SERAI 「サライ」。「セライ」とは言いません。何語だったか、「宿」という意味なのです。 私の「サライ」はハイエース「サライ」、もちろん車。自分で勝手に名付けた訳ではなく、一応キャンピング車架装メーカーの商品名なのです。当然スキーに行くときの宿泊もこの「サライ」です。ホテルや旅館などには滅多と宿泊しません。 スキー場で車中泊を始めてからもう5〜6年、いやそれ以上になるでしょうか、その当時、私の周りには既に車中泊の達人たちがおり、彼らの真似をするように始めたものだったのです。始める前は、寒さとかトイレとか一酸化炭素中毒とか色んな心配があったのですが、一線を越えてしまえば、これほど機能的で合理的で快適なものはありません。慣れというのは怖いものです。今やスキー場では旅館に泊まる時の方が面倒くさく感じるほどですから・・・。 何があっても責任は取りませんが、覚悟を決めて一度試してみてはいかがでしょうか? きっと車中泊の虜になるはずです。 それでは、私のサライ・車中泊についてQ&Aで紹介していきましょう。 |
Q 車中泊って何ですか? |
A その名のとおり車の中で寝泊りすることです。仮眠程度では車中泊とは言えません。前夜から翌朝まで完全に熟睡できるまで練習しましょう。 |
Q キャンピングカーでなくても可能ですか? | |
A もちろん可能です。座席がフルフラットになる普通の1ボックスやミニバンであればOKです。 事実、私の周りの達人たちはキャンピング車になんか乗ってませんが非常に濃密で快適な時間を過ごしています。 |
Q スキー場で車中泊なんかしてるとバカにされませんか? | |
A 当然バカにされます。だから他人にはあまり自慢しないようにしましょう。 |
Q スキー場での車中泊って寒くないですか? | |
A 寒いです。でも思ってるより寒くありません。寒さを感じるのは明け方の時間帯だけなのですが、外気温マイナス5〜6度程度なら寒くありません。さすがにマイナス10度を下回ると寒さで目が覚めることも多くなります以外に思われるかもしれませんが、降雪時は気温が安定しているので寒くなりません。放射冷却が起きる晴れの日ほど気温が下がり寒くなります。また、地理的条件で言えば日本海側よりも菅平や野辺山、飛騨などの内陸部のほうが寒いのです。 でも慣れてくれば、この寒さがあるからこそ乙なものと感じられるのでしょう。 |
Q 冬の車中泊に必要不可欠なものを教えてください。 | |
A まず、@トイレが近くにあるフラットな駐車場。 これはどの季節にも共通ですが、地形がフラットであるか否かで寝心地が随分違います。 Aシュラフと毛布。ダウンの入った冬山用がベストですが、場合によっては暑くなることもあります。 シュラフの上から毛布を掛けることで放熱を防ぎます。1人の時は羽毛布団を持ち込むこともあります。 Bポット。1.5リットルほど入る一流メーカーの魔法瓶水筒がベストです。主には、お湯割り、味噌汁、カップラーメンなどを作るのに使いますが、走行中に降雪でワイパーが利かなくなった時にも便利です。 C酒。酔っ払って寝てしまえば、ホテルで寝ようが、車中で寝ようが同じ事です。 D窓を塞ぐ内張り。これが最も重要です。冷気は窓から入って来るのでこれを防ぎます。 私は専用の物を使っていますが、ホームセンターで売っているキャンプ用銀マットなどで充分です。 窓の形に切り抜き、吸盤等で張ります。これは各人の腕の見せ所でもあり、その人のセンスが問われます。また、かなりの達人になると内張りなどせずにカーテンだけで済ませる方もいらっしゃいますが、これは達人にのみ許される究極の秘儀なので決してマネしないようにしましょう。 |
Q エンジンは掛けたまま寝るのですか? | |
A 寝る時はエンジンを必ず切ります。エンジンを掛けたままにすると、排ガスが車内に回る可能性もあり危険極まりないからです。場所によっては一晩に1メートル近く積雪することもあります。そんな時エンジンを掛けっぱなしにしていると・・・考えただけでも恐ろしくなります。それに地球環境にも良くありません。エンジンは必ず切りましょう。 |
Q 風呂や食事はどうしてるのですか? | |
A 今や日本全国津々浦々いたるところに公共事業や補助金で造った温泉施設がたくさんあります。また、その土地土地の美味いものが食べられる食堂やレストランはどこにでもあるので心配ありません。食事の時間や入浴時間にも決まりがないので時間を有効に使えます。私の好きなのは、温泉とレストランが合体した施設で閉店まで目一杯くつろぎ、あとは駐車場に戻って酒を飲んで寝る行動パターンです。 |
Q 車中泊時の服装はどんなものが良いのでしょうか? | |
A 私の場合は基本的にジャージ+フリースです。極寒時はウィンドブレーカーを使用します。インナーは山用の汗を放出して暖かい中空繊維のものがあれば、なお良いでしょう。靴下を履くか否かは意見の分かれるところです。私は「履く」派ですが、「履かない」派が多数を占めます。 |
Q 雪で濡れたウェアなどは乾きますか? | |
A 車内は意外にも非常に乾燥します。また、狭い車内は温まるのも非常に早いのです。突っ張り棒にでも吊っておけば、完璧に乾きます。因みに私は突っ張り棒と天井に張ったネットを使っています。 |
Q 車中泊にお勧めのスキー場を教えてください。 | |
A 初心者には白馬方面が良いかと思われます。温泉、コンビニ、スーパー、レストラン、道の駅、焼肉屋、全て揃っています。ただし、ここは大雪に注意が必要です。 |
Q ベッドメイキングの方法を具体的に知りたいのですが。 | |
A 写真で解説します。 |
後部座席をフラットにします。私の車はキャンピング車なので完全にフラットになりますが、凹凸の出る場合はクッション等で平らにしましょう。 | |||
注)写真の人は私ではありません。達人によるデモンストレーションです。 |
窓に内張りを張ります。写真は専用の物を使用しています。後はシュラフと毛布に包まって寝るだけです。暖かいのは一人よりも二人、二人よりも三人で寝ることです。狭くなりますけどね。 | ||
くつろぎスペースの出来上がりです。写真は車内後部です。ご覧のように突っ張り棒をカマしてウェアを乾かします。天井にはネットを吊っています。 | |||
くつろぎのスペース車内前部です。宴会スペースとも呼びます。練習後のミーティングや忘年会はここで行われます。 | |||
「サライ」の外観。いたって普通のハイエース。 |