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ツインズ



番外編後編




     
夜はしっとりと落とした唇を離すとらんの前で跪いた。

僕は夜のその姿に中世の騎士が姫に忠誠を誓うようなそんな構図を思い出し
恥ずかしくなった。

「よ、よるぅ!?」

何をするんだろうと思っていると夜はこともあろうに
ズボンに手をかけると下着ごとそれをいっきに引き下ろした。
僕は羞恥で体中が熱くなりそうだった。

形のかわりつつあるそれを夜は触れるか触れないかという
所で撫であげて僕はその指の動きがたまらなくじれったかった。

「たく、らんはやらしいな。まだ何もしてねえっていうのに。もうこんなになってる。」

わざと僕に見せ付けるように夜はそれをもう1度ゆっくりなで上げると
躊躇うことなくそれに唇を寄せた。
チュっと濡れた音が部屋中に響いて僕は羞恥と快楽とで体が小刻みにふるわせた。

「夜、そこは・・ダ・・メ・・」

ダメだといいながら僕は夜に強請るように押し付け甘い声をあげていた。
もっと夜を感じたい、もっともっと夜が欲しい。

「らん、すげえいい顔してんぜ。んなに気持ちいいのか?」

「あっ・・」

含まれたまま夜の熱い吐息を感じて僕はそれに耐えられなくなって夜の
肩に爪を立てた。
それでも夜はゆるめず指でなで上げながら僕の感じるところばかりを舌で
せめたててくる。
僕は一気に湧き上がってくる吐精感をやりすごすことができなかった。

「ダメ、夜、いっちゃう!!」

僕は慌てて夜を引き離そうとしたけど夜は放すどころか
ますます動きを早めて舌で招くように先端のくぼみをくすぐってきて。

「・・・あっ・・・ああーーっ」

吐き出した後、弛緩した僕を
夜は抱きとめると残っていた雫を舐るようにすくい上げ僕の目の前で
ぺろりと舐めた。

その一連の行動がすごくいやらしくて恥ずかしくて目をそらそうとしたら夜に
ぎゅっと抱きしめられた。

次は・・・きっと・・・
期待と羞恥でドキドキする胸を押さえると今までの荒々しさとは違う優しさで夜に
布団に招かれた。

「らん、ちっとは落ち着いたか?」

「うん。」

「だったら今日はもう寝ような。」

「えっ?」

僕は思わず夜の言葉を聞き返した。
てっきり続きをするのだと思ったんだ。
だって、夜はまだ・・何も・・・してないし。
僕がぽかんとしてると夜が苦笑した。

「どうした、らん、まだ足りねえってか?」

「ち、違うよ。でも・・夜はまだでしょ。」

「オレはいいって。」

そんな風に言われてしまうと寂しさをやりきれなかった。

「夜は・・・感じなかったの。僕のこと欲しいって思わなかったの?」

夜は優しく僕の髪を撫でると「バカだなっ」てつぶやいた。

「どうせ、僕は、バカだもん。夜はいつも僕に・・・ってんんっ」

言葉の続きは夜のキスに飲み込まれた。
青臭い独特の匂いが夜の口内に残っていて僕は顔を
しかめた。

「らんが欲しくねえわけねえだろ。」

「だったらどうして?」

「オレがマジになったら、らんはまた明日起き上がれねえぜ。
知ってんだろ?」

それでもいいと僕は内心思った。
・・またナオに怒られちゃっても?それでもいい?

自問自答する浮かない僕の表情に夜は苦笑すると優しく耳もとで囁いた。

「けどな、らんがやってくれるっていうんだったらオレは大歓迎だぜ?」

思いもしなかったことを言われて僕は驚いて夜の顔をみた。
そうか、そんな方法だってあるんだ。

「嫌なら構わねえが。」

夜はふて腐れたようにそう付け足したけど、嫌なわけがない。

「ううん。僕したい。夜にしたい!!」

「ああ。」


夜は笑うとベッドから起き上がった。
僕は緊張した面持ちで夜の前にしゃがみこんだ。
さっきとは逆。今度は僕の方がご主人様に従ってるみたいだと思った。

夜のズボンに手をかけるとそこはすでに熱を帯びていた。
僕は吸い付けられるようにそこに口付けてた。

僕は夜みたいにうまく出来ない。それでも夜に少しでも感じて
欲しくて一生懸命、舌で夜の先端をくすぐった。

すると夜が「うっ」って小さくうなって僕はそっと夜を見上げた。

夜の長い睫毛が揺れている。
夜はうっすらと目をつぶっていた。
月灯りに照らされた夜の表情は僕の与える快楽に酔っていた。
僕はこの時、夜がすごく綺麗だって思ったんだ。今まで夜のことをカッコイイと思っても
綺麗だなんて思ったことなかったのに。

夜をこんな風に感じさせられるのは僕だけだよね?
こんな夜を見られるのは僕だけの特権だよね?

そう思うと僕は堪らなくなってもっと夜に感じてもらいたくて一生懸命舌と
指を動かした。

「うっ。」

夜はもう1度うめき声を上げると堪えるように後ろのベッドに手をついた。
先端からはもう蜜がとろとろと溢れていて僕はそれを舌で絡めとびくんと夜の
ものがまた硬さを増す。

「らん、らん・・」

僕の名を呼んだ夜の声はひどく扇情的で僕の胸の中は夜でいっぱいになっていく。

夜・・夜・・好きだよ。夜が好き!!

心の中でそう叫んだ瞬間夜の熱い欲望がらんの中で弾け飛んだ。



夜の荒い息が整うのを見計らって僕は立ち上がると背伸びして夜にチュ
っとキスをした。
そしたら今度は夜がしかめっ面をした。
僕はそんな夜が可笑しかった。


「なんだよ。らん、何か言いてえ事でもあんのか?」

「うん。夜すごく綺麗だったよ。」

「なっ。」

夜は僕にそんな事を言われるなんて思ってなかったみたいで暗がりでもわかるぐらい
動揺していた。

「夜、かわいい!!」

僕がそういうと夜は誤魔化すように咳払いをした。照れてるんだって思うとますます
かわいいなって思ったけど僕は話題を変えることにした。

「夜、直大丈夫かなあ〜?」

「心配しねえでも今ごろあいつらもよろしくやってるって。」

「ん・・・でも・・ナオが空のものになってしまうのは
寂しいな。ナオ、空にひどい事されてないかな。」

「ここでらんが心配したってしょうがねえことだろ。」

夜はため息混じりにそういうと僕の身体をぎゅっと抱き寄せてきた。

「夜?」

「直のことは空にまかせとけって。それよりらんはオレのことだけ考えてろ。」

少し怒ったようにそういった夜に僕はようやく気づいたんだ。

「ひょっとして夜、ナオにヤキモチやいてる?」

「バッ・・・。」

夜は不貞腐れたようにブスッっとしてた。
図星だったんだ。


夜は僕から目を逸らしたけど、ぎゅっと抱き寄せられた腕はそのままで。


「らん、明日の朝あいつらを迎えにいくか?」

夜も内心はナオと空のことが心配だったんだと思うと僕もちょっと妬けた。
でも・・僕も二人を迎えに行きたいって思ってたんだ。

「うん。行こう!!」

明日の朝、僕たちが迎えに行ったら空とナオはどんな顔するだろう。
僕はわくわくしながら目を閉じた。


そこには笑顔の4人の姿があった。

 
 
                                  2007 2 11  完結

     
                            




本編・番外編ともに完結。読んで下さったお客様ありがとうございます。
空と夜 直とらん を個々の人間にするのもいいなと思ってので
またこういった4人を書くことがあるかもしれません(笑)