を理解していればレンジを切り替えて使用することにします。
PIC12F683のソース(Hi_tech_c)
プログラムについて
- オペアンプを通って減衰または増幅され、全波整流された直流の電圧を、PIC 12F683でA/D変換し、LCD(1602A-I2C)に表示するHI-TECH Cプログラムです。
- GP0:計測電圧(入力) GP1,GP2:レンジ切り替えスイッチ GP3:Free GP4:SDA GP5:SCL
- 1/50倍とノーマル(増幅も減衰もなし)と10倍増幅をロータリーSWで切り替えます。
- PICのモード切り替えは、GP1とGP2の値により、10,01,11の3つの値をとります。(ポートはプルアップしているので、通常ポートの値は"1"、SWで"ON"しているポートが"0"になる。)
- A/Dコンバータの基準は、Vdd(3.3v)。シャントレギュレータで安定化。
- Volt1の数値合わせ(*520/810)は実測値によって調整。
- 表示される数値がチラチラと変化するのが気になって、100回計測して平均値をとりましたが、値の変化が遅くて少しイライラします。
その他
作り始めてから一応の完成まで非常に時間がかかりました。作製作業の途中で、手元が見難いことに気が付きました。眼がショボショボして、細かい作業が苦痛です。長い間メガネを買い替えていないので、レンズの度数が合っていないようです。
メガネを新調しました。前回は「安さ」に惹かれて他店(眼鏡市場)のを使ってみたのですが、価格相応と感じました。レンズの周辺部の収差が気になりました。
それで今回は"Miki"に戻しました。視界が広く感じて、快適です。ただ、価格も品質に比例します。
結局のところ、毎日身につけるものは、少しくらい値段が張っても品質が第一と実感しました。
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