節電とCO2排出量の関係

03/12/7

節電すればCO2の排出量は減ります。

でも、物を燃やす場合と違って、
節電とCO2排出量の関係は少し複雑です。
ここでは、1kWhの電力消費でどの程度のCO2が発生するかを求めてみましょう

算数が苦手な人、数字アレルギーの人、ゴメンナサイ。
計算が出てきます。


次に示す表は日本における発電方式別CO2排出量の比較表です。
(出典:電力中央研究所)

発電方式CO2排出量
石炭火力発電975 (88)
石油火力発電742 (38)
LNG火力発電608 (130)
太陽光発電(53)
風力発電(29)
原子力発電(22)
水力発電(11)

単位はg-CO2/kWhで、
1kWhの発電で発生するCO2の重さを表しています。

例えば、石炭火力発電の場合、
1kWhの発電で発生するCO2は 975g ということになります。

また、( )内の数字は設備を作るときや運用する際に発生するCO2です。
この表から、発電の際にCO2を発生しない
太陽光発電、風力発電、原子力発電や水力発電でも
CO2を発生させることが分かります。

さて、次に示す表は発電電力量のうち各発電方式が占める割合を表したものです。
これは2001年度に中部電力が発電した電力についてのものです。
(出典:中部電力 エコレポート 2002)

発電方式割合 [%]
石炭火力発電 20
石油火力発電3
LNG火力発電47
原子力発電21
水力発電9

この表から中部電力では、LNG火力発電の占める割合が大きいことが分かります。

上記の2つの表から、1kWhの電力消費でどの程度のCO2
発生するかを求めることができます。

例えば、中部電力から送られてくる電気を1kWh消費したとすると、

石炭火力発電によるCO2発生量が

というふうに求められます。

他の発電方式についても同様に計算すると、次の表ができます。

発電方式  CO2排出量 
石炭火力発電 195
石油火力発電 22.26
LNG火力発電 285.76
原子力発電 4.62
水力発電 0.99
合計508.63

すなわち、中部電力から電気を買っている家庭では
1kWhの電力消費により、約0.51kgのCO2を発生することになります。

この「0.51」という値を環境家計簿ではCO2排出係数と呼んでいます。
実際の環境家計簿のCO2排出係数は「0.36」となっており、
ここで計算した値が少し高いことが分かります。

原因としては、原子力発電の占める割合が低かったことが考えられます。

CO2排出量だけ見ると、
中部電力の発電方式は環境に悪いように思われますが、
原子力発電に伴う放射性廃棄物の処分問題が浮上している現代では、
一概に悪いとは言えません。





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