北八ガ岳・
八千穂高原駒出池でキャンプ
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駒出池キャンプ場のサイト
◆【旅の日時】 2003年8月13〜16日  
◆【旅の概要】
今夏、例年より一週間ほど遅れの梅雨明け宣言はあったものの、その後も太平洋高気圧は一向に勢力を増さず、北からの高気圧とこれとの間に梅雨の時期と同じような前線が居座り、我が家のある近畿地方ではまだしも、関東甲信地方ではいつ梅雨明け宣言を出すべきか気象庁泣かせのぐずついた天気がいつまでも続いていた。

例年なら、お盆が近づけば台風の心配もしなければならないところだ。
しかし、今年の場合は様子が違っていた。台風の心配はなくなっていたが、甲信地方に限れば梅雨が明けきらぬうち、いつしかお盆を迎えてしまったのだ。

休みの都合もあり、いつまでも晴れるのを待っているわけにも行かず、雨を心配しながらも8月13日早朝、キャンプ道具一式を詰め込んだ我が70(ナナマル)に乗り込み、今年の目的地である北八ガ岳・八千穂高原へと車を走らせた。

キャンプ地を八千穂高原という一見聞きなれない地に選んだのは訳があった。

5年生になった(あ)は、学校ではそうではないものの通っている塾の社会科の授業で日本列島の南から順に、それぞれの地方の産業についてずいぶん詳しく習っているようだ。

ひと通り北の北海道まで習ったようだが、なかでも印象に残ったのか、それともここなら何とか連れて行ってもらえそうだと感じたのか、そこのことを習って間もない5、6月頃、

「野辺山原ってどんなとこかな〜、高原野菜はどうやって作ってあるんかな〜?」

他にも色んなことを習ったはずなのに、彼は、あたかも
「ここに連れて行ってほしいなー」
と訴えるかのようにこんなことを言ったのだった。
ひるがの高原S・Aより白山連山を望む 「野辺山原か〜」
確かにいいところに違いないし、勉強と山行を兼ねて、
「よしッ!この際、思い切って車でそこまで出掛けるか!」

こういう訳で数あるキャンプ場から選んだのが、野辺山原まで足を伸ばすのにそう時間がかかりそうになく、近くの山に登るにもより近そうな八千穂高原・駒出池キャンプ場だったのだ。

当日は予想に反し、まずまずのお天気のようだった。
(出発したのが夜中だったので詳細は不明)
東海北陸自動車道・ひるがの高原SA
阪神高速、名神高速、東海北陸道と乗り継ぎ、終点(現時点)手前のひるがの高原S・Aで大休止。

展望所からは大日ヶ岳、別山、白山がくっきりと青空に映え、否が応にもこれからの眺望に期待を抱かせる。
飛騨清美I・Cで下車。しばらくすると今度は正面に乗鞍岳を仰ぎ見ながらの快適ドライブ。

いつもは机上の存在でしかない名峰を仰ぎながらのドライブに遠くまできたという実感が徐々に湧いてくる。

高山市街手前、清美村、oak villageに立ち寄り、一路信濃路へ。

安房峠では一年振りに穂高連峰を見ることができ、今回の旅での目的のひとつを、ここで既に達成。

松本からは短いながら再度、高速に乗り諏訪I・Cで下車すれば目の前に八ガ岳連峰が目の前に広がり、目指す八千穂高原は間もなくだ。
安房峠より穂高連峰
安房峠からの穂高連峰は一見の価値あり
茅野市街からはR299に進路を取り、八ガ岳山麓を走るようになる。

高原状の道路からワインディングロードを走るようになるとぐんぐん高度を上げ、やがて最高地点の麦草峠。しかし、あろうことか、この少し前からガスが視界を遮りだしていた。

これはきっと高度の為、ガスの中に入ったものと思っていたが、実は天気予報どおり天候の崩れによる雲の中に入ったことに違いなかった。
八千穂高原、駒出池
八千穂高原駒出池キャンプ場
ところで、麦草峠一帯といえば白樺の原生林で有名なところだ。

白樺はガスっていたほうがむしろ幻想的な雰囲気を醸しだすようにも思えるが、やはり晴天に映える白い木々を目の当たりにしたかった、と少し残念だ。

峠付近の束の間の平坦地を過ぎると、連峰東面へと下り降りる。

すぐに白駒池駐車場を見てしばらく下ると、レストハウスのある三叉路があり左折。

スキー場を過ぎると八千穂自然園や八ヶ嶺山荘の建つ、八千穂高原に到着だ。
キャンプ場へはここでR299を外れ、八千穂レイクを左手に見てしばらく下る。

道すがら案内板があるのでそれに従うと、ようやく駒出池池畔の八千穂高原・駒出池キャンプ場に到着だ。

家から約12時間半を掛けたロングドライブは無事目的地に到達した。

幸い、テント設営中に雨が降り出すことはなく助かったが、夜半からは大雨となり、結局、16日までこの雨は降り詰めだった。
 パタゴニア
雨は14日、15日と断続的に降り続いた。

従って、山行に出向くことはもちろん、野辺山原おろか買出しに行くにも躊躇するような状況で、温泉巡りをするのが関の山と考え、14日は昼食を兼ね南相木村の『滝見の湯』をターゲットとし車を走らせた。
八千穂高原、駒出池キャンプ場
ところが、考えることは誰しも同じということか。

昼前に着いたものの、おもむろに近寄った関係者の方からは「二時間待ちですが・・・」との言葉。
この辺りに来た観光客やらで満員だったのだ。

あっさりここを諦め小海駅前で昼食の後、佐久町『臼石荘』で入浴することとした。

ほとんど紹介されていないこの温泉だが、実際訪れてみるとなかなか立派なもの。

少し足を伸ばすことにより混み合うことなくゆっくり入浴することができ、足を伸ばした甲斐があった。

さっぱりしたあとは、夕食の買い出しをしキャンプ場へもどる。
JR最高地点で翌、15日、小降りながら引き続き雨は降っていた。

「とりあえず近くの美術館でも行くか。」

小海町高原美術館へ向かう頃、ようやく雨が止んだ。

あれだけ降られると止んだだけでもなんだか嬉しくなれるものだが、眺望を得るまでには至っていない。

松原湖キャンプ場を見た後、今出向かなければ行き時を逸してしまうと見た本来の目的地、野辺山原に向かう。

野辺山原といっても漠然としすぎているし、好天に恵まれ八ガ岳連峰が見えてこそその雰囲気が味わえるとしたものだが、いかともしがたいこの天気、無駄足になり兼ねないのも承知の上で野辺山駅へと向かう。

小海町から南牧村へ入ると景色は一変。山は見えねど一見して高原の様相だ。道路脇には野菜畑が広がり点在するサイロ、牧場の建物、選果場が高原野菜の生産地、『野辺山原』を形成している。

「あ〜、よかった」

折角ここまで来たのに、第一の目的が達成できなかったらどうしようかと内心冷や冷やしてたんだ。八ガ岳連峰

JR最高地点で記念写真を撮り、曇天の中キャンプ場へ戻りかけるとわずかにガスが晴れ八ガ岳が姿を現せた。

こちらに来てはじめての展望に、これからの天気の回復を期待させたが、山が見えたのは後にも先にもこの時だけだった。

キャンプ場に近づき高度を上げるにつれ再度、雨模様になってしまった。


16日は朝日のさす朝となり、最終日に来てようやく「天気回復か!」と期待したが、陽が照ったのは日の出からほんのわずかな時間帯のみで、その後は霧雨となり、最後まで雨にたたられっぱなしのキャンプ道中となった。

しかし、ここまで来て何もせずに(どこの山にも行かずに)帰ったのでは何をしに来たのかわからない。

帰路、前もって最後の手段として取っておいた北八ガ岳・高見石、白駒池へとトレッキングに出掛けることにした。

短いルートながら北八ガ岳を凝縮したようなルートに皆満足げ。なかでも、高見石から見た白駒池はなんとも幻想的で、次々に湧くガスと針葉樹とがベストマッチ。

最後にのんびりしたせいで出発時間が遅くなってしまったが、遅くなりついでに奥蓼科温泉郷・渋川温泉保科館の露天風呂で汗を流し、諏訪I・C手前では、たっての希望だった山下清・放浪美術館にも立ち寄り、その後ようやく高速道路上の人となった。

幾度かの渋滞を乗り越え、ちょうど日付の変わる頃、無事自宅へと戻った。

帰る道中にも度々雨に降られ最後まで踏んだり蹴ったりだったが、その中で、高見石、白駒池に足を伸ばせたことで『北八ツ』の印象を深く心に刻む旅となった。



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