扇ノ山 (山頂付近には見事な若ブナの純林帯も)  

風の広場・展望台から、山頂付近を望む
◆【山行日時】 2001年7月14日  晴れ
◆【コース・タイム】

姫路公園コース・登山口=25分=右の谷からのコース合流点=20分=扇ノ山山頂

(=15分=大ズッコ=15分=扇ノ山山頂)

=30分=登山口
◆【正味歩行時間】 1時間45分

◆【詳細】
いつ梅雨が明けてもおかしくない状況のもと、フェーン現象で何とも言えず蒸し暑い山陰の扇ノ山へ。

本来、八東町の”ふる里の森コース”から山頂へ向かう予定で車を走らせたが、ふる里の森まで来てみると登山口へ通じる林道には『通行止め』のバリケードがしてある。
管理人さんに確認してみると、未整備のため
「車での通行は無理」
とのこと。
ここに駐車して歩き始めてもよかったが、そうすると歩行距離が長くなってしまい、今の時間を考えると、もう少し短時間で戻りたかったので、郡家町、姫路から河合谷林道を利用、当コース登山口へと向かうことにした。

気持ちは焦るが、なかなか遠い。
風の広場展望台を過ぎ、もうしばらく走ると林道はT字路となり、左右どちらの道もとんでもない地道で、車では到底走れそうにない。
「こんなはずじゃー?」

思わぬ時間がかかっていたのと、他に駐車車両がなく、少し気持ちに動揺があったのだろう。もう少し辺りを見回せば登山口を見つけられていたようだが、躊躇なく引き返すこととし(実際はここに駐車して左へ進めば登山口へと出れたようだ)、
結局、展望台の少し下の”姫路公園コース”で山頂へ向かうことで落ち着いた。
「こんなんなら、ふる里の森から歩いた方が早かったかな?」
姫路公園コース登山口
「やっと登れるワ」
時間は11時を回ってしまった。

しばらくは沢沿いの道を進む。下草が茂って少し足元が見づらいので注意しながら歩く。沢を何度も渡りながら進んでいくと、やがて沢と離れ尾根道となる。
沢沿いに咲く、ヤマアジサイ
急登だ。
しばらくは急登が続き、登山道の傾斜はその後も緩急を繰り返しながら登って行く。
暑くて、汗が吹き出る。
周りの木々は徐々に低くなり、やがてブナの樹も目に付くようになってくる。右の谷からの登山道(?)を合わせると傾斜も緩くなり、ようやく開けた場所に出る。
丸太造りの登山道を急登する
ところが、この辺りから登山道は苦手の丸太造りだ。どうも歩幅が合わない。同じ方の足ばかり踏みあげるようになってしまうので、故意に歩調を変えるよう工夫しながら進む。

相変わらずの急登だが、周りにはブナの古木が沢山現れ、右手のその合間からは氷ノ山の稜線も姿を見せてくれるようになるので励みにしよう。やがて山頂手前のピークに出ると平らな所を歩くようになる。
ここまで来ると、もう山頂に着いたも同然だ。沢山のモンシロチョウ(?)も飛び交い、出迎えてくれているようだ。

最後の上り坂をこなすと、避難小屋が見え、山頂に着く。
氷ノ山〜三ノ丸と陣鉢山(右手前) 樹間から鉢伏山
山頂からは南東に氷ノ山が大きい。

しかし、ここは展望云々よりも、小屋自体が特筆に値しそうだ。
外観はガラスをふんだんに使って素晴らしく、内に入ってみても
「内は暑いやろナー」
と、外で想像していたのとは雲泥の差で、とても涼しく気持ちいい。特に2Fは明るく開放感もあり、とてもいい小屋だ。
山頂避難小屋
厳密にいえば、ここは鳥取県なので、北へ伸びる稜線上の兵庫県のピーク、大ズッコまで足を伸ばすことに。
テラスから鳥取市街地を俯瞰する
氷ノ山山中の”仙人門”のような樹をくぐって下って行くと、すぐに鳥取市街が一望できる立派なテラスがある。この方面の展望は山頂よりも優れているので、ここで食事を摂るのもいいかもしれない。
畑ヶ平高原への分岐があり一度コルへ。ここから大ズッコにかけての若いブナ林帯は
「お見事!」
の、ひと言。
若ブナの純林帯 大ズッコ
大ズッコからは残念ながら思ったような展望は得られなかった。渋々、山頂へと引き返す。
テラスで、先ほど山頂でも会ったおじいさんと、景色を見ながらしばらく談笑。

山頂で少しゆっくりした後、来た道を引き返す。

丸太造りの道は、下りでもやはり歩きづらい。ブナ林が姿を消すと雑木林の中を下るようになる。スリップに気をつけながらグングン下ると、やがて沢の音が聞こえてきて沢沿いの道となり、しばらくすると登山口に出る。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
登山道は、沢を離れ尾根道となってからは急登が続く。

山頂からの眺望はあまりよくない。
が、
「一度はあの立派な小屋に泊まってみたい」
と、思わせる何かがある。(独断と偏見)

扇ノ山〜大ズッコ間のブナの純林帯は素晴らしい。

◆ふるさとの森からのコース・データはこちら


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