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見よ。
あなたの王が
あなたのところに来られる。
この方は正しい方で、
救いを賜り、
柔和で、
ろばに乗られる。
それも、
雌ろばの子のろばに。


ゼカリヤ書 9章9節
 〜わたしは驢馬に乗って ○○をうりにゆきたい〜


 少し前、時間つぶしのために書店に行き、何を探すともなく本のタイトルを眺めていました。
 ・・・「わたしは驢馬に乗って 下着をうりにゆきたい」・・・
!!!このタイトルは久しぶりにスーパーHIT!即購入しました。
 下着デザイナーの鴨井羊子さんの自叙伝ですが、なぜこれほどに心動いたのか…。

 ろばは穏やかな気質で粗食、経済的な(燃費のいい)動物です。
また、馬と違い足が遅いため戦争に用いられることもなく平和的です。

 聖書では、イエスキリストがエルサレム入城の手段に選ばれたのが「ろばの子」でした。
背の低い、のろまなろばは、「卑しさ」「みじめさ」「辱め」の象徴でした。つまり、それは私たちの姿です。私たちと同じような姿にまでへりくだり、入城されたのです。
それだけではありません。戦争に無関係なろばを用いたことは、徹底した戦力や権力廃止を示したメッセージでもありました。そして「愛と柔和と謙遜」の姿をはっきりと民衆に示されたのです。

 まさか、この時代にわたしがろばに乗って何かを売りに行くことを夢みているわけではありません。
ただ、自分自身が対面し、自分が持てる範囲のものを、自分の足で売っていく(伝えていく)…。
多くのものを手にするのではなく、自分という限られた大きさを大切にして楽しみたい…、きっとそこには平和があり幸福があるような気がしてならないのです。

 人は多くのものを身につけようと頑張っています。それは子供のころから始まっています。
ものだけではなく、肩書や資格などもそうです。かつての私もそうでした。
 けれども、近年は手放す努力をしています。少しずつ手放していくと、本当に大切なものが見えてきます。
本当に大切なものって、そんなに多くないんですよね…。
 これからは、その本当に大切なことを大事に持って、細々遅々と働いていきたい…わたしのロマンです。

 あなたは、驢馬に乗って何を売りたいですか?