扇ノ山(八東町・ふるさとの森より)
扇ノ山

尾根上より扇ノ山を望む
◆【山行日時】 2001年10月27日  晴れ
◆【コース・タイム】
ふるさとの森・駐車場=35分=登山口=50分=扇ノ山山頂

(=4分=展望台=4分=山頂)

=32分=登山口=35分=駐車場
◆【正味歩行時間】 2時間40分


◆【詳細】
鳥取県・八東町、ふるさとの森より扇ノ山へ。

ふるさとの森・駐車場に駐車して、かつては車でも通行出来た地道の林道を行く。
それにしてもこの辺りのブナの紅葉は今が真っ盛りで林道からでも十二分に楽しめそうだ。
ふるさとの森・駐車場 林道付近の黄葉
ふるさとの森・駐車場(左画像)と林道付近の紅葉
「わざわざ上まで行かんでもよかったん違う〜。」
なんて思いながら、リュックに付けた三脚を思い、
「もしかして、山頂付近の紅葉が終わっていれば重い目をしただけにかるかも・・・。」

紅葉の時期なので確かにそれも楽しみだが、
「いいお天気の日に山に登れればいいじゃないか。」
などと青空に目をやり、変に自分自身を納得させながら歩を進める。

山肌は赤や黄色、植林の緑も混じり一面に巨大な絨毯を敷き詰めたようだ。

森を抜けると、後方には東山が形のいい姿を見せるようになるので、たまには振り返ってみよう。左手上方に河合谷林道を認識できるようになると、やがてそれと出合い、直進すると間もなく大きなケルンや案内板の建つ登山口だ。
林道・登山口
登山口
登山道となると、始め自然林の紅葉も見られるが、それもすぐに終わる。
代わりにスギの木が現れ、おまけに足元は苦手の丸太造りの道と来ているので、勝手な言い分ながらあまり楽しくない。

小さな沢を立派な木製の橋で渡り、二度目にほんの少し小さな沢を同じく立派な橋で渡ると、ここからは急登だ。
丸太造りの道の急登で足にこたえるが、尾根に出るまでしばらく我慢のしどころ。
尾根へ急登
尾根へ急登する
左手、姫路公園コースの尾根の彼方に大山や後方に那岐連山が見える箇所があり、ここまでくると尾根まではもう少しなので頑張ろう。

やがて尾根に出ると右手に青が丸や仏ノ尾が立ち枯れとなった木々の合間から見えるようになる。
右下には畑ヶ平高原も見え、正面には扇ノ山山頂の避難小屋も確認できるようになる。

1,194への上りになると後方には氷ノ山も大きな姿を見せてくれ、ササ原を抜け大きなブナ林のある1,194に着くと更に大きく眺望が開ける。
1194付近のブナ林
1194付近のブナ林
ところが、ここで歩き出した頃心配していた三脚の一件が現実のものとなってしまった。
登山口付近では紅葉していた木々も、ここまでくるとほとんど落葉して葉っぱの葉の字もなかったのだ。

しかし、
「何もふさぎこむことはない。」
「見事に大展望が広がってるではないか。」

ここはこのコース上では最も展望が利く場所でもあり、こと南面の眺望に限れば山頂よりも遥かに優れている。
「折角重い目をして持ってきたのに、ここで使わずして、いつ使う?」
「今こそ出番

三脚をフルに活用し、しばらく撮影に興じる。
「これで何とか重い目は帳消しになった。・・・かな?」
氷ノ山〜三ノ丸 山頂避難小屋 那岐山遠望
氷ノ山〜三ノ丸と
三室山、陣鉢山(手前)
ふるさとの森の谷を俯瞰
遠くに東山
那岐連山遠望
大展望を存分に楽しんだら山頂へ向かおう。

”山頂まで300m”標識が現れると最後の急登が待っているが、もうひとふんばり。
喘ぎながら登ると小屋が見えてきて山頂に着く。
山頂避難小屋 山頂避難小屋
山頂の避難小屋
今日は学校が休みなことや、明日の天気予報があまり芳しくないこともあり、山頂の避難小屋前には次々に人が登って来る。
多くの人が紅葉が目的のようで、ちょっと残念そうなことを口にしている人、自身と同じように三脚を持った人も何人か見受けられ、
「考えは皆同じだ。」
と、納得。

数個あるベンチには座り切れず、地べたに腰を下ろす人もかなりいたりで大賑わいだ。

また、子供はどこででも元気なもの。
小屋の中からは集団で来た子供達のドタバタする足音や賑やかな声。
ただ、それもこの情景の中ではほとんど気にならないのだから、大自然は子供のパワーにも勝るということ。大したものだ。

ベンチに腰掛け青い空や周りの景色(三川山、丹後半島、.妙見山、鉢伏山、.氷ノ山、三室山、等)を見ていると
「そんなことはどうでもいい。」
周りの人たちも皆、一様のよう。

それもそのはず、大人たちもご馳走を作ったり昼寝をしたり、ある意味バタバタして忙しそうだ。

「景色はいいし天気も最高。自分のご馳走はこれで満足!」
としよう。
烏ヶ山、大山、矢筈ヶ山 大遠望
避難小屋・二階展望所より
大山を望む
お腹も大きくなったところで、北へすぐのところにある展望台へ足を運んでみた。
山頂にいた人から隠岐島も見えると聞いたからだ。
展望台からは鳥取市街や湖山池。聞いたとおり日本海の彼方には隠岐島の島前、島後の両島。
これだから西側、遠くには当然、大山も見えている。
再び山頂に戻っても、皆のんびりで、まだ賑わっていた。

靴を脱いで(土足厳禁です!)二階の展望所へ上がってみた。
ガラスをふんだんに使っているので小屋の中とは思えないほど明るく気持ちいい。
屋外よりほんの2、3メートル高いだけなのに展望も良くなり、
「う〜ん・・、まーこの際100点満点にしておこう。」

ゆっくりしたら下山しよう。
氷ノ山や青が丸と重なった鉢伏山が見えて何とも名残惜しい。再度、大展望を楽しみ1,194を過ぎると展望はなくなる。
氷ノ山
氷ノ山
尾根を外れるとしばらく急な下りとなり、右手に大山や那岐山を見ると遠望は終わり。
やがてベンチのある二つ目の小さな橋まで下ると傾斜は緩くなる。
もう一つの橋を渡り、なおも下ると沢音が大きくなり自然林が現れると登山口だ。

あとは紅葉を楽しみながら林道をのんびり歩こう。
駐車場近くまで下山し、木立ちの中を歩くようになると下に遊歩道が見えてくるので降りてみよう。
少しのことで林道からの景色とは随分違い、思いもよらぬ深山幽谷を味わえる。

やがてはふるさとの森へと導かれるので歩いてみるのもいいかもしれない。
『ふるさとの森』付近の渓谷美
渓谷をブナ林が取り囲む
ふるさとの森まで戻れば駐車場はすぐそこだ。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
ふるさとの森から登山口までの林道は諸車通行止め。

軽四の四駆車なら途中までは通行できなくはないが、河合谷林道とのT字路手前に大きく道がえぐれた所があり、引き返すことになる。

このためオフ・ロードバイク、徒歩のみ通行可。

登山口へは河合谷林道を経由すると直接入山できる。

姫路公園登山口、風の広場・展望台を過ぎ、さらに東進するとT字路に突き当たる。(ここまで舗装路)
地道となった道を左折すれば(すぐの所がかなり荒れているので、四駆車のみ通行可)間もなく登山口がある。
乗用車の場合T字路付近に駐車。(1、2台)

T字路を右折すればふるさとの森だが、前記の通り通行不可。
◆【ちょっと寄り道】
大鹿滝、出合いの滝、雲龍の滝 (画像は雲龍の滝 '07.6.02撮影)

雲龍の滝

ふるさとの森手前(少し南)から東へ延びる細い道(標識あり)を進み、つづら折れの道を駆け上がると広留野高原。
高原を少し走り、駐車後さらに徒歩で遊歩道を下って行くと大鹿滝がある。

この滝は立派な滝壷を持った滝で、滝口から滝壷まで太い糸を引くように一気に流れ落ちる容姿は大変均整がとれたもので兵庫県内では見ることはできない。

その容姿ゆえ裏見もできるので、時間に余裕のある方はちょっと足を伸ばす価値あり。

07.06.03追記
大鹿滝のさらに先(下流)には出合いの滝と、二俣の右股上流には雲龍の滝もある。

◆【画像一覧はこちら

◆姫路コースからのデータはこちら


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