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<落ち葉を使った土つくり (落ち葉堆肥)>

毎年、秋頃から準備し農閑期には土作 りを行っていたが新しい畑では周りが住宅になっており、周囲の生活環境を考えると・・・今までの馬糞堆肥を使っての土作りは臭気の関係で難しいように思え ます。そのため出来るだけ周辺に迷惑をかけない配慮から落ち葉堆肥作りを考えてみました。落ち葉堆肥は葉っぱに何も加工せずに土と共に寝かせて自然に腐熟 させて(腐葉)土に帰した物(腐葉土)ではなく、葉っぱに発酵材や有機・化学肥料等を用いて故意的に腐熟を促進させ、土に帰した物です。切り返しの手間が ありますが、比較的簡単に土作り用の資材として出来るのでご紹介したいと思います。


2007年12月16日(日)  晴れ後くもり <材料準備>
早速、落ち葉が必要になりますが偶然にも岸和田市の中央公園で落ち葉のリサイクル事業をやっており、そこから無料で調達することにしました。(体力や時間 のある方は無い方の為に出来るだけご自分で集めるようにしましょう〜)量的には不足していますが、初めての事もあり、これ位の量からスタートしたいと思い ます。(注意:あまり量が少ないと発酵熱が上がりませんので失敗します)

ところで、色々と調べていると・・・このような堆肥に適する落ち葉ってあるんですね。
一般に書かれている事は、
「ケヤキ、コナラ、クヌギ、クリなどは割合発酵させやすく、針葉樹(スギ、マツ、ヒノキなど)、モミジ、サクラ、イチョウなどは発酵しにくい事や微 生物生育阻害物質や油分などが入っていることから、時間をかけないとすぐには使えない」
と言う事があるようです。
また、枝などが多く入っていると分解が当然遅くなりますのでなるべく葉っぱだけのほうがやりやすそうですね。って言っても入るのは仕方ないので後で選別す れば良いでしょう〜〜

画像1)貰ってきた袋には一杯、落ち葉が詰まっています。作業員の方に感謝、感謝♪です。
画像2)5袋貰ってきました。
画像3)ブルーシートと杭を使って堆肥箱らしき物を作りました。下側は排水の為に開けておきます。(60x70x80cm位の大きさです)

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2008年1月5日(土) 晴れ  <0日目 材料仕掛け>
去年、準備が出来た物の・・・簡易物置小屋作りでこちらの作業は全然進んでいませんでした。早速、作業に取りかかりました。

画像1)10kgの米糠と発酵促進用のコーラン1kgを用意しました。
画像2)米糠とコーランの入った材料に全重量の1/4程度の水を用意し、少しずつ水を加えながら材料を良くかき混ぜました。塊は手で握って崩れる程度にし ています。
画像3)落ち葉が入った1袋目を入れて、

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画像4)その上に画像2で作った材料を満遍なくまぶして行きました。
画像5)それを1段目とし、順に落ち葉を積み重ねて行きました。(段間には画像2の材料を入れます。トータル7kgを使用しました。)
画像6)落ち葉が一杯入ってシートの周りが膨らんでいます。紐でシートの周りを抑えなければ破裂しちゃいます。

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画像7)ブルーシートは上フタが出来る長さを先に見込んでおくと作業が楽です。

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1月12日(土) 晴れ <7日 目 経過 確認>
仕込んでから2〜3日位でほんのりと温かくなって発酵しているようです。温度計を入れて測定すると、60度くらいありました。

画像1)温度計は60度を指しています。
画像2)表面には白い菌糸が一杯出来ていました。
画像3)今日は時間が無いので何もせず、ただ「見てるだけ〜〜」です。

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1月14日(月) 晴れ <9日 目 1回 目の切り返し>
後で気がついたのですが、米ぬかとコーランを混ぜこんだ発酵材が十分に落ち葉と混ざっていないと塊が出来ます。このような状態は発酵にムラが出来るのと、 肥料分が塊まって いるの で、施用に具合が悪いと思われます。そのため発酵材と落ち葉はあらかじめ、十分に混ぜ込んでおく必要があります。また、切り返しの際、堆肥と発酵の補助材 として 窒素系の油粕や鶏糞をそれぞれ1.5kgずつ気持ち程度に用意しました。それを 段毎に均等になるようにまぶしてかき混ぜ、1回目の切り返しを終えました。

画像1)外が冷えているので、もたもたしていると温度計は50度位まで下がっていきます。
画像2)いつのまにやら落ち葉の型枠が出来上がっていました。
画像3)中心部が一番の発熱源となっています。落ち葉の山を崩していくと・・・湯気が立ち上ります。

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画像4)崩しながら横へと寄せて、
画像5)積み直して行きました。このとき、乾燥しきっているので水を補給しながら積み込みます。なんだか周りの雑草も入っちゃった。
画像6)元の状態にして、再発酵を待ちます。

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1月19日(土) 晴れ <14 日目 2回 目の切り返し>
明日は天気が悪いとの事で2回目の切り返しを行いました。また、先週と同じく補助材として鶏糞と油粕をそれぞれ1.5kgずつ入れました。 60x70x80cmのサイズだから・・・え〜と336リットルに先週分とあわせて鶏糞と油粕がそれぞれ3kg、米ぬかが7kg入った計算になるかな?

画像1)先週の作業で・・・畑の土や雑草が入っちゃうし、かき混ぜにくいので別にブルーシートを用意してそこに入れるようにしました。
画像2)温度は57度くらいです。内部はもっとあがっているようです。
画像3)周りのシートを外しました。

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画像4)切り崩していきます。
画像5)以前として白い湯気が上がってきます。
画像6)菌糸がある白い部分と黒い部分が見られます。黒い部分は腐食が随分と進んでいるのかな?

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画像7)横に用意していたもう1枚のブルーシートで切り崩したのを受けています。
画像8)段ごとに同じように鶏糞と油粕をまぶし、よくかき混ぜます。
画像9)温度計を差し込んで、

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画像10)元の状態にして今日の作業は終了です。再び温度が上がるかな?

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1月26日(土) 曇り時々晴れ  <21日目 3回目の切り返し>
そろそろ1次発酵が終盤になってきたのかな?20度くらいしかなさそうです。しかし、落ち葉の中心部あたりは温度が高いようです。今日も均一な仕上がりに し たいため、切り返しを行いました。

画像1〜2)30cmの温度計ですが、引っぱり出して見ると・・・20度しか指示していませんでした。
画像3)切り返しの為に周りのブルーシートを外して

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画像4〜5)様子を見て、(黒ずんだ所や白くなった所があります)
画像6)均一な状態にするため、別なブルーシートに移し替え、撹拌しました。

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画像7)それを再度積み直して、
画像8)次の切り返しまで待ちます。

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2月2日(土) 曇り <28日 目 4回 目の切り返し>
先週、温度が上がらなかった原因としては、どうも水を入れすぎた感じですね。落 ち葉はカラカラに乾いている様子もないし、まだ全体的に水分がありそうです。嫌気性の発酵になると腐敗臭や余計な菌の繁殖が出て具合が悪いので、水分補給 はほどほどにして早速、切り 返しを行いました。

画像1)今日は40度くらいまで温度が上がっていました。
画像2〜3)段々と腐熟が進んでいるのかな?

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画像4)白い湯気が上がってきます。
画像5)横に用意したブルーシートの上でよくかき混ぜました。

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2月10日(日) 晴れ<36日 目  5回目の切り返し>
昨日切り返しを行うつもりでいたのですが、生憎の天気で作業が今日になりました。発酵の程度は弱そうな感じがしますので2次発酵になっているのでしょう ね。

画像1)昨日の雪がまだ残っていますが、
画像2)温度計を引っぱりだしてきたので38度に下がりましたが、まだまだ発酵しているようです。
画像3)枠の格好のままに落ち葉が落ち着いています。

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画像4)切り崩していき、
画像5)別のシートに受けていきます。随分と発酵熱で白くなっています。
画像6)落ち葉を積んだ中央部での発酵が盛んです。(白くなった部分)

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画像7)全部広げ終わってよくかき混ぜ、
画像8)再び積み直して
画像9)終了です。

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2月16日(土) 曇りのち晴れ <42日 目 6回目の切り返し>
ノコギリの刃のような温度の上がり下がりが段々と少なくなってきました。また、温度も下がってくる傾向があるので2次発酵も終盤に近づいてきたんではない かと思います。また、水分の発散も少ないようで落ち葉はほんのりと湿った状態です。この状態では水の補給は要らないと思いますので、今日は切り返しだけ進 めました。

画像1)20度くらいありましたが、撮影の為に温度計を引っぱり出したので下がりだしたようです。
画像2)温度計が30cmなので落ち葉堆肥の中心部の温度まで測れていません。
画像3)周りのシートを外すと・・・こんな感じになっています。

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画像4)最初の頃に比べると、色が黒くなって・・・葉っぱが潰れやすくなった感じがします。

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2月23日(土) 晴れのち曇り 時々雪<49 日 目 >
温度は先週と変わらず、20度のままです。今日は切り返しを行わず、様子だけを見ました。

画像1)温度計は20度を指しています。
画像2)白くなった葉っぱが目立ちます。
画像3)中には腐熟しにくい葉っぱもあるようです。

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3月1日(土) 雨のち曇り、時 々晴れ<56 日 目 >
内部の温度計も段々と外気温に近づくように下がってきました。そろそろ落ち葉堆肥も出来上がりかな?後はゆっくりと寝かして・・・熟成を待ちます。

画像1)15度位に下がっています。
画像2)まだまだ水分がありそうです。

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3月8日(土) 晴れ<63日 目 7回目の切り返し>
温度は外気とあまり変わらない状態が続いています。今日は内・外の腐熟が偏らないように満遍なく、切り返しを行いました。

画像1)切り返しを行う前の画像です。
画像2)随分と黒くなって仕上がっています。
画像3)もう一度積み直しました。

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4月6日(日) 晴れ
そろそろ1ヶ月も経ちましたので切り返しを行いました。葉っぱは段々とボロボロになりやすく、切り返して行くと・・・細かくなってきます。また、全体の量 も当初から比べるとボリュームが無くなったせいか少なく感じます。

画像1)温度は22度で外気温より少し高いかな?けれど発酵の様子はありません。
画像2)上から順に切り崩していきました。
画像3)広げたシートの上に一時置きます。

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画像4)全体的にはこんな感じになっています。
画像5)ずいぶんと葉っぱもボロボロになっているようです。
画像6)それをまた元の状態に戻して

080406c(画像4)            080406d(画像5)            080406e(画像6)

画像7)終了です。

080406f(画像7)






5月3日(土) 晴れ<完成>
春野菜に間に合わさなければならなかったのにスタートが遅れたんで今頃になっちゃいました。次回はもうちょっと早い目にしなくっちゃ〜
ところで落ち葉堆肥の熟成度は、葉っぱだけの分解の早いものは2ヶ月位から、遅いもので6ヶ月〜1年位おいてから使用した方が熟成度が高い様です。落ち葉 堆肥を作る場合はそのあたりを考慮した方が良さそうですね。
また、余った落ち葉堆肥の保存は日陰で乾燥させてから土嚢袋などに詰めておけば良いと思います。しかし、新鮮な物なんで早めに使い切った方がいいでしょう ね。

画像1)早速、鋤込むために堆肥箱から出して、栽培畝となる土の上にバラ撒いて行きました。
画像2)その後、良く耕耘します。
画像3)余った落ち葉堆肥はブルーシートに上に置いて

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画像4)乾燥させるために広げておきました。
画像5)アップで撮ってみました。少し握るだけでばらけます。

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追記)
落ち葉堆肥を鋤込んだ畝は、2008年度分のカボチャと冬瓜の栽培に使用しました。
これらの栽培記録は「野 菜たちとの想いで」に残しましたのでご覧下さい。(2008.10.25)