電力業界のCO2排出量

07/5/12

電力業界からのCO2排出量は、
消費者である我々の電気の使い方と密接な関係があります。
我々が電気をたくさん使えば、 電力業界からのCO2排出量が増え、
逆に、我々が省エネを心掛ければ
電力業界からのCO2排出量が減るわけです。
では、電力業界からのCO2排出量を減らすためには
我々が努力するしかないのでしょうか?

そもそも発電に伴うCO2排出量は、
その発電方法によって大きく違います。
節電とCO2排出量の関係 参照)
そこで、電力業界ではCO2排出量の少ない発電方法を選択することで、
1kWhあたりのCO2排出量(CO2排出原単位)を削減するのです。
選択するだけで良いなんて…、と思われるかもしれませんが、
発電所の立地条件など様々な問題もあり簡単にはいかないのが実情です。

それでは、どこの電力会社がCO2排出量の多い電気を売っているかを見てみましょう。

販売電力量
[億kWh]
CO2排出量
[万t-CO2]
CO2排出原単位
[kg-CO2/kWh]
東京電力 (株)2,88710,7300.372
中部電力 (株)1,3065,9110.453
関西電力 (株)1,4715,2000.350
中国電力 (株)5953,9470.660
北陸電力 (株)2801,1380.407
東北電力 (株)7974,0830.512
四国電力 (株)2801,0830.390
九州電力 (株)8303,0600.368
北海道電力 (株)3081,5660.510
沖縄電力 (株)736870.940

この表は各電力会社の出しているCSRレポートなどをもとに作成したものです。
こうして表にまとめると各電力会社間で差があることが分かります。
同じように1kWhの電力を消費したとしても、二酸化炭素の排出量は
東京電力から電気を買っている家庭では0.372kg、
中部電力から電気を買っている家庭では0.453kgになります。
電力の場合、住んでいる場所によって購入先が決まりますので、
沖縄地方に住む人が、CO2排出量の少ない関西電力の電気を買うことはできません。
つまり、沖縄地方は電気の使用によるCO2排出量が多い地域なのです。
逆に、省エネによるCO2排出量削減効果が大きいともいえるわけです。

今後、CO2排出量の削減が義務付けられれば、
各企業はCO2排出量の少ない電気を欲しがります。
そこで注目されるのがCO2排出原単位です。
同じだけ電気を使ってもCO2排出量が少なければ、
企業から排出されるCO2を少なく計上できます。
つまり、企業側としては良いイメージをアピールできるわけです。

これからの時代は、電気の値段だけを気にするのではなく、
CO2排出原単位にも注目ですね。
電力会社は、毎月の「電気ご使用量のお知らせ」に
CO2排出原単位も記載してほしいですね。





参考文献

『サステナビリティレポート2006』 東京電力株式会社
『CSR Report 2006』 中部電力株式会社
『関西電力グループCSRレポート2006』 関西電力株式会社
『2006エネルギアグループCSR報告書』 中国電力株式会社
『北陸電力グループCSR報告書2006』 北陸電力株式会社
『東北電力NOW CSRレポート2006』 東北電力株式会社
『よんでん環境保全・社会活動レポート2006』 四国電力株式会社
『九州電力CSR報告書2006』 九州電力株式会社
『ほくでんサステナビリティレポート2006』 北海道電力株式会社
『環境行動レポート2006』 沖縄電力株式会社





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