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たまにはこんな夜も・・・。





     
ベットに腰掛けた直は先ほどから
ため息ばかりついてる。

鏡にうつる直の憂いだ横顔をみつめながら
らんが話しかけた。

「ナオどうしたの?ため息ばかりついてさ。」

「な らん!なんでもないよ。」

突然話しかけられた上、間の悪い所を見られた
せいか直は罰がわるそうだ。

「ふ〜ん 僕にもいえないことなんだ。」

「そんなんじゃないって。」

「そんなんじゃないなら言えるでしょ?」

「だから・・・」

口ごもった直にらんは苦笑する。

実は先ほどからずっと直がため息をついてる原因を
らんはなんとなく知っていた。

夜が空の心を読むようには、らんはナオの心を読めない。

でもこれだけ長い間同じ体を使ってると大抵のことは
言葉にしなくてもわかる。

「ふ〜ん。」


もう1度らんは意味ありげに頷くと直に爆弾を
落としたのだ。


「空って鈍感だもんね。ナオの気持ちなんて全然
わかってないし。あんなやつやめたら。」

ナオだったらかわいいからあんなやつよりもっと
いいやつがいるよ。っと
一人で頷きながら納得するらんにナオが
真っ赤になって怒鳴った。


「誰が 羽柴のことなんか・・・あんなやつのこと
オレは何とも思ってないんだからね。」

これ以上へんな事いったら怒るよっとまでいって。
らんをにらみつけたのだが・・・。

いつもならここで引き下がるはずのらんが
今日は引き下がらない。

「ナオもさあ いい加減認めたら?僕に虚勢張ったって
仕方ないでしょ。」

直が何か言いかける前にらんが言葉を続けた。

「だって僕昨日聞いちゃったんだもん。ナオが一人でしてる時
空の名前つぶやいてたの。」

「な ・・・らん・・」

絶句する直を前にらんは小悪魔な笑みを浮かべた。

そう・・昨夜、夜とらんのHを目撃してしまった直はらんが
眠ったあと一人で・・・。

その時のことを思い出したのかナオの全身が羞恥に
染まるととらんも照れくさそうに笑った。

「ナオったらホントかわいいね。僕にまでなんか照れくさいの
伝わってるよ。」

「う うるさい。僕はもう寝るんだから!!」

さっさと布団をかぶった直にらんがつぶやいた。

「逃げるの?」

「逃げるってなんのことだよ。」

「だってさ・・・」

くすくす笑いながららんは言った。

「なんだったら僕が空に言ってやろうか。」

「なにを・・・」

「ナオが望んでること。」

「バカ らん これ以上何かいったら閉じ込めて出さないよ!!」

そういった瞬間直は心が凍てついたような気がした。

らんが心の底から泣きだしたからだ。

直のもう一つの人格のらんにとって精神世界から出られないこと
は死ぬにも等しいほどの苦痛でしかない。

しゃくりながら涙を流すらんに直は
言い過ぎたことを後悔した。

「ごめん。らん そんな事しないから・・。」

「ナオはいつだってそうなの。ナオは自分の体なのに
自由に出来るのになのに自由にしないし・・・素直じゃないし。
空のことだって・・・。

昨日僕と夜のこと見てたんでしょ。
夜を通じて空を感じてたんでしょ。なのに・・・。」


そこまで言って、二人の体に熱が帯びる。
昨夜のことを一緒に思い出したのだ。

しゃくりながら泣いてたらんは突然何を思ったのか
直の肩を抱き寄せると言った。

「ねえ ナオしちゃおうか・・?」

「な なにいってんだよ!!」

「だってナオ体すごく熱くなってるよ。
僕がしてあげる。空の代わりに・・」

「バカ らん・・!!」

直が抵抗する前にらんは精神世界に直を導いていた。

すでに全裸のらんが直を見つめてる。
自分と同じ顔 肢体に直は悪いものでも見たように
目をそらそうとしたがその顎をらんが掴んだ。

「ナオってばホントかわいいんだから。空には
勿体無いよ。」

「らん。もういいだろ!!」

「どうせ一人でするならいっしょでしょ。
だって僕もそうだもん。」

「らん!!」

抗議の台詞はらんの口内へと消えた。

「ふうん・・」

ざらりとしたらんの舌が触れると直は一瞬逃げようと
したけれどそれはすぐらんに絡め取られた。

そう精神世界じゃ逃れるすべはない。
ここは一番快楽が優先する場所だということを
二人は知っている。

しかも二人は同じ人間で感じる場所も感度も共有していて、
それをらんが逃すはずがない。

ナオの着ていた服が消えていく。

すでにキスだけで呼吸を乱す直の胸にらんは触れた。
赤い小さな果実はらんにとって感じる部分だがそれは
直にとっても同じことで。優しく指でこすり付けるだけで
直は体を波立たせた。

「や・・らん もう・・・・・」

「ナオもう我慢できないの?」

違うといおうとした口をらんはふさぐとナオを押し倒した。

浮遊するような精神世界では押し倒すのもどんな無理な体位も
わけがない。


らんはナオの素肌に自分の体を落とすとすでに立ち上がりつつ
ある直のものを右手で握り、左手は自分の窄まりへ這わせた。


「ん・・ふうん。ああああ・・。」

腰をゆっくりうごめかしながららんが自らを犯す。
直はその姿にごくりと唾を飲み込んだ。

「ねえ ナオどう 僕。かわいい?」

らんを見ないように直は目を閉じたがそれは別の感覚を
引き起こす。

直に直接触れるらんの指使い。吐息・・・濡れた音が
耳について離れないのだ。

快楽の波をやり過ごすことが出来なくなった直を見て
らんは一端指を引き抜くと直の上にまたがり立ち上がる直の
ものをそこに導いた。

「ちょっとらん・・・」

まさかそこまですると思ってなかったようで急に慌てだした直に
らんが笑った。

「ひょっとして僕がするほうがよかった?僕はどっちでもいいよ。」

全く見当違いのことを言われて違うと首を振った直にじゃあ
いいんだって勝手に納得して・・・
らんは自分の体重をゆっくり直へとかけていく。

らんのそこはすでにほぐれていてなんなく直を飲み込むときゅうと
縛りあげた。

「あああ・・・」

「ふうううん。」

動こうとしない直にらんはゆっくりと腰を動かし
ぎりぎりまで引き抜いては落としまた引き上げる。

らんは艶かしく喘ぎ、髪は乱れて快楽だけを追いはじめると
さすがの直も我慢できなくなったのか腰を揺らし始めた。

「ナオ・・いいよ。もっと・・・」

羞恥よりも快楽が勝り始めるとあとは終止を求めて
より高い快楽を得るためだけに感覚を追うだけだ。

「ねえ ナオいっしょにいこ!」

「らん・・・もうダメ」

「ふあああ・・・」

二人一緒に絶頂を迎えて空間に沈み込むと心と体が一つになったような
奇妙な感覚が訪れた。

精神世界の奥のもっと奥の底に入り込んでしまったような・・・。

でもそれは嫌な感覚でなくてむしろ安心できるような
優しい場所だった。

「ねえ・・・きっとここが僕たちの場所なんだね。」

ナオは返事をしなかった。
知っていたのだ。ここはらんの生まれた場所だってことを。
ここから素直でただ一途なナオの気持ちを夜が連れ出したのだ。

それはけして嫌なことじゃない。

らんが羨ましいと思うこともあるけれど、なくしたわけじゃないし
自分の気持ちしだいだってこともわかってる。

「でもまだいえないんだ。」

ついつぶやいてしまった言葉にらんはわかってるよ
と笑った。

「でももう少し素直になってもいいと思うんだけどね。」

直はそれを誤魔化すように口を尖らせた。

「らん こんな事はもうごめんだからね。」

「ナオだって気持ちよかったくせに・・。」

「そんなこと・・・」

ないとは言えない直を苦笑してらんは目を閉じた。


しょうがないな。ナオは。

仕方ないから今は僕の気持ち優先させるから・・。
そのうち直がホントの気持ちを僕に打ち明けてくれるまで。



それまで目をつぶっててあげるよ。


     




あとがき
あはは〜書いちゃいました〜無節操といわれそうですが、
とっても楽しかったです。