大気中二酸化炭素(CO2)濃度と人為的排出量

05/12/28

ここでは環境省の環境統計集からひろったデータを基に議論していきます。

まずは下のグラフを見てください。



これは、ハワイのマウナロア島で観測された大気中二酸化炭素濃度と、
人間が社会生活などで排出している二酸化炭素の量を表したグラフです。
左の目盛りは、年間の二酸化炭素排出量(棒グラフ)に対するもので、
右の目盛りは、その年の大気中二酸化炭素濃度(折れ線グラフ)に対応しています。
年々、二酸化炭素排出量が増えているので、
大気中二酸化炭素濃度を押し上げているという感じになっています。

注意して見て欲しいのが、二酸化炭素排出量の単位です。

「億トン」

これだけではピンと来ないのが普通ですね。
なにせ二酸化炭素は空気と同じ気体ですから、
その量を想像しにくいと思います。

では、視点を変えてみましょう。

実は、二酸化炭素の質量は22.4リットルで44グラムあります。
(0℃、1atmの場合)
2000年の二酸化炭素排出量は242.40億トンですので、
体積にすると約123403636億リットル。
(242.40×106[億g] ÷ 44 [g/mol] × 22.4 [l/mol])
すなわち、約123404億m3を満たす二酸化炭素が1年間で排出されたのです。
東京ドームの容積が約124万m3ですので、
東京ドーム約995万杯分の二酸化炭素を排出したことになります。

二酸化炭素が充満した空間ではヒトは生きていられないです。
実際には10%程度の濃度でも生きていられないです。
二酸化炭素の毒性を参照)
つまり、過激な言い方をすると
現代社会は東京ドーム約995万杯分の毒ガスを一年間に排出しているわけです。

二酸化炭素排出量242.40億トンは世界全体での話で、
東京ドームなんてものと比べるのはナンセンスなのですが、
現代社会が排出している二酸化炭素が
どれだけ莫大な量かを認識していただけると幸いです。

       



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