毎日が同じような日常・・・退屈すぎる学校
そんな俺にだって好きなやつはいて・・
ずっと憧れてて、でも叶うはずなんてない
と諦めてた。
そいつは頭が良くて 髪形はいまどき
ちょっとないおかっぱ頭だけどとにかく
綺麗で・・・俺はいつも気がつくと窓辺の席に
座るそいつの事を意識していた。
どうしてあいつは男なんだろう。
そして俺も・・。
例えば女だったらこんなには
悩んだりしなかったかもしれない。
でも毎日が同じような日常だから救われることもある。
いつかこの日常が終わるとわかってるから。
俺の恋も告げることもなく終わるのだと思ってた。
学校から帰って俺は鞄を投げ出す。
その途端鞄の中に入っていた教科書やら
ノート果ては筆箱にシャーペンまで部屋の中に
ぶちまけていた。
「ああ〜もう何やってんだよ。」
悪態をつきながら俺はその一つ一つを直し始める。
「全くついてねえ〜。」
そう今日は一日ついてなかった。
他人が聞けばほんの些細な事なのだけど・・・
授業中居眠りしていてチョークが飛んで来たとか、
帰り道犬に吼えられたとか
でも一番ついてなかったのは席替えかな。
あいつとは全く方向違いの席に決まってしまったのだ。
あいつの横顔さえ見えない席。
毎日のささやかな楽しみさえ奪われてしまったようだ。
俺はぶちまけた教科書を拾いながらそこに見たことがない
ノートがあることに気がついた。
なんの変哲もない大学ノート。だが何故だか惹かれて手を
伸ばす。
1ページ目にワープロで打った字がとびこんできた。
「このノートに好きな人の名を書き入れてごらん。願いが
叶うから・・・」
それを読んだ俺は思わず噴出した。
なんだよ。これ・・・
昔はやったの不幸の(幸福の)手紙とかの類。
ますます嫌な気持ちになって俺はそれを投げ出した。
こんな悪戯するやつの気が知れなかった。
だが・・・投げ出してやっぱり気になってもう1度ノートを
拾い上げていた。
塔矢アキラが進藤ヒカルを好きになりますように・・・。
震える指・・・。
こんなものにでも縋りつきたくなるほど俺は
行き場のない想いに苛立ってたのかもしれない。
書き終えた後気持ちが少し楽になったことに気がついた。
少しは吐き出せたのかな。
俺はそのノートを机の一番奥へとしまった。
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