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GS美神 リターン?

 Report File.0025 「大パニック!女子校に吹き荒れるセクハラの嵐!! その2」
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 横島がたどり着いた時、そこには女子高生相手に大暴れと言うか狼藉を働いている悪霊がいた。

”うへ、うへ、うへ、うへへへ”

「キャァーー!キャァーー!キャァーー!」

 逃げ惑う女子高生。丁度、体育が終わって着替えの最中だったらしく、そのほとんどが下着姿か上半身ブラジャーで下はブルマといういでたちであった。

”ちちーーっ!!”

 突然現れた霊は近くにいた女子高生の胸にタッチした。

「いやー!ママー!」

 触られた女子高生は必死で身を引いて両腕で胸を隠した。

”しりーーっ!!”

「いやんっ!」

 触っていた女子高生に逃げられた霊はまた手近にいた女子高生に迫り、その女子高生の尻に触った。

”・・・ぐぁっ!”

がその顔を見た途端、霊は固まり慌てて逃げた。どうやら好みが合わなかったようだ。

「こっち来るな!!」

 霊が自分の方に来るのを見て気の強そうな女子高生が手にした体操服を振り回す。ちなみに服装は上下ともに下着でカッターシャツを羽織っただけの状態の為、見る者が見れば非常にもえるものがある。

”ふとももーーっ!!”

 女子高生が体操服を振り回そうとも、物理的な干渉は受け付けない霊に取り障害にはなり得ず哀れその女子高生は霊にふとももに飛びつかれ撫で回された。

「ひっ!いやーーっ!!」

 さしもの気の強い女子高生も霊にふとももを撫で回され耐えれなくなり、涙を流して震えた。

「ああ、朝美さんに美千代さん・・は大丈夫か・・ああっ、翔子さんが・・」

 あうあうと恐怖に部屋の隅でがたがた震えている割には冷静に状況を把握している女子高生がいた。

”うへへへ・・”

 霊はうっとりと女子高生のふとももを撫で回し悦に入っていたがまた直ぐに次の獲物を求めて離れようとした。更衣室の唯一の入り口の近くに霊はいたので半数ぐらいの女子高生は逃げれずにいた。逃げるなら窓という手もあるのだが意外に高い位置にあるのでそこから抜けるには結構力が要る。念の為の覗き対策が仇になっていた。

ドゲシッ!!

”ぐぉっ!!”

「「「きゃあ!きゃあ!」」」

 そんな有頂天になっていた霊に飛び蹴りが炸裂した。霊は勢い良く吹っ飛び転がった。転がった先にいた女子高生は慌てて霊から距離をとった。

「てめえっ!なんちゅう羨ましい・・じゃない、何てことしやがる。そんな奴はこの俺、横島忠夫が成敗してくれる!!覚悟しやがれ!!(くっ、決った!!)お嬢さん、俺が来たからにはもう安心です!!」

キラン!

 おそるべし煩悩パワーか!?女子高生のピンチに颯爽と現れ、霊を蹴っ飛ばしあまつさえさわやかに笑うと歯がキランと光る演出まで行ったのである。おまけに手に指貫手袋、所謂ドライバーズグローブをはめて神木刀を持ち構えていた。

が、このまま霊と対峙し除霊するなり追っ払うなりすれば本当にヒーローとなれたのであろうがそこは横島であった。

ブハッ!!

 横島はこの周りが下着姿の女子高生だらけなことに気がつき興奮して鼻血を出してしまったのである。それを見た女子高生達はパニックから脱し正気に返った。

「いっ、いやぁ、ちかんっ!」

ドキャ!

「お、お、おとこーっ!いやっ!」

バシッ!

「「きゃぁー!」」

ゲシゲシ!!

「ち、ちかーーん」

ガスガス!

 かくして度粉園女学院学生による横島忠夫撲滅大会が開催された。手で殴るもの足で蹴りを入れるもの。中にはロッカーに何故か入っていたバットで殴る者もいた。

「ぐはっ!!な、なんでやねーーんっ!!!」

 助けに来たのに袋叩きに遭うとは余りにも理不尽だと横島は思ったが、女子高生にしかも下着姿のままで、揉みくちゃになっている訳だからある意味、夢の一つが叶ったのではなかろうか。

(・・・くっ、意識が朦朧としてきた。このままではヤバイ。かくなる上はしっかりと目に焼き付けねば)

 横島はくわっと目を見開いた。

「ぐぇ・・」

 瞬間、横島は見てはならぬものを見て(横島にとって)意識を手放した。後日談であるが彼は寝る都度にそれが夢に現れ魘されたらしい。

「「「ハァ!ハァ!ハァ!」」」

 その場の逃げそこなっていた女子高生達は横島を殲滅する事に精をだし息切れしていた。横島はボコボコにされ所々が流血した屍状態になっていた。

”うへへへ”

ぴとっ!もみもみ、もみもみ

「きゃあーーーーーーーーっ!!!」

 だが、彼女等は忘れていた。本来の騒ぎの元凶である霊の存在を。女子高生の一人・・先程、朝美と呼ばれていた女子高生が背後から霊に胸を鷲づかみされ、揉まれて悲鳴を上げた。しかし、本来ならばこの騒ぎを起こしていた霊を除霊すべく現れたはずの横島は救出対象であった女子高生達によって戦闘不能にされていたのである。

「いや、やめて!誰か助けて!!」

 朝美は振りほどこうとするが霊には触れず、しかし霊は触れれるという何とも理不尽な状態に為す術無しであった。

”うへ、うへへへへ”

 霊はますます調子に乗って捕まえている朝美のあちこちを触り始めた。

「あ、ああっ!!ちょ、ちょっとあんた、起きなさいよ。起きて何とかして!!」

 それを見た先程、翔子と呼ばれた気の強い女子高生がボロボロになった横島の胸座を掴んで揺さぶり起こそうとした。横島は力無くカクンカクンと頭を揺らしていた。

(ああ、何か・・頭がゆれている、なんでだー?)

 横島は意識を取り戻し始め、薄らとだが目を開けた。

「ちょっと早く起きてよ!!」

(何か視界が揺れてるなぁ・・それに見えるのは白色に肌色かぁ・・・白色に肌色!?)

 その視界に広がる色合いに横島は意識を急速に回復し始めた。翔子が必死に起こそうとしている甲斐もあったというものである。もっともその理由が分かれば横島の意識は再び暗闇に直行したであろう。

 そう横島の視界いっぱいに、自分を起こそうとしている翔子のカッターシャツの間から、垣間見える令子ほどには豊かではないが、それでもその年にしては見事な胸、それが作る谷間が下着越しとはいえ目の前で揺れて(実際に揺れているのは横島であるが)いるのだ。煩悩による執着と言うか執念には凄まじいものがある横島には良い薬になる。

(ぬぉーー!ち、ちちじゃーー!乙女のちちーーー!スタイルよし!形好し!大きさも程よい!文句無しのおちちさまじゃーー!しかも、顔も美人さんと来たーーー!)

ぶちっ!

 何か千切れた音がした。良い薬も過ぎれば毒になると言う奴である。

がばっ!

「へっ!?」

 無駄と知りつつも必死に起こそうとしていた男が顔は俯いたままであったが呆気なく起き立ち上がったのである。先程までボロボロで彼方此方傷だらけであった筈が、今やそんな傷があったのかと疑問に思える程、回復していた。所々に血の跡がついてあったりする事だけが、先程までボロボロであったなごりであった。

「・し・・・・も」

 横島は小声で何かをつぶやいたが、最も近くにいた翔子にさえ聞き取れなかった。

「えっ?何!?」

 翔子は聞き取ろうと横島に近づいた。

”うへ、うへ、うはははっ!!”

「ひゃう、へんなとこ触んないでっ!!きゃあーー!!」

「ひーん、お嫁に行けなくなっちゃう〜〜。ひーーん」

ちなみにこの間にも霊によってもう一人が捕まり霊は両手に華状態で触りまくり愉悦に浸り、逆に女子高生達の方は触りまくられる事で悲鳴と泣き声をあげていた。

 翔子が近づいた瞬間、横島が目の前から消えた。

「なっ」

むにゅ!さわさわ、もみもみ

 一瞬にして横島は翔子の背後に回り胸を鷲づかみにしたのだ。はっきり言って行動が未だ暴れているチカン霊と同じであった。

「あうっ、やめっ・・・て、んん」

 が、反応は霊とは何故か違っていた。霊とは違って翔子は頬を薄らと紅色に染めていたのだ。

「くっくっくっ、ちち、しり、ふとももーーーっ!!」

 暴走している横島は叫びつつ、言った場所を撫で回し始めた。

「きゃあうっ・・だ・・やめ・・あん」

 横島の手つきに翔子は間違いなく女として感じ始めていた。もっとも暴走している横島は自分の欲望に忠実にしているのでそんな反応をしているなど気にする事無くというか、気付かず気ままに触りまくっていた。翔子もだんだん抵抗する気が無くなってきているようだった。

 そんな横島達を面白く無さそうに見ていたものがいた。そうチカンを働いている霊である。同じ事をやっているというのに自分とは違う反応に霊は横島を敵として認知したのだ。

”うへうへ、うけっーーーー!!”

 敵とした横島に襲い掛かる霊、対する横島は普段武器として使っている神木刀は床に転がっているままだ。

バキッ!

 霊の振りかぶった手の爪が横島を切り裂こうとした瞬間、霊波でできた丸い盾状のものが阻んだ。それは横島の左手から作り出されていた。わかる者が見ればそれを[サイキック・ソーサー]と呼んだであろう。

 この霊の攻撃により捕まっていた女子高生のうちの一人は自由となり抜け出す事ができた。その女子高生は慌てて霊から1メートルでも遠く離れようとした。

「あーん、なんで私だけーーっ!」

 未だ霊に捕まえられている女子高生、朝美が嘆いた。霊から一番に被害を被っているがゆえであった。唯一の救いはセクハラが止まった事ぐらいか。

「これは俺んじゃー!」

 見事、攻撃を防ぎきった横島は叫んだ。それでも右手は未だ翔子の胸を触っており、翔子はぐったりとしていた。暴走した横島はどうやら自分がセクハラしている翔子を狙っていると勘違いしているようであった。そのため、霊に向かって威嚇した。

 霊が敵と見てこのままでは不利と判断したのか霊から目を離さずに翔子を名残惜しそうに床に横たわらせた。

「あん」

 横島は最後に一揉み忘れなかった。全て本能による業であった。

「グルル・・」

 ほとんど退化したかのように横島は四つんばい状態になり、霊を威嚇した。そして両腕に霊波を纏わせ始めていた。次第にそれは形になり肘から手先までが霊光で覆われた手甲のような物ができた。手の指先は鉤爪のようになっている。爪には爪と言う発想からであろう。それは記憶を失う前の横島が[ハンズ・オブ・グローリー(栄光の手)]と名づけた能力であった。

”うけ、うけけっーーーー!!”

 霊も負けじと威嚇した。

「うおりゃ!」

 先に仕掛けたのは暴走横島であった。霊は慌てて避けようとしたが片手に朝美を捕まえていた事もあり避けきれなかった。

サクッ!

”うへーーーーっ!”

 霊は横島の[ハンズ・オブ・グローリー]により朝美を捕まえていた左手を切り裂かれた。これによりやっと朝美は霊より解放されたのである。

「やったーー!」

 解放された喜びにより、普段は大人し目の朝美でさえ叫んでしまったほどだ。

もにゅ!

「へっ!?はうっ」

 その喜びも一瞬だった。今度はチカン霊ではなくセクハラ男、つまり暴走横島に捕まったのであった。

むにゅむにゅ、さわさわ、もみもみ

「ひっ・・あぅ、や・・ん・・あ・・」

 何故か朝美も翔子と同じくご多分にもれずに反応していた。

「くはははーーっ!ちちじゃー!しりじゃー!ふとももじゃーーっ!!」

 横島は朝美も自分のものだとチカン霊に自分がセクハラしているのを見せ付けていた。

 霊は自分の左腕が千切れたのにも関わらず呆然とした後、

”うへ、うへへーーーーっ!!”

 と泣きながら更衣室から立ち去っていった。更衣室に残っていた女子高生はあまりな成り行きに呆然としていた。

「ちちーっ!しりーっ!!ふとももーーっ!!!」

 横島は訳の分からない勝利の雄たけびを上げていた。もちろんセクハラは続いていた。勝利の余韻に浸るまもなく横島は次の行動に移った。要するに朝美を押し倒したのである。

「あの、ちょっと、まっ、心の準備がーっ!」

 朝美も突然の成り行きに混乱したが言う程に抵抗しているようには見えない。更衣室に残っていた女子高生も状況についていけずに呆然と自失している者か事の成り行きを興味津々と見つめる者しかいない。要するに暴走横島の行動を止める者はいなかった。

 横島と朝美、二人して大人の階段をひた駆けあがろうとしていた。

どかっ!!

「やめんかーー!このボケッ!あんたがやらなきゃいけないのはチカンする霊を倒す事でしょうが。それをあんたがやってどうする!?」

 しかし、そうは問屋が卸さない。本能の赴くままに事に及ぼうとした暴走横島にその当人がこの場に登場した時と同じように飛び蹴りを食らわせて令子が登場した。さすが似た者師弟というべきだろうか。

「まったく、目を離すとすぐこれなんだから。・・・大丈夫?」

 令子がきづかわしげに朝美を見た。

「あう・・だ、大丈夫です・・」

 令子に問い掛けられると頬を上気させ、暴走横島により半裸に近い状態にされていた朝美は令子に返事をして飛び蹴りを食らって吹っ飛び、ぷすぷすと摩擦によって煙をあげる横島をちらりとちょっと名残惜しそうに見た。それから急に恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にさせ伏せてイヤイヤと顔を振った。

「・・そう(なんか、この子その気になってたの?・・物好きな・・・最近の子って流されやすいのかしら?)にしても、逃げられたか・・」

 令子は女子高生の様子を白い目で見た後、自分も若いながらも年寄りくさい事を思うと共にチカンを働く霊を除霊できる機会を逃した事に歯噛みした。


(つづく)

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注)GS美神 極楽大作戦は漫画家の椎名高志先生の作品です。






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