北海道の17日間の山旅 その3 十勝岳

8日目 722() 蜂の子から十勝岳・美瑛岳

望洋台駐車場645−分岐点735 7:45―十勝岳山頂955−美瑛岳山頂 1155−下山 1530 十勝温泉凌雲閣で赤茶な温泉

 早朝、まわりに迷惑をかけないように仕度して、ご飯を炊き、弁当をつくり、朝食後、出発、1時間ほどで望洋台につく、十勝、美瑛、富良野岳が見事だった。火山の山は単調でつまらない感じがする。溶岩の流れ、固まった跡を歩いていく、見晴らしがきくのが楽しい、2ピッチ目からは溶岩礫の登り、旧火口なども見られ、山頂へは急登となった。ガスに覆われはじめ、風も強くとても寒い山頂だった。富良野岳やトムラウシ方面の広大な原生林の広がりは北海道ならではスケールを感じる。そうそうに山頂をあとにし、砂漠のような縦走路を行く、踏み跡がなく、ガスにまかれると大変なところに思えた。幸い視界はそこそこあった。この荒涼とした稜線を美瑛岳に縦走していったのだが、ここで意外な発見をしたのが、砂礫の斜面に高山植物が点々としてではあるが、花を咲かせているではないか、風雪が強く、水分もないような砂礫の中で花を咲かせる自然のメカニズムに感動した。美瑛岳の登りにはい入ると同じ火山の山でも東側は豊かなお花畑の斜面となった。その反対は火口なのか切り立った稜線だった。この非対称の境界ラインを登っていく、結構、長い登りでなかなか山頂につかなかった。時々、濃いガスに囲まれ、早く安全なところまで下山したい気持ちに追われた。ガスの山頂では休憩もせず、下山し、急斜面を一気に下り、ガスガ切れ、視界のいいところまで下りてから休憩した。きのうツーリングしたパッチワークの丘や美瑛の街並みがよくみえた。大自然と人間の破壊、再生がよくわる展望だった。そこからは、這い松の急斜面を下りきるとまたお花畑の谷を横切る楽しいコースとなった、谷にわずかに残った雪渓をわたると朝の1ピッチ目の分岐に戻った。
 この日は、十勝温泉凌雲閣で富良野岳をながめながら、赤茶な温泉につかり1日の疲れをとり、また蜂の子ハウスに戻った。また、鈴木商店でツボダイを買い、夕食としたがこの日はなぜか、バイトで夜遅く帰ってきたものをのぞき、誰もいない1人きりの夕飯だった。

9日目 723() 蜂の子から富良野、然別峡温泉キャンプ場へ

 きょうは、移動日、観光しながら然別峡をめざす。まず、美瑛町の南部を単車でツーリング、牧草地を抜け、牛舎などをみながら行くと、「体験乗馬できます」の看板があった。いつかテレビでみた、牧場での体験乗馬が印象的だった。看板従い乗馬クラブをめざす。30分の体験5千円、牧場内1時間の散策コースは1万円だった。少し高いとは思ったが、この緑の丘を馬に乗って走れたらと思い、「まったくはじめてですができますか」と聞くと、関西出身というインストラクターは、「大丈夫ですよ」というので挑戦することにした。馬に装具をつける間、少し待たされ、まず、柵のサークル中で、馬の乗り方、操作の仕方を練習した。馬の背は高かった。インストラクターの言われるままに手綱を引くと面白いように右に、左と回る。あとで気がついたがインストラクターがひもで操作していたみたい。そのあといよいよツーリング、コーチの馬のあとを、ついていく、小梅ちゃんという馬で「上下動の少ないいい馬です」と言われたが本当に気持ちがよかった。砂利道を横切り、いよいよ丘にのぼる坂道を行く、最高に気持ちがよかった。車道を横切ると今度は放牧地へと下る。4つ足は下りが苦手のようだ。ぎこちない歩きだった。広い牧草地の端をすすむ、ここでコーチに、さきの回るやつやってみていいですかと聞くと「だめ」(やっぱりさっきのはコーチの支持だったのか)、「それなら普通はしないけど早足やってみますか」と言われ、やります。わき腹を少し強めに蹴ると、前のコーチの馬に続いて早足になった、ゆれる、これも忘れられない体験だった。ぐるっと1周して「もうおしまい」と思ったが、10数分のツーリングだったが北海道ならではのあそびに満足、美瑛町のはずれの丘でコーヒーをのみ、富良野へと走っていった。「北の国から」は好きなドラマだったので、五郎の森によったが、すごい人と観光していたのでちょっとのぞくだけで先を急いだ、国道へは近道を通った、車の少ない快適な道だったが無事国道に出れるかすこし心配だった。国道38号線はメインの道路で交通量だった。狩勝峠で休憩し、新得の駅前のスーパーで食料を買いたし、キャンプ場へと向かった。ダート9kが心配だったがなんとか転倒せずにキャンプ場に到着、同時に入場した2人連れが「食料がないや」とぼやいていたので、「牛丼のパックあるからあげる」といったらすごく感動してくれて、夜、一緒に宴会をやることになった。旅は道連れ、夜は情け、釣りに単車で滋賀から来ていると聞き、夏季休暇がどうのというので、「公務員ですか」と聞くと「栗東町」ですと聞き、公務員仲間となり、さらに盛り上がることに…・
 キャンプ場は川に囲まれた林の中で、これも最高の立地、釣りの成果はなかったが、その川ぞいに露天風呂までついていた。最高、めし前、めし後、朝と風呂に通った、夜にはまっくらの中、ランタンを灯して入った。女性もおばさんから、帯広からきた保母3人組などいろいろな人がいて、話しもでき最高、予定を変更して連泊することにした。ここからニペソツ山を往復し、もう一泊して、一気に北をめざすことにした。

 2004年夏 北海道の17日間の山旅 その4 二ペソツ山