調査の目的
 1876年の「江華島事件」以降1945年の日本敗戦まで 、国民国家日本の朝鮮に対する植民地支配がありました。日本による朝鮮植民地支配の結果、土地を奪われた人、しごとを奪われた人など多くの朝鮮人が日本に来ました。1937年7月の廬溝橋事件後、日本はより過酷に食糧資源・地下資源の略奪、軍需産業の拡大が進められるとともに、さらにまた朝鮮人労働力の戦争政策への大々的な動員が計画しました(朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』未来社,1965)。 1939年7月に布告された国民徴用令により敗戦まで強制連行も行われました。日本に来た朝鮮人たちは、軍事施設や軍需工場建設、鉄道・道路開発工事、地域の産業に従事させられました。由良は紀伊水道の中ほどにあたり、紀伊防備隊の基地がおかれていました。また、石灰石の鉱床が由良町内に23カ所あります。
 日本のアジア・太平洋地域に対する侵略・植民地支配を和歌山地域の歴史を知ることにより研究していきたい。わたしたち日本の侵略の歴史を知るわかやまの会は、その端緒として、軍事施設のあった由良において、第1回現地調査を行いました。