三室山 (県下第二、播州一の高峰)
氷ノ山方面を望む

山頂より氷ノ山を望む
◆【山行日時】 2001年5月13日  快晴
◆【コース・タイム】

県立野外活動センター・駐車場=25分=貯水槽・登山口

=25分=「山頂まで40分」標識=10分=ロック・ガーデン=18分=三室山山頂

=40分=登山口=15分=駐車場
◆【正味歩行時間】 2時間13分

パタゴニア

◆【詳細】
昨日に続き今年一、二を争うほどの好天の中、新緑の三室山に登ることにした。

清流、千種川の源流にそびえる三室山は、県下では氷ノ山に次ぐ第二の、また播州では最高峰の山である。

しかし、マイナーなイメージが強いのか、あるいは阪神間から少し遠く感じるのか訪れる人はそう多くなく、そのお陰で多くの自然が残されている穴場的存在である。

登山口にあたる県立、三室高原野外活動センターへは、千種町市街を抜け、尚も北進する。ちくさ高原スキー場への道を分け、さらに直進すると正面に大きな山容を見せてくれる。

河内集落を抜けると左手に三室の滝があり、もう少し先のT字路を右にとると野外活動センターだ。

駐車場の東屋で登山届を提出して登山開始。

管理棟脇を通り、ロッヂ村の中を抜けて行く。ここは、山頂も望め、周りには緑もいっぱいのとてもいい雰囲気のところなので、遠方から来る場合、前日泊にはおすすめスポットだ。
野活センター ロッヂ
野外活動センター ロッヂ村のロッヂと新緑
ロッヂ村を過ぎると道は二分する。どちらの道を選択しても変わりないので思うに任せよう。

「歌を歌いながら・・・」の標識につられ直進してみる。

林道のような道だが「歌を歌いながら・・・」、というよりも、「歌を聴きながら・・・」、の方が適切な標識なのでは、と勝手なことを思ってしまうほど沢山の種類の小鳥のさえずりが、耳に爽快感を与えてくれてとても気持ちいい。

やがて貯水槽のところで先ほど二分したもう一方の林道と合流する。

「山頂まで70分」の標識があり、沢沿いの登山道を進んで行く。

「同、60分」が現れ、沢を渡るとここからはスギ、ヒノキの植林帯のきつい登りとなる。

水場はこの沢が最後なので必要分をここで補充しておこう。

しばらくは展望の利かないきつい上りが続く。少し西側に回りこむようになると左手の樹間にわずかながら遠くの稜線が見えるようになり、もうしばらくするとようやく右手の開けた「同、40分」地点に着き、一気に南西の展望が開ける。
「山頂まで40分」地点からの展望
「山頂まで40分」地点からの展望
板馬見山と東に伸びる尾根越しに日名倉山
小休止の後、出発。

再び展望のない樹林帯のきつい上りだ。次第に自然林が多くなり、大きな岩がいくつもあるロックガーデン。

ここまで来ると周りの木々はほとんどが自然林となり新芽を吹いたばかりのその間からは扇ノ山や氷ノ山も見え出す。

急登の中、鎖場が現れると山頂はそう遠くない。

ササのトンネルを抜けると南面が大きく開けたパラグライダー離陸場に出る。この方向の眺望は山頂よりもむしろ良いので帰りにとっておこう。

間もなく尾根に出ると、あと百歩あまりで山頂だ。

山頂からは、ほとんど360度見える展望を存分に楽しもう。

北から右回りに―
扇ノ山、氷ノ山、妙見山、須留ガ峰山塊とその手前に藤無山、はるか遠くに粟鹿山、緩やかなスカイラインを描く播州高原と南端にアンテナを林立した暁晴山、その稜線の上にかすかに笠形山の姿、雪彦山塊、一番遠くに小さいながら印象的な明神山。

南には植松山稜線とその向こうに三角錐の黒尾山。

ほんの少し眺望の邪魔をするブナ林の向こうには三つコブの日名倉山、さらに板馬見山(後山)、駒の尾山、ダルガ峰稜線とちくさ高原スキー場の彼方に因美国境の那岐連山、鳥取の鳴滝山、東山で一まわり。
氷ノ山(右)、扇ノ山(左奥) 藤無山と須留ヶ峰、大杉山
氷ノ山(右)、扇ノ山(左奥) 藤無山と須留ヶ峰、大杉山
ちくさ高原スキー場と彼方に那岐連山 植松山稜線の向こうに黒尾山
ちくさ高原スキー場と彼方に那岐連山 植松山稜線の向こうに黒尾山
山頂三角点 鳥取の鳴滝山、東山、くらます(左から)
山頂三角点 鳥取の鳴滝山、東山、くらます(左から)
昼食を摂り、ゆっくりした後、下山する。登る際とって置いた、山頂から唯一見えにくい方向の南側の展望をパラグライダー離陸場で楽しもう。

植松山、板馬見山(後山)、日名倉山と千種川に沿った谷の展望が素晴らしい。

野外活動センターも眼下に手にとるように見え、新緑の中の赤屋根がひときわ目に鮮やかだ。
千種町を見下ろす 野外活動センターを俯瞰
河内地区と日名倉山 野外活動センターを俯瞰
この先、展望の利くのは「山頂まで40分」標識地点のみなので、そこから見える板馬見山(後山)、日名倉山、植松山で今日の見納めとしよう。植林帯の道はやがて沢沿いとなり貯水槽が見えてくると林道に出る。

来た道とは反対の林道を下山路とし、水場の少し下で植林帯に入って行くとロッヂ村最上部に出る。コンクリートの道を下ると駐車場だ。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】

鳥取県側からの登山道はないので、このコースで往復することになる。登山道は相対にきつい上りが続く。

山頂からの展望は素晴らしいが、縦走路が整備されていないのでピストンのみの山行しか出来ず、この山の魅力を存分に味わうことが出来ないのが少し残念。

兵庫県立、三室高原青少年野外活動センター


◆【積雪期のコース・データはこちら


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