三ノ丸〜氷ノ山
氷ノ山山頂の道標

氷ノ山山頂
◆【山行日時】 2003年10月5日  くもり時々晴れ

◆【コース・タイム】


坂ノ谷林道・登山口=20分=仙人門=25分=鳥取側・展望所=5分=三ノ丸・展望台

=45分=氷ノ山山頂=40分=三ノ丸・展望台=35分=登山口

◆【正味歩行時間】 2時間50分

パタゴニア

◆【詳細】

お盆の北八ツ・高見石を歩いて以来、久し振りで家族で山に出かけた。

家族みんなで出かけたのはそれなりの訳があり、ここ一ヶ月来の我が家の諸事情からのフラストレーションを一気に振り払うため、秋の空気を目いっぱい吸いに氷ノ山に向かった。


殿下コース・登山口へはR29より、しばらく林道を車を走らせる。

坂ノ谷・登山口を過ぎ、ブナ林の真っ只中を走るようになると、やがて殿下コース・登山口に到着する。
登山口 
先客2台あり。その内の一台から降り、今にも出発しそうな人は何処でやら見覚えのある顔。

顔は解るんだが、、、名前が・・・。

 「えーッと、誰だったっけ!?」
と思っていた矢先、向こうから先に声を掛けてもらいずいぶん失礼だったことを反省。

その人は、若桜氷ノ山Y・Hで何度かお会いした鳥取県若桜町のTさんだった。

ここは言わばTさんのお膝元とはいえ、こんなところでお会いするとは・・。何と世間は狭いもの。

仙人門しばらく談笑の後、身支度をし登山口をあとにする。

登り始めが少々急坂だが気になるほどのものではなく、黄葉にはまだ少し早いながら広葉樹の森を見ながらの歩行は気持ちいい。

大スギを過ぎると、やがて仙人門。(南側下方に沢水あり)

登山路に落ちた真っ赤なナナカマドの実を見ながら進むと、廻りの木々は低くなり、代わってササが主役となる。

ところで、ここまでに気になっていたのだが、登山路に付いた重機が通ったとも思われる痕跡。

「一体こんなところを何が通ったのだろう?」

素朴な疑問はこのあと坂ノ谷コースとの合流点に到着した際、明らかになった。

道標作成中の方々
そこには”痕跡の犯人”を引き連れた『しそう森林王国』の方々が居られ、道標を立てる準備をする真っ最中だった。

 「そうか、こうして道標は作るんだ。」

この類のものは人力だけで作っているとばかり思っていたので、小さいながらも重機に頼って道具や材料を荷揚げしていたことに、変に納得してしまった。

坂ノ谷コースと合流後はササ原を縫って緩やかに登る。

あいにく、辺りのササはずいぶん背が高く展望は利かないが、振り向けば奥播州の1000メートル級の山々がずいぶん低く見え、ここの標高が高いことを実感できる。

『見返りの丘』を過ぎると間もなく氷ノ山と鳥取側へのルートとの分岐。

ここは、一旦ルートを鳥取側へ取り、展望所で休憩。

家を出た時からここまで終始曇り空で、「最悪、山頂にガスでもかかり展望がなかったらどうしよう」と心配していたが、展望所からは見事に山頂が望め、ひと安心。

これでガスられ眺望が利かなかったら、フラストレーションは晴れるどころか募るばかりだ。

三ノ丸避難小屋展望所から北を望むと山頂は見えたのだが、それとは別に手前の展望台や少し右手の赤屋根の避難小屋が、やけに真新しい感じで目に入った。

「もしかして・・・」

しばらく休憩の後、山頂へ向かい出すと、予想的中。

まったくと言っても過言ではないくらい利用価値のなかった避難小屋はもちろん、かなり老朽化の進んでいた展望台も、見事立派なものに変身していた。
三ノ丸展望台
これにより、眺望などはこれまでと特に何が変わったと言うことではないが、どちらについても安心して利用できるようになったことには違いない。

その真新しい展望台から、西は大山、那岐山から南の小豆島、淡路島。北東の丹後半島、若狭湾までの展望を楽しんだら、間近に見える山頂へ向かう。
ナナカマドの実


 夫婦スギを過ぎ、山頂展望所や避難小屋の天辺が見えるところまで来ると山頂に向け最後の登り。

ササに視界を阻まれ、いささかモヤモヤするところもあるが、そこは我慢の上、振り返って三ノ丸方面の眺望で我慢しよう。

千年キャラボクへの道をを左へ分けると、間もなく氷ノ山山頂だ。

三ノ丸とは打って変わって大勢の人で賑わっている。
氷ノ山山頂
賑わっているといえば山頂に出来ていた立派な道標。

三ノ丸の小屋や展望台については改善の余地が大いにあったものなので、
 
 「役所も捨てたもんじゃないのか」。

と感じていたが、ここの標識に限っては
 
 「ウ〜ん、ここにはここまでの標識は必要ないのでは」

それは、こんな風に思わせる、いささかやり過ぎの感のある巨大な構造物だった。

昼食を兼ね、山頂や小屋の中でしばらくゆっくりする。

何時も思うのだが、「どうしてそんなに早く下山してしまうのだろう?」

兼ねてからの素朴な疑問に呼応するような人たちを、今日も沢山見かけた。

折角しんどい目をして登ってきたのに、もう少しのんびりすればいいのに・・・。

あまり時間がなく帰宅時間が気になるのだろうか。毎度のことながら、足早に下山する人たちの行動がどうも理解できない。


しばらくの後、ずいぶん静かになった山頂を後に三ノ丸へと戻る。

「それにしても、こちらのルートは静かなものだ。」

「どうしてこのルートを歩かずして下山するのか。ほんの1〜1.5時間もあれば三ノ丸往復できるのに。」
千年キャラボク
やはり納得できない。

山頂南の千年キャラボクに立ち寄って見ると、山頂の大きな道標に続き、またまたびっくり。

ここでは以前から少し大きなキャラボクを見ることが出来てはいたが、何と更に奥の巨大なキャラボクを見れるようにササ原をかなりの範囲にわたり刈り取っているではないか。

確かに奥にこんなに大きなキャラボクがあることは知らなかったので、それを見ることが出来るようになったのはいい事かもしれないが、いくらなんでも刈り払った範囲が広すぎやしないか。

そこまでして奥にあったキャラボクを皆が見れるようにする必要性はなかったような気がするが・・・。
山頂南より三ノ丸を望む
三ノ丸を正面に見ながらしばらく下り、天然スギを過ぎると三ノ丸が徐々に近くなる。
三室山と小豆島大遠望














出来上がった道標三ノ丸で再度、展望を楽しんだら下山する。

坂ノ谷コース分岐では往路、作成中だった道標が完成。

今日は好天に恵まれたので、それに従うまでもなく左へ進路を取り広葉樹帯を下る。

仙人門をくぐり、大スギを見ながら緩やかに下る。

林道へのもうひとつのルートを左へ分けると、やがて急坂となり、車の屋根が見えてくると林道に出る。

稀に見る見通しのよい日に山に出向くことが出来、蓄積していたフラストレーションは少しは解消した。


◆【ワン・ポイント・アドバイス】


西面から見た外観 東面上部、冬期出入り口
外観はこれまでと同じ 冬期出入り口
本文にも書いたとおり、三ノ丸の波賀町・避難小屋、展望台が見事に蘇った。

これなら冬期、利用価値は充分ある。

展望台もこれで、しばらくは現状を維持できるだろう。



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小屋内部
小屋内部の概要もこれまでと同じ



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