黒尾山 (兵庫県下最南端の千b峰)
新宮町より

新宮町、曽我井橋より遠望(左は長水山)
◆【山行日時】 2002年6月23日  くもり
◆【コース・タイム】 
大国牧場上部・駐車地点=28分=林道・登山口=12分=黒尾山山頂

=10分=林道・登山口=22分=駐車場
◆【正味歩行時間】 1時間12分
◆【詳細】
兵庫県の千メートル峰で最南端に位置する黒尾山。
一宮、山崎町境の山頂へは一宮町安積から山中へ入って行くのが一般的なルートだが、先日来より地元紙、神戸新聞地域版でも取り上げられているとおり、山崎町の有志の方が山崎町野々隅原からのルートを整備されたことも手伝い、一度は登ってみたかったこちらのルートで『展望の山・黒尾山』に登ってみた。

一宮からのルートの場合R29を北上し、安積橋を渡ってすぐにある『黒尾山・登山口』の立派な標識を目印に山中へ入っていけば何の苦もなく登山口へと導かれるが、今回のこのルートの場合、問題となるのが登山口となる野々隅原・大国牧場までの道のりだ。

R29沿いの山崎町役場を右手に見て間もなくの信号を左折すると伊沢川沿いに蔦沢方面へ進むようになる。

しばらくは、沢沿いののどかな田園風景を見ながら山あいへと入って行く。R29とは違い交通量は極端に少なく、言わばこの谷沿いに住む住民の生活道路だ。

長水山を北へ回り込むと、田植えを終えた水田が広がりのんびりした雰囲気となる。

しかし、この辺りからが問題で、どこで右折して野々隅原へ向かう谷へと入って行くか・・・。

一宮側のような『登山口』を示す標識はなく、ここからは山頂方面もうかがい知ることが出来ないので、つい谷を奥へと入ってしまう。

のんびりした光景にうつつをぬかし、上ノ下にある河原山渓谷、延ヶ滝への小さな標識を見落としてしまうと、伊沢川本流が急にか細くなり、いつの間にか岩上神社まで到達してしまうことになる。
(実はそこまで行ってしまった)
小さな三叉路
上ノ下で右折し河原山川を遡る
岩上神社でUターン。河原山渓谷を示す小さな標識を目標に、下流の上ノ下から東の山中へと細い道を渓谷沿いに遡る。

これまでの水田地帯とは打って変わって渓流を右に左に見ながら、しばらく気持ちのいい深緑のドライヴ。

延ヶ滝を左に見てさらに深い緑の中を縫って走ると、やがて風情のある建物が見えてくる。大国牧場だ。

いつの頃からここで牧場経営をされているかは知る由もないが、この洋館風の建物はなんとも言えぬ趣があり、建物の前には創始者らしき人の胸像もあったりして、それなりに歴史を重ねたことを証明しているようだ。
大黒牧場 登山口
大国牧場の洋館 登山口
登山口はほんの少し直進した所。

しばらくは愛想のない林道歩きを強いられる。車ででも十分走れる林道にもかかわらず、駐車地点、林道起点には鎖がかけられているので車を乗り入れることは出来ない。工事関係者もしくは林業関係者のみの道らしい。
小鳥のさえずりを聞きながらしばらく歩き、前方に巨大な堰堤のようなもの(実際は堰堤ではなく、きれいに土盛りをしてあるだけのもの)が見えてくると登山口は間もなく。それを左から巻き、上部に出るとコンクリート製の小さな堰のある沢が見えてくる。

振り返るれば、ここは既にかなりの高度なので三角錐の日名倉山がきれいな姿を見せてくれている。三つコブの日名倉山も真東から見る格好なのでピラミダルな山頂部が印象的だ。
貯水池堰堤 日名倉山
堰堤もどきが現れると間もなく登山口 振り返ると日名倉山の三角錐(右は後山)
コンクリート製の小さな堰の所には真新しく立派な標識があるのでこれに従い登山道へと入って行く。
登山口
林道・登山口
尾根へは、ほんの短く急登すればすぐだ。

尾根に出れば一気に展望が開け、すでに『展望の山』に違わぬ素晴らしい眺望を得ることができるようになる。
ガスが垂れ込め青空こそ見えないが見通しは大変素晴らしく、瀬戸内海に浮かぶ家島本島や男鹿島は手に取るよう。小豆島はもちろん淡路島や四国までも。
すぐそこに見える林道と、開通のため無残に削り取られた赤い山肌が、唯一ここからの景観を損ねてはいるが、この際、近景には目をつむり遠景に焦点を合わそう。
明神山
尾根上から見る明神山と明石大橋
(目を凝らせば主塔が見えるはず・・・)
ここまで来れば山頂へはそう遠くない。右手に広がる展望を楽しみながら歩こう。

山頂までは林道・登山口からでもわずか600M。『山頂まで300M』標識を過ぎると雑木の中を歩くようになり、エゴノキの無数の白い花の落花を見ながら少しばかり急坂を登る。
巨大なコンクリートの構造物、無線中継所跡が見えると、あっけなく山頂到着だ。
北部パノラマ
北方面の展望
左から日名倉山、後山、植松山、戸倉峠方面の山をはさみ阿舎利山、三久安山、一山
北面の山々はガスのせいで展望が利かないものの、その分南面の展望は素晴らしい。

”無用の長物”の感の否めない無線中継所跡も、ちょっと怖い目をして恐る恐る梯子を伝い屋上に上ってみれば最上級の展望を得られる。
東望 雪彦山方面
無線中継所跡屋上より山頂を見下ろす
後方は播州高原
雪彦山塊の彼方に六甲連山
明神山 家島群島
明神山の彼方に明石海峡 男鹿島と家島本島
東から南にかけて―
アンテナを林立した暁晴山と雪彦山塊の彼方に見える六甲連山から明神山の右手の明石海峡や淡路島、鳴門海峡、四国へと地平線は続く。
ウツギ ヤマボウシ
ウツギ ヤマボウシ
山頂付近には白い花弁の花たち エゴノキ
エゴノキ
また、眺望のみならず山頂付近には名残の白い花弁の花も咲き、目を楽しませてくれる。

存分に堪能したら下山する。雑木を抜け展望の利く尾根からは再度、展望を楽しみながら下ろう。
尾根を外れると展望はなくなり間もなく林道に出る。
正面の日名倉山が低くなり、展望のなくなった林道をしばらく下ると野々隅原の登山口に着く。


◆【ワン・ポイント・アドバイス】

『展望の山・黒尾山』のとおり、頂上からの展望は素晴らしい!

今回はガスのため北面の展望がままならず残念ながら氷ノ山や三室山は見えなかったが、展望に恵まれると北の氷ノ山をはじめ南、瀬戸内海に浮かぶ男鹿島や小豆島も間近に見える絶好の展望台。


◆【一宮町からのコース・データはこちら


◆【ちょっと寄り道】
◇延ヶ滝

河原山渓谷上流の延ヶ滝は立派な滝かどうかは別として、道路からも滝口が見えるほどの至近距離に位置しているので、気軽に立ち寄れる。
延ヶ滝 延ヶ滝


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