伯耆大山・林間滑降(パウダー・ラン)
Break point にて

Break point にて
◆【山行日時】 2004年3月7日  雪


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◆【詳細】

昨年に続き、『ペンション ぴあんぴあの』のみんなと大山にテレマークツアーに出掛けた。
下山駐車場で
当初は昨年同様、六合目の上方辺りまでハイクアップして行者谷へ滑り込み、その後、元谷でしばらく遊んだ後(?)下山の予定だったが、当日朝、昨日から降り続いた春の大雪を目の当たりすれば、今日の予定変更は当然のことだった。

変更後の行動予定は、夏道通しである程度まで上がり、まず左の常行谷に滑り込み、その後、夏道に戻り右の環状道路までブナ林を縫って滑り降りるか、あるいは、後者のみの滑降で終えるかだったが、いずれにしても、雪の降りしきる天候を前にしては、林間コースを選択するほか滑降の手段の無いことは解り切っていただけに、少なからずワクワク感に欠けていた・・・。

入山準備中の下山駐車場ではほんの一瞬、晴れ間も顔を覗かせこのあとの天気回復に一縷の期待を持たせたが、
「そう甘くはない。」夏道を行く

折りからの雪でか細くなってしまった夏山登山口より登り始める。こんな状況にもかかわらずしっかりとトレースがあるのは、いかにも人気の山の証し。
植木さんがトップを歩いてくれたこともあり、むしろ雪の無い時期よりも歩き易いほどだった。

二合目下まで登ると、
「美味しそうな斜面なのでちょっと味見してみましょう。」
植木さんの一言で、右手のブナ林にまず滑り込む。

ここが大山であることを感じさせないほどのパウダー。
密に見えた樹林帯も、中に入れば以外とそうでもなく快適だ。
「すッすっごい、いいですね。」
植木さんのこの言葉はホンの短いモノながら、今日の雪のコンディションを的確に現していた。

この後の滑降にも期待を持たせる一本に、夏道に戻ったら胸躍らせつつ上を目指す。
三合目辺りからはツボ足に切り換える。傾斜は次第に増すものの、見上げるほどの階段状の登山路がすっかり雪の下となったこの付近での歩行は夏のそれよりもずっと快適だ。

しばらくすると、ようやく先ほど一本滑った際、滑り込むことなく先行していたボーダー達の後ろ姿が見えてきた。
右に見えるブナ林帯の傾斜も徐々に増してき、今にもよだれが出そうな顔をしてそれを眺めながら登高していた植木さんが皆に声を掛ける。
「ここから滑りましょう。」
どちらかと言えば、待ち切れず思わず声を上げたようにも見うけられた。
標高はそう高い地点ではなかったが、これ以上登っても傾斜は増すばかりだし、やがて樹々が無くなると吹きさらしにもなり滑降するに当たっては他の心配事も出てくるばかりなので、ここをドロップ地点と判断したようだ。

このポイントとて決して視界は良くなかったが、 左の常行谷源頭部付近、右のブナ林帯、左右どちらにでもドロップ出来そうな場所であることは確かだった。
傾斜に関しては左右どちらを選択しても同じ程度だったが、常行谷方向は疎林だったのに対してブナ林帯方向は思った以上に大木が密に林立していることから、右のブナ林帯に滑り込むことにする。

弱層テストの結果を踏まえ、
「滑り込みは、必ず一人づつ。下方で待機する際は大きな樹の下方で。」
こう約束し、いざ、ドロップ。

これがパウダーだ
先ほどの一本目よりも傾斜が増した分、スキーも走りスピードアップ。
「快適、快適!!
雪の中を泳いでる。
この浮遊感。
「たまりませんッ!!!
ブナの巨木を縫ってパウダー喰いまくり。
特製チョコ・フォンデュを頬張る植木さん
しばらく泳いだら、遅目のブレイク。

スキーで辺りを踏み固めて居場所とするも、一歩ツボ足で踏み外せば
「こりゃ大変。」
お腹付近までズッポリ。元の場所に帰るにも
「フーフー、ゼーゼー。」
ここでも泳ぎまくってしまった。



環状道路へ下山(左から鳥取・谷口さん、米子・足立さん、植木さん、高砂・足立さん、永登さん、兵庫山崎・??さん
樹氷を見ながらのんびりしたら、環状道路へ向け、もうひと滑り。
最後に現れる雪壁を慎重に下りると環状道路へ出て短い山行は終わった。

決して長距離に渡っての滑降は出来なかったが、これまでに経験したことの無い浮遊感を体験でき、それなりに満足の行く山行になった。
「ワクワク感の代わりにフワフワ感を存分に体感した山行」
だったと言えそうだ。


折角、大山まで来たのだからと、この後、姫路から同行のAさん、米子の同じくAさんと共にもうひと滑りするべく桝水高原スキー場へ。

すると・・・、
左のリフトが運行休止だったこと。一日中雪が降っていたこと。その他の条件も重なり、ほとんど踏み跡のない気持ち良さそうなバーンがリフト左に残っていた。
もう少し傾斜があれば山行で体験した以上の浮遊感も望めなくもなかったが、ゲレンデでもこれだけのパウダーに遭遇できれば文句の付けようは無し。

何本か滑ると、これまでほとんどヴァージンスノーは三人のシュプールでギタギタに。

ゲレンデをあとにしたらペンションに立ち寄り帰路に着いた。


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