奥大山・烏ヶ山カーラ谷、テレマーク・ツアー

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1,394(GPSより取得)より烏谷越しに烏ヶ山、大山東面を望む

◆【ツアー日時】 2003年4月13日  快晴

◆【コース・タイム】

新小屋峠先・登山口=1時間40分=1,394ピーク〜<滑降>〜カーラ谷下部

=30分=南峰下部・滑降地点〜<滑降>〜カーラ谷下部〜<滑降>〜環状道路=5分=鏡ヶ成野営場

◆【正味歩行時間(滑降を除く)】 2時間15分

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◆【詳細】

先月の大山テレマーク・ツアーに続き『ぴあんぴあの』のみんなで烏ヶ山テレマークツアーに出かけた。

今回のツアーは、宝珠尾根からユートピアに上がり振子沢を地獄谷へ向け滑降、駒鳥小屋付近から駒鳥峠へ登り返し、環状道路・登山口への大山屈指のツアーコースを巡る12日と、烏ヶ山東面を滑る13日の二日間だったが、一日目(12日)は参加することが出来なかったのでペンションオーナーに無理を言って、二日目(13日)のみの参加を許してもらい、前日、宵のうちに大山に入った。

あいにく初日(12日)は雨、風、ガスと三拍子揃った最悪の天候だったようで、折角のビッグ・スケールを誇るツアーコースも、植木氏から
「幻想的なブナ林が最高だった。」
との言葉を聞くのがせいぜいだった。
オーナー永登氏、U氏、T氏三名は去る16日、快晴の空の下、見事にリベンジを果す

明日は天候も回復しそうなので、気を取り直し(たかどうかは不明)夕食の野外バーべキューで盛り上がる。

見上げると月が煌々と輝き、明日の天気を約束してくれているようにさえ感じたが・・・。

鏡ヶ成より烏ヶ山・南峰を望む
鏡ヶ成より烏ヶ山・南峰とカーラ谷

翌早朝、外へ出てみると―
予想に反し、曇っていた。

朝食を済ませ麓のコンビニに立ち寄り、鏡ヶ成へと車を走らせる。

正面にこれから登る烏ヶ山と、先日登った駒鳥峠やキリン峠から一気に立ち上がり荒々しい様相を見せる南壁とが目に飛び込むようになると、鏡ヶ成へ向け緩やかに上るようになる。
春霞のせいだろうか、少し靄ってはいるものの上空にはきれいな青空が大きく広がり、これからの天気の心配はすでに無用だ。

知らず知らずのうちに稜線が低くなり、烏ヶ山が正面から左手近くに大きく見えだすと、やがて鏡ヶ成に到着する。

下山時用の車を野営場にデポし、もうしばらく倉吉方面へ車を走らせると登山口だ。

登山口
登山口 正面の小さな谷を登る

駐車地点から小さな沢を登り始めるとブナ林の点在する林間の登高がしばらく続く。

残雪豊富なのでルートに頭を悩ませることはなく、ブナの息吹や柔らかな春の日を感じつつ緩やかに登る。

やがて頭を覗かせる烏ヶ山の山頂部ドームは辺りの穏やかな風景を見せるブナ林とは対照的で、一際異彩を放ち我々を出迎えてくれる。

やがて烏のドームが見えるようになる ブナ林帯を緩やかに登高
異彩を放つ烏の山頂部 ブナ林帯をシール登高

さらにもうしばらく気持ちの良いブナ林を気持ちよく登り、山頂が見えなくなると左手に見える尾根を緩やかに巻くようになる。次第に傾斜が増し尾根に出ると、再び山頂ドームや遠く三鈷峰〜振子山方面の眺望を得ることが出来るようになる。

しかし、眼下に見える烏谷の光景は何とも異様だ。狭い谷を取り巻くもろい岩盤は見ているうちにもガラガラと崩れ、
「よくもこれで尾根がなくならないものだ。」
と不思議なほど。

尾根に出ると烏のドームが、より間近になる ブナ
尾根上からドーム状の山頂を見上げる ブナとカラス
パタゴニアオンラインショップ 1,394ピーク下より大山東面
大山東面の眺望

急な斜面を斜登高するとブナ林を抜け雪原を登るようになる。やがて東方面の眺望が利くようになり鏡ヶ成を俯瞰できるようになれば1,231ピークは目の前だ。

1,394へ最後の登り
ピークへ向け急斜面を登る

ピークまで来れば一気に展望が広がり ぐるりと見事な眺望を得ることが出来る。

正面に烏のドーム、右手から後にかけてまだまだたっぷり雪を蓄えた大山東面(表題画像)が大パノラマとなって目の前に広がる。

大山東面の眺望
烏谷と大山東面

案外小さく見える三鈷峰の三角錐は以外だが、印象的なのはその左手、象ガ鼻から手前に延びる振子沢上部の斜面。下方、V字谷の様相を呈する地獄谷は落石もあるようでとてもいい斜面とはいえないが、その上部の広々とした振子沢には雪が豊富で、気持ちのよさそうな斜面が広がる。

目を凝らせば振子沢源頭斜面にはきれいなシュプールも見ることが出来、人が数人。

「あそこを、滑ったんだ!?」

昨日の参加者は昨日とのあまりの天候の違いにキツネにつままれた面持ちで自分たちのシュプールを探しているようだった。

矢筈ヶ山、小矢筈
大休峠から矢筈ヶ山への稜線

荒々しい様相の大山東面とは打って変わり振子山からさらに北方面は緩やかな稜線を見せ、矢筈ヶ山、小矢筈が仲良く肩を並べる。

最後にもうひと踏ん張りすれば1,394ピークに立つ。

今日の目的はあくまで滑降。
「Let's go!」
よほど昨日の鬱憤が溜まっていたのだろうか、準備が出来るや否や、次々に眼下に見える谷に向け一気に下って行く。

「早い早い」

下手くそな自分でも、あっという間にブレイク・ポイント到着。

鏡ヶ成を見下ろしながら食事の後、しばらくのんびりしたら左俣を滑るべく南峰尾根を直登。

ブナ 蒜山方面をみる
ブナ
滑降地点より蒜山方面
(右に小さく前ちゃんと下川さん)


ツボ足でしばしアルバイト。南峰直下を滑降ポイントとしブレイク・ポイントまで滑降。

「やっぱ早い!」

鏡ヶ成を俯瞰する
左俣より鏡ヶ成を俯瞰

皆と合流し、傾斜の緩んだ沢筋をツリーラン。

余韻に浸り滑走すれば、やがて環状道路に出る。短く歩けば野営場・駐車場に着く。

◆【編集後記】

今回も先月の大山ツアーに続きペンション ぴあんぴあの 主催ツアーに参加したもの。

二度目の参加ということもあり和気藹々のうちに山行が終わってしまったが、再会を誓い今年度最後のツアーの締めくくりとした。(現時点)

◆【ワン・ポイント・アドバイス】

今回の登山口は大山をホーム・フィールドとする永登氏ならではの場所。
(新小屋峠をもうしばらく倉吉方面へ走り、道路脇に数台駐車できる箇所)

滑降したカーラ谷、適度の傾斜の一枚バーンが広がる。
右俣、左俣があり、より南峰に近い左俣の方が距離は長く出だしの傾斜は急。

例年なら4月第3週で雪が切れるが、今年は残雪豊富なのでもうしばらくは滑降可。(永登氏談)

下部のツリーラン、余韻を楽しみながらも気を引き締めて最後まで滑ろう。


◆【鏡ヶ成国民休暇村からの画像 (南峰の右に見える二つの雪面が滑降斜面)


◆【03.03.23 『ぴあんぴあの』 大山ツアーの模様はこちら


◆【画像一覧はこちら


これまで当ルートでの登高を経て立つ烏ヶ山北方稜線上のピークを1,231ピークとしていましたが、04.03.28の際、携行したGPSによるとそこの標高は1,231mでなく1,394m(GPSより取得)であることが判明しました。

この標高差は誤差の範疇を逸脱しており軌跡等も含め再確認したところ、このピークは1,231mピークではないとの見解に達しましたので、ここに訂正致します。04.04.03



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