季節が木々を彩る時
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「正夢?」

これは、通勤電車の中での時間潰しで思い付いた完全なお遊びで、他のものと全く異なります!お笑いを目指したのに、どうも私にはユーモアのセンスがないっす。

 

走る電車の中。座席に座っている凱歌、外を見つめる。

凱歌「母さん、どこにいるんだ・・?」

凱歌、溜息をひとつつき、視線を電車の中に戻す。その時、何かに目が止まる。

凱歌「うん?きなこさん?(注意深く見る)」

それはある英会話スクールの中刷り広告。やわらかい笑顔を浮かべている女性が写っている。

凱歌「きなこさんと瓜二つだけど、この人の方が女性らしいかも。」

きなこ「誰の方が女性らしいって!?」

気が付くと、凱歌のそばにやや顔を引きつりながらきなこが立っている。

凱歌「きなこさん!いや、別に、な、何も・・・。」

きなこ「ふ〜ん、確かに似てるね。ホイさんはこの人と私だったら、どっちがいい?」

凱歌「えっ!?・・・そ、それは・・・・。」

きなこ「どうしてすぐに答えられないのよ!?」

きなこ、言葉と同時に凱歌目掛けて足が出る。

凱歌、咄嗟にきなこの蹴りを払う。

凱歌「も、もちろん、きなこさんに決まっているよ。」

きなこ「取って付けたみたいな言い方じゃない!」

きなこ、また言葉と同時に拳が出る。

凱歌、反射的に受け止める。そのことにきなこ、ムッとする。

きなこ「・・・どうして受け止めるのよ?」

凱歌「ええっっ!?そんな、受け止めなきゃ、僕がボロボロっ」

凱歌、慌てて口をつぐむ。

きなこ「ボロボロにされるっとこと!?」

きなこ、再び凱歌目掛けて蹴り。凱歌、それをかわす。

きなこ、ますますムッとする。

きなこ「どうせ私は女らしくないわよ!料理もお父さんに似てできないし、ピアノも途中でクビになっちゃうし、武道しか取り柄のない男顔の女で悪かったわね!」

凱歌「待って、きなこさん!僕は、何もそんなこと言ってー」

きなこ、凱歌の言葉耳に入らず、苛立ちを凱歌にぶつけてキックの応酬。

凱歌、きなこの攻撃をすべて受け止めるが、強烈な蹴りの連続に左手が重だるくなる。

取り柄の武道でさえ凱歌に負け、ますます苛立ちと怒り露のきなこ。

きなこ「何よ!ホイさんのバカ!!」

きなこ、駅の到着と同時に下車する。

凱歌「そんなムチャクチャだよ・・。きなこさん!待って!」

凱歌、重だるい左手を擦りながら慌ててきなこの後を追い掛けるが、目の前で電車のドアは閉まり、下車できず。それでも必死にきなこに呼び掛ける。

凱歌「きなこさん!」

凱歌、飛び起きるとそこは屋形船の中。隣にはきなこがいる。

きなこ「痛いよ、ホイさん。急に引っ張らないでよ。」

きなこ、凱歌と手錠に繋がれた手を擦りながら言う。

きなこ「どうかしたの?」

凱歌「夢か・・・。いや、何でもない。」

凱歌、壁にもたれようと動くが、その時左手のしびれに気が付く。

凱歌「どうして、しびれてるんだろう・・・?(もしかして正夢!?そうだとしたら・・)きなこさん、(恐る恐る)何か、した?」

(おわり、チャンチャン♪)

 ごめんなさい、こんなものにお付き合い頂いてm(_ _)m 毎日通勤電車の中で英会話の広告の水野さんを見るものですから、つい遊んじゃいました(汗)