差動回転
 differential rotation:
太陽や木星のように、その表面の緯度により回転の速度が変化するガス状天体の回転や、銀河のようにその中心からの距離で回転速度が異なる固定でない円盤状の構造体の場合の回転をいう。

散光星雲
 diffuse nebula:
ガス状の星雲のこと。星団や銀河と区別する意味で、ガスと塵の散光雲にのみ使われている。

散在銀河
 field galaxy:
ある銀河団と同じ視野に見えるが、銀河自身はその銀河団の構成員ではない銀河のことををいう。実際は、この散在銀河はある銀河団より遠くか近くに存在している。同じ状態が星に生ずる場合、このような星は散在星(field star)と呼ばれる。

ジェット推進研究所
 JPL:
Jet Propulsion Laboratory。カリフォルニア工科大学がNASAとの契約のもとに管理している研究施設。アメリカの惑星探査の開発と運用を担当するセンターである。JPLが行ってきたプロジェクトには、バイキング(Viking:火星)、マーズ・パスファインダー(MarsPathfinder:火星)、ボイジャー(Voyager:木星系、土星、天王星、海王星)、ガリレオ(Galileo:木星)、マジェラン(Magellan:金星)などがあり、今後も無人の惑星探査計画の中心的役割を果すことになる。

ジェミニ計画
 Gemini:
1960年代、アメリカが行った二人乗りの有人宇宙船計画。アポロによる月着陸の前段階として、有人宇宙飛行技術の開発を行った重要な計画であった。この計画から多くの宇宙飛行士が後のアポロ計画に参加した。

ジオコロナ
 geocorona:
地球大気の最も外側の領域のことで、地球半径の15倍くらいのところまで伸びており、その領域には水素ガスから成るハローが広がっている。

ジオット
 Giotto:
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のハレー彗星探査機。1986年7月2日に打ち上げられ、1986年3月13日、ハレー彗星の核に突入、最接近の2秒前(核まで605km)まで全ての装置は正常に機能していた。ジオットの送ってきた画像の中には、核のクローズアップも含まれており、ハレー彗星は質量の80%が水の凍った氷でできていることがわかった。ジオットという名前は、1301年に、ハレー彗星の出現を自らの絵に「ベツレヘムの星」として描きいれたイタリアの画家、ジオット・ディ・ボンドーネ(1266〜1337)に因んでつけられた。

磁気嵐
 geomagnetic storm:
地球磁場の水平成分が大きく減少する現象で、太陽のフレア(太陽面爆発現象)によって作り出される荷電粒子(プラズマ)が地球近傍までやってくると起こる。


物体の自転の中心となっていると想定される直線

しし座流星群
 Leonids:
毎年11月17日をピークに2日間出現する流星群で、その正体はテンペル・タットル彗星がまき散らす塵で、1998年と1999年には大出現が予想されていた。流星は宇宙空間の小さな塵が地球の大気に飛び込み、摩擦によって発光す現象である。しし座流星群の塵が大気に飛び込む速度は毎秒約70kmで、普通の流星群より速く、流星一つ一つが明るくなかなか消えない。この流星の放射点はしし座の頭部で、四方八方に飛び出すように見えることから、この名前がつけられた。

自転

軸を中心として行う天体の回転。

質量

天体における物質の総量。

シノーペ
 Sinope:
9番目の衛星で、1914年にニコルソンにより発見された。直径は40kmで、木星からの平均距離は2370万kmである。

磁場

2つの磁尺の間に存在する又は鉄元素に関連して引力又は反発力が存在する領域。地球の磁場は、その核に存在する鉄ーニッケルによると考えられている。この磁場が、高エネルギーを帯びた粒子の絶え間ない爆撃から地球を守っている。

ジャイロスコープ

その軸がどの方向にも自由に回転できるように備え付けられた重い輪又は円板。回転ジャイロスコープはその軸の方向の変化を妨害するように働く。 重力:2つの物体の間の引き合う力で、これは2つの物体の質量とその間の距離に影響される。

収差
 aberration:
レンズまたは反射鏡による結像の不完全さ。主な収差には、光の波長が異なるため像の周囲に色のついた縁が見える色収差、反射した光が異なる焦点距離で結像するために生ずる球面収差、点となるべき像が扇状に広がった形に見えるコマ収差、焦点面の湾曲、歪曲がある。

重力
 gravity:
gravitaionともいう。質量を持つ二つの物体が、互いに引き合う力(引力)のこと。惑星の質量が多いほど重力が強くなる。人間が質量のより大きな惑星に降り立てば、その人の質量は変わらないが体重はより重くなる。しかし、重力は距離が大きくなればなるほと弱くなる。木星の質量は地球の318倍あるが、木星の表面では、体重は318倍にはならない。それは表面が中心から非常に離れているからである。

重力アシスト
 gravity-assist:
燃料を消費せずに惑星の重力を使って探査機の速度や方向を変えるための技術。スウィングバイともいう。

重力的引力

重力 をみよ。

重力場

物体が重力による引力を及ぼしている立体的な広がり。

縮小軌道

時がたつにつれて縮小する、天体をまわる通路。例えば、人工衛星が地球をまわる縮小軌道にのると、その軌道は縮小していき、やがて地球の大気に突入し、そこで燃え尽きてしまう。

小惑星
 Asteroid:
数百フィートから数百キロメートルの大きさの岩石の天体。太陽系のほとんどの小惑星は、火星と木星の間の帯状領域で太陽を周回している。

小惑星帯
 asteroid-belt:
火星と木星との間の2〜3.3AUの範囲にある小惑星の軌道の集中している領域。この小惑星帯は地球型惑星と木星型惑星の境目であり、内部太陽系から外部太陽系に変わる遷移領域である。

衝突クレーター
 impact crater:
惑星や衛星のような大きい天体と小惑星や隕石のような小さい天体との衝突によりできたクレーター。

 eclipse:
ある天体からの光が他の天体の影に入って、全体もしくは部分的に掩蔽されること。これは、1)月のような惑星の衛星が母惑星の影に入って太陽光が遮られる、2)月が直接太陽の前を通り過ぎることにより太陽の一部または全部が隠される(日食)、3)連星系を成している恒星が他方の星の後ろから通過して、全体からの光が減少することにより起こる。

シリコン

非金属化学元素。

深宇宙
 deep space:
地球の大気圏の外側すべてを指す。

彗星
 comet:
太陽系を通る確定した軌道を持つ、ガスとチリの凍ったかたまり。 スペクトル:可視光線がプリズムを通過した時にできる色の帯。帯の色は、紫(波長が短い)から赤(波長が長い)までにわたる。

星雲

ガスとチリの、密度の低い雲で、ここで星が生まれる。

星間塵
 interstellar-dust:
星と星の間に密度の低い状態で存在する固体粒子。ときとして、集まって星雲を形成する。0.005〜1ミクロンの大きさで、通常星間ガスと混合している。

星間物質
 interstellar-medium (matter):
銀河内の星と星の間の空間にある物質のこと。matterは、星間物質に宇宙線を含んだものをいう。星間物質の主体は水素ガスとその中を漂う宇宙塵である。

星間分子
 interstellar-molecules:
星間物質の中の分子のこと。

星座
 constellation:
不規則に分布している恒星を、天球上で88のグループに分けたもの。1928年の国際天文学連合会第3回総会で承認された。古代メソポタミアでは、空に描いた絵で天空を分割していた。この方法はギリシャ時代にさらに発展し、150年頃、 プトレマイオスにより48の星座にまとめられた。残りは1600年以降に付け加えられた。

生息地

有機体が生存し、生き残るために必要な物質を手に入れる場所。

星団
 cluster of stars(またはstarcluster):
物理的に関連している星の集団のことで、これ等の星の起源は同じと推測されている。主な星団のタイプに散開星団(open cluster)と球状星団(globular cluster)がある。

星落、アソシエーション
 association:
10〜100個位の若い星の緩やかな集団。星間物質の豊富な銀河の渦状腕に沿って存在する。天文学的には、最近生まれたばかりの若い星の集団である。普通の星団とは異なり引力的結合はなく、各星はてんでんばらばらに動いており、200〜300万年以内に広く散ってゆくものと予想されている。

赤外線

スペクトルの見えない部分にある、長い波長を持った電磁放射。人物は熱として赤外線を経験する。

赤外線天文学
 infrared-asronomy:
天体から放射される赤外線を手掛かりに、天体の性質を研究する分野。人の目に見えず、また地球大気の下層部で主に水蒸気によりほぼ完全に吸収されてしまうので、赤外線の観測は、非常に高い山の上か、航空機、衛星などで行わなければならない。

フライバイまたは接近通過 
flyby:
探査機が探査しようとする惑星に着陸またはその惑星の軌道に入らずに、接近して通り過ぎながら、画像撮影や他の実験を行う場合の飛行のこと。

接触
 contact:
日食の経過のことで、太陽と月の縁が接して見える四つの段階。第1接触は、月の東の縁が最初に太陽の反対側に接した時、第2接触は、太陽と月の西の縁が接触した時、第3接触は、同じく東の縁が接触したとき(皆既または金環食の始めと終わり)、第4接触は、月が最後に太陽の円盤を離れた時の4段階である。

先端
 cusp:
三日月の先端を表す用語。

Solar Wings

太陽光線を電気エネルギーに変換する太陽電池のパネル。

素粒子
 elementary particle:
物質の階層構造の一つの段階で、その構成要素が確認されていない粒子。

相互作用銀河
 interacting galaxies:
重力の相互作用によって相互の形や構造が変化していまう程接近している銀河のこと。

存在比
 abundance:
太陽系を構成する元素の宇宙全体における元素の存在量の比。