[赤兎山(福井県)] 平成15年7月14日(月) メンバー.山、A
7/14(月)曇り霧雨   9:40登山口−10:25小原峠−11:05赤兎山11:15−11:40避難小屋12:45−13:10赤兎山−15:50小原峠−14:35登山口

 赤兎山頂

 雨池湿原

 前日降り続いた雨も朝には止み、曇り空ながら天気は持ちそうだ。
国道から小原集落への道に入り、集落を過ぎてどんどん奥へ入っていく。
かなり奥まで入った所に登山口があり、平日だというのにすでに車が数台止まっている。
登山口を少し過ぎたところに車を止め、ガスが出ているので雨具を付けて登り始める。

 初めは緩い登りだが、だんだん急坂になってくる。
登るに連れて、霧雨となり、レインウェアに細かい水滴が付く。
小原峠までの登りの道脇に目立ってギンリョウソウ(ゆうれい茸)が多い。
ブナや苔も多く、湿度が保たれているのだろう。

 「ワサビ・ワサビの葉の採取禁止」の看板があちこちにあり、良い水が多い証拠なのだろう。
小原峠には、左・大長山、右・赤兎山の標識があり尾根を右(南)に進む。
ところどころ連日の雨で出来たぬかるみを除けながら緩く登っていくと、やがて赤兎山に出る。

 開けた山頂で、山々の位置を書いた案内板があるが、ガスで全く展望なし。
晴れていれば、白山連峰の眺めが素晴らしい・・らしい。

 山頂から雨池湿原へ向かう道は、連日の雨で泥田と化した箇所が多く歩きづらい。
しかし、ガスで薄い乳白色の大気の中、ササユリのピンクやニッコウキスゲの黄色が浮かび上がり、幻想的な雰囲気を醸している。

 雨池湿原は、福井県で唯一の高層湿原で、小規模ながら美しい佇まいを見せている。
その先の避難小屋は新しく清潔で、先客が既に宴会モードに入っている。
外は細かい霧雨がまだ降っているので、小屋でゆっくりと昼食にする。

 先着のグループ(福井在住)とつまみの交換などをして、地元の山の話をする。
同じ趣味の者同士で会話が楽しい。

 下りの途中、小原峠へ登ってきた反対側に地蔵があると書かれた標識を見つけ、探しに行く。
分岐からほんの少し入ったところに、3体の地蔵が並んでいる祠があった。
そこから奥に、「越前禅定道」の文字があり、道にロープが張ってある。

 帰ってからネットで調べたところ、平泉寺白山神社を出発して白山に至るもので、修行者が白山へ登るために作られたらしい。
この他に、加賀禅定道や美濃禅定道と3ルートがあり、白山山岳信仰がいかに盛んだったかが窺える。

 下るに連れてガスも晴れ、登山口から見上げれば中腹から上はやっぱりガスの中だ。
登山口に近い小池の上に張り出した枝に、モリアオガエルの泡状の卵塊が下がっていた。
裾が泥だらけになったレインウェアを車に放り込み、勝山市に近い「水芭蕉の湯」に入り京都へと帰る。

 今回は、前日に杉山鉱泉泊まりにして、翌日登山というゆっくりした山行でした。
杉山鉱泉は、勝山市から白峰へ向かう国道をしばらく走り、看板に従って左に入り、奥まったところにあるひなびた温泉で、岩魚料理(活け造り、塩焼き)、山菜の天ぷら(山菜いろいろ、アジサイの花の天ぷらが風情があった)、ホウバ焼きみそ等が出て、泊まりで9000円なので、時間に余裕のある人にはお薦めです。

 今回のもう一つの目的は、知る人ぞ知る福井の千合(ちごう)そば「向山洞(こうざんどう)」のソバを食べることでした。
 電話が通じなくて、予約なしで行ったらところ、翁が「予約しといてくれたら待たせんかったのに」と言いながら、たった2人前のために、粉を引いてソバを打ち、涼風そばを作ってくれました。
作り手の気持ちのこもった、温もりの感じられる素朴で美味しいソバでした。
(山)

 ササユリとニッコウキスゲ

 避難小屋

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