◆【山行日時】 2003年7月20〜21日
◆【コース・タイム】
□ 7月20日 曇りのち雨、宵のうち晴れ
中の原スキー場下・駐車地点=10分=大山寺橋・登山口=1時間15分=六合目=55分=山頂・避難小屋
□ 7月21日 ガスのち時々晴れ
山頂・避難小屋=40分=六合目=40分=元谷小屋=20分=大神山神社=30分=駐車地点
◆【正味歩行時間】
□ 20日 2時間20分
□ 21日 2時間10分
◆【詳細】
思い起こせば、この道を上りで歩くのは何年振りだろう?
今冬、雪のある時期には歩いたものの、かつて丸太の見える登山路を歩いてからはかれこれ10年も経っただろうか。
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野井倉橋で見た加勢蛇川の濁流 |
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地獄谷遡行は昨日からの豪雨の為、濁流と共にあっけなく水に流れたが、お陰で(?)久しぶりにこの道を歩くこととなった。
歩き始めてまず気付いたのは、登山路の掘れ込みが以前よりも更に深くなったこと。
丸太を使っての登山路整備は登山路の保護を考えればいたし方のないことだが、そのせいで以前にも増して丸太は増え、さながら階段を登っているようにさえ感じられるのは、何とも痛々しい。
これで歩き易くなれば一石二鳥だが、そううまくは行かず、以前にも増してきつい登りに思えたのは、しばらく振りに訪れたことだけが理由ではなさそうだ。
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2合目手前 |
ブナ林帯を徐々に傾斜を増しながら1合目、2合目・・・と登り、丸太が最も入り乱れて登山路を形成する4、5合目辺りを過ぎると、5合目のすぐ上部で元谷からの行者コースが合流。
周りに潅木の茂る深く掘れた登山路をもうしばらく進むと、ようやく展望の開ける6合目に着く。
好天時なら下方に見下ろす元谷を隔て、正面に三鈷峰や右手に北壁を望めるここ6合目だが、今日はあいにく下方のいくつもの堰堤を目にするのがやっとだ。
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大山の夏を代表する花、ナンゴククガイソウ |
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元谷俯瞰 |
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登山路脇の可憐な花々に励まされながら、やがて降り出した雨にも負けず黙々と歩を進める。
7合目を過ぎると木々は無くなり本来なら展望が利くが、この状況ではそうは行かない。
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雨中を行く |
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ノアザミ、シモツケソウ、ナンゴククガイソウ |
草鳴社ケルンや8合目標識を後にすると木道が現れる。
ここまで来れば山頂までの標高差はさほどではないが、頂上台地の一端に出たことで気が緩むのか、急に足にくることがしばしばある様な気がするので、最後にもう一度気を引き締め、濡れた木道でスリップしないよう気を付け進む。
9合目標識を見るとやがて避難小屋が見えて来る。弥山山頂は目と鼻の先。
我々の後に小屋を訪れる人はなく、今日の宿泊者は親子三代と思しき女子3名と単独の若い男子、そして我々男子2名の計6名だった。
夕刻、小屋の窓が明るくなったと思い外へ出てみると、薄暮の中に素晴らしい景観が広がった。
西の三瓶山から北の隠岐。もちろん剣ヶ峰や槍尾根は手を伸ばせばすぐ届きそうなほど近くにくっきりと見える。
「少し向こうの烏までだって、ヒョイと飛んで行けそう」
なほど、やたら近い。
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烏ヶ山 |
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弓ヶ浜 |
夕食後、去年は見れなかった東郷湖周辺でのちょっと間抜けな花火大会を小屋前から見て、しばらくした後、静かな夜を過ごした。
海の日の連休にもかかわらず、この立派な小屋をわずか6名で一夜を過ごせるとは思っても見なかった。
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弥山山頂にて |
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夜中の雨は凄まじかったが、風が強くなかったのがまだ幸いだった。
その雨も明け方近くにはなんとか上がったが、夜が明けてもガスは晴れていなかった。
今日に限っては、いくら粘ってもガスは晴れそうになかったので、朝食ののち早々に下山する。
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ナンゴククガイソウ |
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8合目上までは木道を歩き、木道が終わると急な下りとなる。
7合目付近からは潅木帯の花を見ながら下る。
6合目を過ぎ、しばらく下ると元谷への分岐があるので進路を右へ取り、急坂をグングン下る。
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あちらこちらで見られるヤマアジサイ |
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イヨフウロ |
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元谷へ下る |
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ブナ林と宝珠尾根 |
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ここでも山頂部の木道歩きと同様、スリップに十分注意しながら歩く。
雨は降っていないものの、乾ききらない丸太は足の踏み出しようによっては横滑りするので細心の注意が必要だ。
しばらく我慢して下ると、ようやく元谷に下り着く。
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元谷小屋より6合目を見上げる |
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元谷小屋 |
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天狗沢 |
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別山 |
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元谷まで下れば、後は観光気分で歩けるので気分もゆっくりし、しばらくのんびりしていると、ようやく北壁が姿を現せた。
全体をくっきりととは行かないまでも、最後に来てこの風景を見れれば、雨にたたられた今回の山行も有終の美としておこう。
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大神山神社 |
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僧兵コース |
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大神山神社境内からは僧兵コースを中の原スキー場方面へと下り、アスファルトの道をわずかに下り、駐車地点へと戻った。
この日(20日)、既に登って来た船上山はこちら
◆【編集後記】
前日来の豪雨で地獄谷釣行が不可能だった為、急きょ予定変更して10年以上振りで夏山登山道を弥山まで歩いた。
久しぶりに歩いてみると登山路の景観が以前とはずいぶん変わってしまい、時の流れを感じた。
また、今冬滑った地点を雪のない時期に見るのは初めてだったので、
「どこでも滑れるものなんだなー」
と、我ながらあらためて感心する山行となった。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
弥山〜剣ヶ峰〜天狗が峰の縦走は
「どうぞ、行って下さい。」
「ただ、事故があったときは自分達で携帯でもなんでも使って救助要請してくださいよ。」
「私は助けに行きませんから。」
とは、小屋番さん。
あくまで自己判断と自己責任で。
一昨年、逆縦走した際、
「もうこれで縦走するのは止めた方がいいかな。」
と、感じたので、今回はそうすることはもちろん眼中になかったが、
万が一その気になってもいけないので、弥山から目と鼻の先の三角点にすら足を向けず下山した。
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