新穂高〜槍平〜南岳〜天狗原 1

南岳新道より滝谷、穂高連峰を望む (左より大切戸、北穂高岳、ドーム、涸沢岳、奥穂高岳・ジャンダルム、蒲田富士、西穂高岳)
◆【山行日時】 2009年9月20日〜22日
□9月20日  新穂高〜白出沢出合〜滝谷出合〜槍平〜南岳新道〜南岳テント場
        

□9月21日  南岳テント場〜南岳〜天狗原・天狗池〜横尾尾根〜南岳テント場
        

□9月22日  南岳テント場〜南岳新道〜槍平〜滝谷出合〜穂高平〜新穂高


◆【第一日(9月20日)】 朝のうちガスのち快晴
前夜訪れた新穂高駐車場は満車だった。

向かった鍋平駐車場もほぼ満車。
何とか一夜を明かし、翌朝、有料駐車場に置く覚悟で新穂高駐車場をのぞくと、辛うじて一台が駐車できるスペースを発見した。

右俣林道を行く ずいぶん得した気分で右俣林道を歩きだす。

つい、一か月前にも歩いたばかりだが、緑が新鮮で気持ちいい。

歩き出しは稜線を見ることはなかったが白出沢まで来て見上げると、遥かにジャンダルムを望むことができた。
右俣林道を行く
チビ谷、滝谷出合いを経て槍平へと向かう。

右俣谷はずいぶん小さくなり、次第に高度を上げる。

振り返ると滝谷上部やドーム、涸沢岳、蒲田富士を望める。
槍平が近づくにつれ背後の展望が利くようになる
槍平が近づくにつれ背後の展望が利くようになる
(左より北穂高岳・ドーム、涸沢岳、蒲田富士)
槍平小屋前より南岳新道・南岳西尾根を見上げる やがて着く槍平は登路途中にある開放的な雰囲気満点の別天地。

ここで小屋のご主人、沖田さんと9年ぶりに再会。

快晴と空の下、青空に映える稜線を見上げながら、これからの南岳新道のルートについて指南を受ける。

左画像中、ピーク状に見える個所に向かい標高差、約600メートルを急登する
槍平小屋前より南岳新道・南岳西尾根と南岳を見上げる
(下画像は正面ピーク状地点から撮影)
槍平を発つと、これからが今日の本番。

すぐに2,100メートルと書かれた小さな手製標識。

南沢を横切り尾根に取り付くと木製、アルミ製、鉄製ハシゴ等取り混ぜ、樹林帯をひたすら急登。

2,200メートル標識以降も、基本的に200メートルごとに同じ標識あり。
(南岳小屋の標高は約3,000メートル)

笠ガ岳〜抜戸岳と奥丸山稜線
笠ガ岳〜抜戸岳と奥丸山稜線
(右俣谷に赤屋根の槍平小屋と、画像中央に沖田さんに教示してもらったダケカンバ)
槍平小屋設置の救急箱と中岳方面 指南いただいたダケカンバまで来ると笠ガ岳はずいぶん低くなり、そればかりか大きく展望が開け黒部源流域の山々も勢ぞろい。

眼下には槍平小屋の赤屋根がはっきりと見える。

右手に見えだした滝谷の大展望(表題画像)を得ながら歩くと槍平小屋設置の救急箱。

ここで標高、2,600メートル。

この眺望に気をとられ過ぎると、やせ尾根の歩行に支障をきたしそうなほどで、
足元はいつもしっかり確認しながら歩き、周りを見回すときはしっかり立ち止まってから見る。


2,700メートルにはこんな案内板がある。

登りに関しても、ひとまず急登はひと段落するものの、このあとも決して安易に考えてはいけない。

木道もある西尾根からは、とにかく滝谷の風景が圧巻。

のんびり行こう。

残り標高差はまだ300メートル。
2,600メートル地点には槍平小屋設置の救急箱がある 右奥は中岳方面
2,700メートル地点のコース案内板
2,700メートル地点のコース案内板
しばらくこの大観を楽しみながら歩いたら、ハシゴを使い一旦、南沢へトラバース気味に少し下る。

左手の沢(南沢)から上がってくるルートが確認できるが、どうやらこれは旧道らしい。
(現在は通行禁止)

合流後は旧道の通り進み、『あと40分』と書かれた岩を見て沢上部を急登。
迫力満点の滝谷方面を見る(あ)
迫力満点の滝谷方面を見る(あ)
槍の穂先が姿を現す 大岩のバンド状のトラバース直下が標高2,800メートル。

丸太の掛けられたトラバースをこなし、再び尾根に出ると『スグソコ』の大岩。

ところが、この岩がちょっと曲者だ。

小屋はすぐそこではなく、意外に時間がかかる。
中岳の右に槍の穂先が姿を現す
(左は薬師岳、鷲羽岳)
左手の中岳や正面の南岳は大きくなり、やがて中岳の右肩に槍の穂先が姿を現せれば、これまでの苦労は一気に吹っ飛んだ。

画像では穂先はずいぶん小さい印象だが、肉眼で見ると天を突く鋭鋒はとてつもなくデカく、感動の一瞬だった。
右に滝谷、左は槍の最高のシチュエーション。


テン場に着いたのは15時過ぎ。

槍平から都合、3時間半を費やしようやく到着した。

15時といえば遅い到着の部類なので、もちろんフラットな場所などあるはずもない。

テン場最上部の草付きを今日の寝床として幕営。

傾斜地の上、背中に石があるも仕方なし。






南岳のテント場
9月20日、南岳のテント場

手前中央が我がテント
南岳HPより無断転載
獅子鼻より黄昏の滝谷、穂高連峰
獅子鼻より黄昏の滝谷、穂高連峰
(西穂高岳稜線の彼方に乗鞍、御岳)
遥かに富士山を望む
遥かに富士山(左上)を望む

夕景は獅子鼻で見た。

落日間際の滝谷はなかなかの色を見せていたが最後はぼやけてしまい、いい色にはならずじまいだった。

our tentと笠ガ岳、白山 テントの彼方には蒲田川を隔てそびえる笠ガ岳と、遥かに位置する白山がすぐ手のとどきそうなところに見えていた。
our tentと笠ガ岳、白山

◆【第二日、三日、9月21〜22日の記録をみる


パタゴニア


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